ネギにはどんな食べ方がある?これで明日からワンパターンは卒業!【料理研究家監修】
薬味として料理に加えるイメージの強いネギ。実は、ネギにはそれ以外にもいろいろな食べ方があるのをご存知でしょうか?この記事では、ワンパターンになりがちなネギの新しい食べ方をご紹介します。ネギの白い部分や青い部分を残らず美味しく食べる方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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改めて確認!ネギってどんな野菜?

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一口にネギといっても、青ネギや白ネギなどいくつか種類があります。まずはネギの基礎知識からご紹介しましょう。

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一般的に長ネギ・白ネギと呼ばれるものは、「根深ネギ」という種類のネギで、関東でよく食べられてきたものです。食べるのは根元の白い部分が中心で、ここにはビタミンCが多く含まれています。この白い部分は一見、根や茎のようにも見えますが、実はネギの葉っぱ。根深ネギは、根元に土を盛って日光に当たらないように育てるため、葉の部分が白く、長く育つのです。根深ネギは生のまま食べると辛味がありますが、火を通して煮込むと甘味が出てきて、とろりとした食感が楽しめます。根深ネギが美味しい時期は、冬だといわれています。

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一方、青ネギと呼ばれるネギは、「葉ネギ」という種類のネギで、関西でよく食べられてきました。食べるのは緑色の葉の部分が中心で、根深ネギが土を盛って日光に当てないように育てられるのに比べ、葉ネギは土を盛らず、日光に当てながら育てます。緑色の葉の部分には、ビタミンCに加えて、β-カロテンやカルシウムも含まれています。葉ネギを先取りしたものは、「小ネギ」や「薬味ネギ」、「細ネギ」と呼ばれ、主に味のアクセントや、見た目を華やかにするために使われます。葉ネギは一般的に、春に美味しくなるといわれています。
ちなみに現在では、どちらのネギも関東・関西などの地域にかかわらず、全国で食べられています。根深ネギは冬、葉ネギは春というようにそれぞれ旬はありますが、特に根深ネギに関しては、4~8月に採れる「春ネギ」、7~10月に採れる「夏ネギ」、10~4月に採れる「秋冬ネギ」、と季節ごとに収穫できるため、年中美味しく食べられます。
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ネギの切り方と切るときのコツ

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ネギにはさまざまな切り方があります。ここでは代表的な6種類の切り方と、相性のよい料理や調理法をご紹介します。
ぶつ切り
ぶつ切りは、3cm程度を目安に、横向きで適当な大きさに切っていきます。ぶつ切りにしたネギは、主に焼きネギに使うのがよいでしょう。
太めの千切り
ネギの白い部分をぶつ切りし、さらに縦方向に千切りします。炒め物や煮物によく使われます。
斜め薄切り
ネギの代表的な切り方の1つです。斜めに包丁を入れ、1~2cm程度で切っていきます。甘味と辛味のバランスがよく、また表面積が大きくなり味が染みこみやすいため、すき焼きなどの鍋や麺類、丼もの、味噌汁などに使われます。
筒切り(輪切り)
ネギの繊維を断つように、横に一定の間隔で切ります。炒め物やぬたを作るときに使われる切り方です。
小口切り
筒切りをさらに薄くした切り方のことで、小口とは端のことを表しています。汁物や麺類の薬味としてネギを使うときの切り方です。
みじん切り
みじん切りは、繊維に沿うよう縦に切れ目を入れ、さらに直角に切っていきます。縦の切れ目の数で細かさが変わります。中華料理などによく使われます。
実は、ネギは包丁を入れる方向によっても味わいが変わります。上記6種類の切り方のほかに、包丁を奥に向かって押し出して切る「押し切り」という方法と、包丁を手前に引きながら切る「引き切り」という方法があります。「押し切り」では、ネギの繊維を壊すので辛味が引き立ち、「引き切り」では、ネギのすっきりとした甘味が際立ちます。また、ネギを切る方向によっても食感や味は変わります。ネギは繊維が縦に並んでいますので、繊維に沿って切る縦切りでは甘味が増し、繊維を断ち切る横切りでは辛味が増す、と覚えておきましょう。料理に合わせて切り方を変えることで、ネギをより美味しくいただくことができます。
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ネギにはどんな食べ方がある?

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最後に、ネギの食べ方についてご紹介します。ネギを主役にするなら、「焼きネギ」や、牛すじなどと一緒に「煮込み」にするのがおすすめ。お好きな具材と一緒に、アヒージョにしても美味しくいただけます。また、ネギをみじん切りにして、ごま油と塩を加えてよく混ぜるだけでできあがるネギ塩ダレは、焼き物や和え物、炒め物など、さまざまな料理の味付けに使えてとても便利です。
さらにもうひとつ、知っておきたいのがネギの「青い部分」の活用法。ネギの青い部分は独特の風味があるので、それを活かして料理するととても美味しくいただけます。ネギの青い部分は「香り」、そして「辛味」が強いので、油を多く使う料理や、濃い味付けの料理によく合います。また、その濃い色が、料理に彩りを加えてくれるので、普段作っている卵焼きにネギの青い部分を少し刻んで入れるだけでも、ネギの風味がしっかりと感じられる、緑が映える卵焼きが完成します。
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まとめ
ネギの美味しい切り方や食べ方についてご紹介しました。「ネギは薬味」というワンパターンから抜け出したい方は、まずはネギの切り方から変えてみましょう。そして、その切り方に合わせたメニューを考えることで、ネギ料理のレパートリーは大きく広がるはずです。
プロフィール

監修者:貞本 紘子
料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。