【管理栄養士監修】ナスに含まれる栄養を解説!栄養を逃がさないための調理方法も

和洋中何にでも使えて、昔から重宝されているナス。実は味だけではなく栄養面でも優れており、ナス特有の栄養でポリフェノールの一種である「ナスニン」が豊富に含まれています。今回はその栄養と、栄養を逃がさない調理のコツにについて解説していきます。

【管理栄養士監修】ナスに含まれる栄養を解説!栄養を逃がさないための調理方法も
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ナスの栄養価は低い?栄養成分を紹介

ナスの栄養価は低い?栄養成分を紹介

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100gあたりに含まれているナスの栄養成分を調べてみると、90%以上が水分でエネルギーも20kcalと低いため、栄養価が低いと思われがちですが、ナスにもさまざまな栄養が含まれています。またナスには特有の栄養が含まれています。

ナスの栄養価は低い?栄養成分を紹介

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ナスニン

ナス特有のポリフェノールの一種である「ナスニン」は、ナスの皮に多く含まれています。これはアントシアニン系の色素でナスを鮮やかな紫色にしています。強力な抗酸化作用があり、疲労や免疫機能の低下など健康に影響を及ぼす活性酸素を取り除いたり、老化の原因となる酸化を抑制したりする効果があるとされています。

カリウム

ナスにはカリウムが比較的多く含まれています。カリウムは浸透圧に影響する成分で、ナトリウムとのバランスを保っています。塩分の吸収を抑制して尿への排泄を促してくれるためむくみの解消や血圧を下げる効果があります。塩分をとりすぎたときはカリウムをとることで体内の塩濃度をコントロールすることをおすすめします。

食物繊維

食物繊維が多いのもナスの長所です。食物繊維には腸の働きを良くして有害物質の排泄を促す「不溶性食物繊維」とコレステロールや血糖値の上昇を抑えたり腸内環境を整える働きをする「水溶性食物繊維」があり、ナスにはどちらの食物繊維も豊富に含まれています。

先述した通り、ナスの大部分が水分でできているのでダイエット食としてもおすすめです。低カロリーでむくみの解消や腸内環境を整える効果的な栄養素が豊富に含まれている点は、ナスが日本人から愛される理由のひとつでしょう。

ナスに含まれる糖質量・カロリー

90%以上が水分でできているナスの糖質量やカロリーはどのようになっているのでしょうか。

■なす100g中の糖質量

・生:2.9g
・ゆで:2.4g
・油いため:3.7g

■なす100g中のカロリー

・生:22kcal
・ゆで:19kcal
・油いため:79kcal

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

糖質、カロリーともに少ないのでダイエット中の方にもおすすめの野菜といえるでしょう。
ほとんどが水分でできているナスですが、栄養もたくさんあるので積極的に取り入れていきたいですね。また、なすは油との相性がとても良い野菜ですが油を使うことで糖質もカロリーもぐっと増えるので注意して取り入れましょう。

ナスの栄養を逃がさないで調理をするコツ

ナスの栄養を逃がさないで調理をするコツ

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ダイエット食材や健康食材としても魅力的なナスは、栄養価を保ったまま調理することが難しいという問題を抱えています。まず、栄養が含まれている状態を保つためには、栄養が含まれている部分を廃棄しないことが大切です。

栄養を逃がさないコツ

皮ごと調理

ポリフェノールをはじめとしたナスの栄養成分は皮に偏っているので、焼いたり炒めたりする際も皮ごと調理するようにしましょう。

また、アントシアニン系色素の一種であるナスニンは水溶性なので、調理方法によっては栄養が減ってしまいます。たとえば、ナスを切ってから水にくぐらせると、これらの成分が水に溶けて流れ出てしまいます。
特にアク抜きのためにナスを水にさらすときは長くつけすぎないようにして、ナスの栄養価が流れ出ないように気をつけましょう。

油で調理

下準備を終えたら調理を開始しますが、ナスは油との相性が抜群です。油を使う焼き料理がおすすめです。

油で切り口をコーテイングすることで成分が流れ出るのを防げるため、ナスニンなどの栄養を比較的留めておくことができます。中華風に味付けて炒めたり、天ぷらにしたりしてナスの美味しさを引き出しましょう。

油を避ける場合はスープがオススメ

油を避けてナスに含まれる栄養を余すことなく食べるなら「スープ」や「味噌汁」が理想的です。

水に溶けやすいナスニンやカリウムをスープに残しておけるので、効率的に栄養を摂取できます。また、ナスは加熱するとやわらかくなるため、食べやすくなるのも大きなメリットでしょう。

ナスの味を引き出すコツ

味をしみこませたい場合は皮に切れ目を入れる

注意が必要なのは調理時のナスの形状です。ナスの皮は硬いので、食べにくかったり、そのまま調理すると中まで味がしみ込まないことも珍しくありません。皮をつけたまま味付けを上手く行うには、皮に包丁で切れ目を入れることもあります。

しかし、切れ目から味がしみ込む反面、栄養は溶け出してしまいます。ナスが美味しく仕上がっても栄養が減ってしまっていることは十分に考えられます。

水を使うときは表面積を小さくする

油を使用する場合はそこまで気にする必要はありませんが、蒸し料理や水を使って焼く場合は表面積を小さくすることが大切です。ナスを斜めに切ったり、薄く切ったりすると表面積が大きくなって栄養素が流れ出てしまうので、蒸した後に切る、輪切りにするなど水に触れる面積を小さくしましょう。出汁を別の料理に使うのも効果的な方法です。

栄養素を逃がさない保存のコツ

野菜は買ってすぐが一番新鮮で栄養価が高いです。しかし一度に使いきれず、ナスを保存するときは保存状態と温度にもコツがあります。ナスは冷気に弱いため、ナスを直接冷気にさらすと、栄養成分が減衰していくおそれがあります。ナスをひとつひとつ個別にラッピングして、野菜室に入れておきましょう。そうすると、ある程度時間が経ってもナスの栄養が保てます。それでもナスが低温に弱いことに変わりはないので、保存してから3~4日以内に使い切ってしまうのがおすすめです。

新鮮なナスの選び方

最後に、新鮮なナスの選び方を紹介します。紫色が濃く鮮やかで張りがあり表面がなめらかでキズがないものを選びましょう。

ナスのガクの部分のとげがありますが、鋭くとがっているものほど新鮮です。
また、一度手に取ってみてずっしりと重みのあるものを選びましょう。軽いものは中身がスカスカでおいしくないものが多いです。

参考文献(https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/nasu2.htm

まとめ

まとめ

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ナスは栄養がないと思われがちな野菜ですが含まれている栄養素が少ないことや調理過程で簡単に栄養素が失われてしまうことが原因でしょう。事実、調理方法を選ばないとナスの栄養を損なってしまいます。しかしダイエットや体調管理に効果的な栄養が豊富に含まれています。水にさらしすぎず皮を剥かずに調理したり保管方法を工夫したりすることでナスの栄養を保つことができます。また、ナス特有の栄養が含まれていることもナスの魅力です。少しの工夫で栄養素もしっかり摂れて美味しく食べることができます。

プロフィール

監修者:遠藤 莉菜

監修者:遠藤 莉菜

管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。化粧品会社に入社し、エステの施術や化粧品・サプリメントの販売を行うが、管理栄養士の資格を活かすため転職。現在は特別養護老人ホームの管理栄養士として高齢者の食事管理を行っている。
また、日本栄養士会認定栄養ケアステーションにも在籍し、休日などは時間を作り地域の栄養相談や栄養セミナーなどさまざまな栄養活動のサポートを行っている。