「たけのこ」を長持ちさせる正しい保存方法
若竹煮やたけのこご飯、てんぷらなど、いろいろな料理に使えるたけのこは、短い期間にしか出回らない旬のものです。しかし、「たけのこのあく抜きはめんどくさそう…」と思って、買うのをためらっていませんか?今回は、基本のあく抜き方法と長持ちさせる正しい保存方法について紹介します。
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たけのこのベストシーズンはいつ?

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たけのこはイネ科の食材で、まだ地面からしっかりと出ていないくらいの若竹の幹部分のことを指します。日本の竹は約600種類ほどあると言われていますが、その中でも「たけのこ」として食用となるのは数種類だけです。
その中でもえぐみが少なく、独特の甘みと食感が特徴の孟宗竹(もうそうちく)という種類が、一般的に私たちがイメージする「たけのこ」です。原産は中国で、江戸時代に日本に渡ってきたといわれる孟宗竹は、3月下旬~5月下旬頃にベストシーズンを迎えます。孟宗竹のほかには、苦みやアクの強い真竹(まだけ)や、孟宗竹の出荷後に出回る淡竹(はちく)などがあります。
選ぶ際は、太くて短い、ずんぐりとしたまっすぐなものを選びましょう。さらに切り口が白くみずみずしいもので、外皮は薄茶色、先端は黄色がかっていて、しっとりとしているものが良品です。また、根元のまわりの赤いブツブツが小さく、少ないものほどやわらかいとされています。
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たけのこのあく抜き方法〜保存前の処理〜

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たけのこは「湯を沸かしてから掘れ」といわれるほど、鮮度が命の食材です。時間が経つと風味が悪くなり、えぐみが出るので、購入したらその日のうちにできるだけあく抜きをしましょう。
あく抜き方法
あく抜きにはさまざまな方法がありますが、一般的に米ぬかと赤唐辛子があれば行えます。もし米ぬかがなければ、米のとぎ汁や米を入れてあく抜きもできます。
たけのこの大きさはかなり個体差があるため、今回は目安として紹介しますが、もっと詳しく知りたい方は、レシピサイトを検索して、自分に合ったあく抜き方法を探すとよいでしょう。
材料
たけのこ…適量
米ぬか…ひと握り
赤唐辛子…1~2本
1.たけのこは根元のかたい部分を切り落とす。穂先5cmほどを斜めに切り落として、縦に浅く切り込みを入れる。
※縦に切り込みを入れることで、火の通りがよくなり、皮がスムーズにむけます。
2.鍋にたけのこが隠れるぐらいの水を入れ、米ぬかと赤唐辛子を加えて強火にかける。
※赤唐辛子を一緒に煮ることでえぐみをやわらげるといわれています。
3.煮立ったら落とし蓋をして、さらに弱火で40分~1時間ゆでる。湯がなくなったら、途中で水を加える。
※たけのこが浮かび上がらないように落とし蓋をしましょう。ゆで時間はたけのこの大きさをみて調整を。
4.たけのこの根元に竹ぐしを刺し、スムーズに通ったら火を止め、そのまま鍋の中で冷ます。
※ゆっくりと冷ますことで、あくがしっかりと抜けます。
5.たけのこを取り出して水洗いし、縦に入れた切り込みに指先を入れて皮をむく。
※姫皮と呼ばれる、内側のやわらかい皮はおいしいので捨てずに料理に使いましょう。
とても簡単!たけのこの保存方法

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たけのこはきちんと保存しないとすぐに傷んでしまう食材です。しかし、正しい方法で保存すれば、味も食感もよい状態で長持ちさせることができます。ここからはたけのこの冷凍&冷蔵保存方法について紹介します。
冷凍保存方法
材料
あく抜きをして皮をむいたたけのこ…適量
砂糖…適量
1.たけのこは煮物や炒め物など用途に合わせてくし形切りや半月切り、さいの目切りなどにする。
2.切り分けたたけのこをそれぞれ冷凍用ポリ袋に入れ、たけのこ200~300gに対して砂糖大さじ1を加える。
3.常温でしばらく置き、なじんだら平らにして冷凍庫に入れる。
【ポイント】
砂糖をまぶすことで、たけのこ独特のシャキシャキとした食感を保つことができます。
冷蔵保存方法
材料
あく抜きをして皮をむいたたけのこ…適量
1.保存容器にたけのこを入れ、たけのこがかぶるくらいの水を入れる。
2,冷蔵庫に入れ、毎日水をかえる。
【ポイント】
水をかえる際に水が濁っていたら、濁りが消えるまで水を交換しましょう。
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保存できる期間

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上記の方法で保存した場合、冷凍保存なら1カ月ほど保存可能です。使う際は、冷蔵庫で自然解凍したり、電子レンジで解凍したりしてもよいですが、煮物や炒め物で使うなら、凍ったまま直接鍋に入れても問題ありません。
冷蔵保存なら1週間ほど保存が可能です。ただし、冷蔵保存の場合、状態によっては途中で傷む場合があるため、カビや異臭などに気づいたら食べずに捨てましょう。
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まとめ
水煮や缶詰などのたけのこは一年中出回っていますが、新鮮でおいしい国産のたけのこは3~5月の旬の時期にしかお店に出回りません。だからこそ、基本のあく抜き方法と冷凍&保存方法をマスターして、ぜひ甘くて食感のよい、旬のたけのこを存分に堪能しましょう。