下ごしらえがポイント!ゴーヤの苦味をとる方法5選【料理研究家監修】
ゴーヤは栄養が豊富で積極的にとりたい野菜ですが、苦味が勝ってしまうとせっかくの料理もおいしくいただけません。そんなときは、簡単な下ごしらえをするのがおすすめです。ゴーヤの苦味をとるにはさまざまな方法があるので、ぜひ実践してみてください。
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まずはおさらい!ゴーヤという野菜について

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ゴーヤは沖縄の代表的な野菜ですが、意外にも江戸時代から日本にある歴史の古い野菜です。沖縄から本州に広まったのは1990年代。7~8月が旬の夏野菜で、表面にあるたくさんの突起物に水分を溜めることができるため、乾燥に強いという特徴があります。
ウリ科であるゴーヤは長さ別に2種類あり、10~15センチの短果種と、25~30センチほどの長果種に分けられます。よく見かける小ぶりなものは、早摘みなどではなく短果種ということになりますね。色は一般的に緑色が主流なので緑黄色野菜と思われがちですが、カロテンの量が少ないため、淡色野菜に分類されます。
また、ゴーヤ100gには76mgもの豊富なビタミンCが含まれています。これは、ビタミンの多いイメージのある、いちご100gあたりのビタミンC量62mgを上回る数値です。しかもゴーヤに含まれるビタミンCは、調理で加熱しても壊れにくいことで知られています。さらにミネラルも含まれているため、汗を大量にかく夏にぴったり。むくみ対策に良いカリウムも含まれます。新鮮なゴーヤは、重くて表面の突起物がピンと張っていて隙間なく詰まっており、一般的に緑色が濃く突起物が細かいものは苦味が強く、緑色が薄ければ苦味が弱いと言われています。

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ゴーヤが苦いのは、「ククルビタシン」や「モモルデシン」などの苦味成分が複数含まれていることが原因です。そもそも「ククルビタシン」等はウリ科の植物に含まれる物質で、キュウリやスイカ、メロンなどのヘタ付近にも存在します。特にキュウリなどはヘタに近い部分が苦いものもありますが、これも「ククルビタシン」等の影響です。
実はこの「ククルビタシン」には、血糖値や血圧を下げる作用があるとも言われています。ゴーヤはお薬ではなく野菜なので、せっかくなら苦味を取り除く方法を知って、おいしく食べたいものですね。
ちなみに、ゴーヤが苦いのは「種が熟す前に鳥や動物に食べられないための知恵」だと言われています。
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ゴーヤの苦味をとる~下ごしらえ編~

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まずは基本の下ごしらえです。ゴーヤにもよりますが、この方法でかなり苦味が軽減されます。
種とわたを取り除く
はじめに、水洗いしたゴーヤの両端を切り落とし縦半分に切ったら、大きめのスプーンで端から端まで種とわたをすくうようにとります。少し食べてみるとわかりますが、ゴーヤのわた自体にはそれほど苦味がないため、無理に取り除く必要はありません。
塩をふる
次に、5~8ミリ幅の半月切りにし、ゴーヤ1本に対し小さじ1程度の塩をふってなじませます。そして、そのまま10~30分程度放置すると苦味成分を含んだ水分が出てきます。放置せずにしっかりと揉み込むことでも、同じく水分を出すことは可能です。、ゴーヤがしんなりしてきたら、水で洗い流しましょう。このとき、塩と同量の砂糖も一緒に加えて揉むと、より効果的に苦味を抑えることができます。
湯通しする
ここまでの下ごしらえでもある程度苦味は和らぎますが、さらに苦味をとりたい場合は、塩もみした後30秒ほど熱湯で湯通しします。少しの苦味でも気になってしまう方は、数分間下茹ですると良いでしょう。
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ゴーヤの苦味をとる~調理方法編~

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ゴーヤの苦味は上述したような下ごしらえでとるのが基本ですが、調理方法を工夫してとる方法もあります。
油で調理する
ゴーヤのような苦味がある野菜は、油で炒めるとその苦味を感じにくくなります。ツナのオイル缶やチーズなど、油分の多いものと一緒に炒めるのも効果的です。
使う油は、サラダ油などの植物油で十分です。ごま油を使えばごまの風味も加わり、より苦味を感じにくくすることができるでしょう。植物油以上に苦味を軽減する作用がある、マヨネーズを油代わりにして炒めるのも効果的です。
また、ゴーヤチャンプルーにはかつおぶしを加えることが多いですが、このかつおぶしには苦味を吸収する作用があると言われています。苦味を抑えるという意味でも、ぜひ加えてみてください。
濃い味付けにする
ゴーヤは、味の濃い調味料を使うと苦味を感じにくくなります。例えば、味噌や醤油、カレー粉などです。甜麺醤やオイスターソース、豆板醤などを使った、中華風の濃い味付けも向いています。野菜カレーなどに具として入れるのもおすすめですが、その際はゴーヤを先に炒めてから加えると、より苦味をとることができます。
また、ゴーヤは薄切りや小さい角切りにすると苦味を感じにくくなると言われています。そのため、料理に加える際は切り方も意識すると良いでしょう。
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まとめ
ゴーヤの苦味をとるには下ごしらえが基本ですが、油で炒めたり濃い味付けにしたりなど、工夫次第で他にもいろいろな手段があります。苦味をとる方法をマスターすれば料理のレパートリーも増え、夏定番のゴーヤを存分に楽しむことができるでしょう。
プロフィール

監修者:貞本 紘子
料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。