実は栄養豊富なパクチー!パクチーに含まれる栄養と効能を解説
独特な風味が人気のパクチー。料理のアクセントとしてカルト的な人気を有している香草ですが、実はパクチーにはアンチエイジング効果が期待できるβカロテンやビタミンC、ビタミンEなど栄養が豊富に含まれています。今回はパクチーの栄養成分や効能など、パクチーの魅力についてわかりやすくまとめました。
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パクチーは料理に風味を添えるハーブの1種です。それだけではなく、美容や健康に効果が期待できる栄養や効能も含まれています。では、どのような野菜なのか、詳しく見ていきましょう。
パクチーって?

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パクチーはセリ科の植物です。日本でも最近は「パクチー」と呼ばれることが増えましたが、「コリアンダー」や「香菜(シャンツァイ)」と呼ばれることもあります。これは、同じ植物でも国によって呼び方が違うからで、「パクチー」はタイ語での呼び名、「コリアンダー」は英語、「香菜」は中国語での呼び名です。
また、葉や茎はもちろん、根も食用にできるほか、種子もカレーなどのスパイスに利用されます。
パクチーは他のハーブと比較して独特な強い香りがあるため、好き嫌いがわかれる野菜です。しかし、パクチーは古代ギリシャや古代ローマで薬草とされていたほど歴史が古く、東南アジア料理、中華料理をはじめ、メキシコ料理やインド料理にも使われるなど、世界中で愛されています。少量でもこうしたスパイシーな料理に加えてみることで、風味が増して本格的な味になります。さらに言うと、パクチーは食わず嫌いでいるにはもったいないほど、栄養的にも優れた野菜なのです。
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パクチーの栄養

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パクチーの栄養成分にはどんなものがあるでしょうか。
米国農務省のデータベースによると、食物繊維、カリウム、鉄、カロテン、ビタミンC・E・K、カルシウムなどさまざまな栄養がバランスよく含まれています。
また、体内でビタミンAに変換されるβカロテンも豊富と言われています。
ビタミンA
ビタミンAに変わるβカロテンは3,930㎍含まれています。βカロテンは老化を促進したり生活習慣病の原因ともなる活性酸素の働きを抑えたり取り除いたりする作用があります。このため、βカロテンが豊富なパクチーは、アンチエイジング効果があると言われています。老化を防ぐ効果や動脈硬化も期待されているのです。
ビタミンC
パクチーにはビタミンAと同じく抗酸化作用のあるビタミンCが27mgとたっぷり含まれています。ビタミンCの抗酸化作用は、食べ物が体のなかでエネルギーに変わる時に作られる物質、フリーラジカルから細胞を守ってくれます。フリーラジカルは大気汚染や紫外線などによっても発生し、細胞にダメージを与えてしまいますが、抗酸化作用はフリーラジカルによる体内の酸化を防いでくれます。
ビタミンE
ビタミンEは2.5㎎含まれています。免疫機能をアップしてくれるので、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退する時に役立ってくれます。血管の拡張を促し、血管内で血液が凝固するのを防ぐという効果もあるのです。また、ビタミンEは油に溶けやすい栄養です。油と一緒に摂取することで効率的に栄養を吸収することができます。
パクチーを食べるときの注意
ビタミンCなどの水溶性ビタミンは茹でて調理する場合、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンは油を使って調理する場合、栄養分が流出しやすくなるので、加熱調理をする場合には注意が必要です。
パクチーに含まれる豊富な栄養を失わないためにも加熱せず、生で食べるのがおすすめです。生パクチーを使ったサラダレシピ本なども参考にして、パクチー料理に挑戦してみましょう。
パクチーの使い方
パクチーは葉や種を使われることが多いですが、実は茎や根とすべての部分を食べることができます。
それぞれに部分に合った調理法で料理に取り入れて食感や風味を楽しんでみましょう。
・葉
葉は緑の鮮やかな色をしています。生で食べるサラダに取り入れてみてください。
手でちぎってサラダに和えるだけでサラダがとても華やかになります。
・種
種は甘くさわやかな風味が特徴的です。
粒のままで食感を楽しむこともできますが、さわやかな香りを使ってカレーなどの煮込み料理の風味として使用することをおすすめします。
・茎
茎はシャキシャキとした食感がアクセントになりますので、炒め物やスープにおすすめです。
・根
煮込み料理に取り入れるのがおすすめです。
根は最も香りが強い部分です。良く洗い細かく刻んで料理に取り入れることで香りのよい料理に仕上がります。
パクチーの旬とよいパクチーの選び方

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美味しいパクチーを食べるには、旬の時期に新鮮なパクチーを選ぶことが重要です。
パクチーの旬
パクチーは一年中出回っていることが多いのですが、旬の時期は3~6月です。
パクチーの選び方
パクチーを購入する際は、葉の色が鮮やかで葉先までピンと張った、みずみずしいものを選びましょう。葉が黄ばんできているものは鮮度が落ちているので、葉の色も確認するようにしましょう。また、茎は太すぎず、張りのあるもののほうが香りが強いようです。
生のまま保存する場合
生のまま保存する場合は、茎の根元を水に漬け、茎全体を濡らしたキッチンペーパーなどでくるみ、ポリ袋に入れて野菜室に入れます。できれば葉を上にして立てておく方がよいでしょう。保存できる期間は、2週間程度です。
長期保存する場合
もっと長く保存したい場合は、冷凍保存します。あらかじめ根を落とし、葉と茎を刻んで冷凍保存袋などに密閉するようにしましょう。このまま冷凍庫へ入れれば、1カ月ほど保存できます。使う時は凍ったまま料理に加えてください。
まとめ
エスニック料理や中華料理など、スパイシーな料理と相性のよいパクチーについてまとめました。ミネラルやビタミンが豊富で美容と健康によいのはもちろん、少量加えるだけでいつもの料理が本格派の味になるので、ぜひ香味野菜のひとつとして食卓に取り入れてみてください。
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プロフィール

監修者:遠藤 莉菜
管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。化粧品会社に入社し、エステの施術や化粧品・サプリメントの販売を行うが、管理栄養士の資格を活かすため転職。現在は特別養護老人ホームの管理栄養士として高齢者の食事管理を行っている。
また、日本栄養士会認定栄養ケアステーションにも在籍し、休日などは時間を作り地域の栄養相談や栄養セミナーなどさまざまな栄養活動のサポートを行っている。