【管理栄養士監修】ネギに含まれる栄養は?白ネギ・青ネギで比較!

ネギは大きく白ネギ(根深ねぎ)と青ネギ(葉ねぎ)に分けられ、種類によって栄養価や調理法が異なります。今回はネギの種類や栄養価、栄養を逃さないネギの調理法のコツを紹介します。

【管理栄養士監修】ネギに含まれる栄養は?白ネギ・青ネギで比較!
出典 : 白ネギと青ネギで栄養が違う?【管理栄養士監修】

ネギにはどんな種類がある?

ネギにはどんな種類がある?

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ネギは大きく白ネギと青ネギに分けられます。もともと関東では「ねぶかねぎ」と呼ばれるネギが主流で根本の白い部分を食べていましたが、関西以西では緑色の「はねぎ」が一般的でした。ネギの白い部分も上部の葉の部分もネギの葉にあたるので、食している部分は同じです。
これらの色の違いは育て方の違いに由来します。

白ネギ

ネギにはどんな種類がある?

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土をかぶせて日光に当たらないように育てることで、白い部分が多くなり、甘みがあるので煮込み料理や焼き鳥に向いています。白ネギには、加賀ネギ、千住ネギ、下仁田ネギ、曲がりネギなどがあります。

青ネギ

ネギにはどんな種類がある?

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土を盛らずに育てることで緑の部分が多くなるように育てられます。根本まで青い青ネギが主流で、万能ネギややっこネギ、植物学上はネギとは別の種類になりますが、ワケギなどが代表的です。11~2月が旬ですが、現在は一年を通して食べられます。

ネギに含まれる栄養とは?

ネギに含まれる栄養とは?

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ネギには健康に役立つたくさんの栄養が含まれています。ここでは、ネギに含まれる栄養素とその効能について解説します。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるといわれています。また、抗酸化力にも優れた栄養素で活性酸素の発生を抑え、取り除く働きも期待されます。特にネギの青い部分に多く含まれている栄養素です。

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、丈夫な血管、筋肉、ハリのある肌づくりに欠かせません。メラニン色素の生成も抑制し、シミの予防効果も期待されます。抗酸化作用も持ち合わせ、健康・美容の両面で重要な栄養素といえるでしょう。

カリウム

ナトリウムを排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節する上で役立つ栄養素です。ほかにも、神経の伝達や筋肉の弛緩・収縮などにも関わり、私たちの生命活動の維持に大切な役割を担っています。水溶性で汗や尿として排泄されやすいため、日頃から積極的に摂取したいミネラルです。

カルシウム

カルシウムは、歯や骨の健康維持に必須の栄養素です。またカルシウムは吸収率が悪い栄養素の1つです。効率よく摂取するために、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKも合わせて意識するとよいでしょう。

ビタミンDは干し椎茸、ビタミンKは小松菜などに豊富に含まれています。ネギと一緒に汁ものにして取り入れるのもおすすめです。

アリシン

アリシンはもともと硫化アリルという栄養素ですが、体内に入るとアリシンという成分に変わります。アリシンは、疲労回復に役立つとされるビタミンB1の吸収を高めてくれます。全体的な栄養素面では青ネギの方が多く含まれていますが、アリシンはネギの白い部分に多く含まれている特徴があります。熱に弱いため生のままとり入れることで効率よく摂れます。水溶性でもあるので、長く水にさらすのは控えましょう。

粘液

昔から「ねぎを食べると免疫力がアップする」といわれてきましたが、最近の研究によると「粘液」には、唾液分泌中のIgA抗体の数、血中NK活性を向上させ、免疫力をアップさせる可能性があるとされています。

白ネギと青ネギでは栄養素が異なります。白ネギは淡色野菜、青ネギは緑黄色野菜に分類されており、含まれている栄養も異なります。

青ネギは、β-カロテン、ビタミンC、カルシウムといった栄養素の含有量が白ネギを大きく上回っています。例えば、β-カロテンは白ネギの82μgに対して、青ネギには1500μg含まれていますし、ビタミンCやカルシウムも青ネギの方が2倍以上含まれています。

また、ネギの青い部分に含まれている「粘液」に免疫力を上げる効果があると言われています。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

ネギの栄養を逃がさない調理方法のコツ

ネギの栄養を逃がさない調理方法のコツ

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効率的に栄養を摂取するのであれば、以下のことに気を付けてください。

生で食べる

ネギに熱を加えると酵素が失活し、アリシンが減少します。

長時間水にさらさない

長時間水にさらすと水溶性の栄養素が流れ出てしまうので、さらしすぎには注意が必要です。

保存をするときは水気を切る

保存する際は、洗ってから水気をよく拭き取り、ラップに巻いて保存します。密閉できる保存袋でも問題ありません。また、保存前に小口に切っておけば解凍せずに直接料理に使用することができます。

まとめ

1年を通してスーパーなどで購入ができるネギは、さまざまな料理で活躍してくれます。ネギの種類や調理方法によって栄養価が異なるので、目的に応じて使い分けることが大切です。美味しく食べられるように工夫してみてください。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。