【管理栄養士監修】大豆にはどのくらい糖質がある?カロリーや食物繊維などについても解説
「畑の肉」と呼ばれるほど、栄養価の高い大豆。大豆に含まれる糖質やカロリーは、いったいどのくらいなのでしょうか。この記事では大豆に含まれる糖質やカロリー、食物繊維を紹介するとともに、大豆に特徴的な栄養素をご説明します。
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大豆ってどんな食品?

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大豆はもともと中国で栽培されていましたが、弥生時代に朝鮮半島を通して日本に伝わったとみられています。煮豆やいり豆として食べられていましたが、奈良時代になって味噌や醤油のような使い方もはじまりました。鎌倉時代以降に広く栽培されるようになり、現在でも全国的に栽培されています。ただし自給率は約3%と低く、ほとんどがアメリカをはじめとした外国からの輸入です。
国産大豆と外国産大豆を比べてみると、国産の大豆はタンパク質が多く、炭水化物や脂質が少ない特徴があります。
ちなみに小粒なのに、大きな豆と書いて大豆と呼んでいるのは、大豆が昔から重宝されており、大いなる豆・大切な豆という意味合いを持っているからだといわれています。
大豆の糖質はどのくらい?

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「文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)」のデータによると、大豆の糖質(炭水化物-食物繊維)は以下の通りです。
大豆の種類 | 大豆の糖質(100gあたり) |
---|---|
国産、黄大豆、乾 | 11.6g |
国産、黄大豆、ゆで | 1.8g |
黄大豆、水煮缶詰 | 0.9g |
大豆は全体的に糖質が少なく、豆腐や油揚げなど大豆を用いた加工食品も糖質が少ないのが特徴です。
(参照元:http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0204r9.pdf)
大豆のカロリーや食物繊維はどのくらい?

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続いて大豆のカロリーや食物繊維についても確認しましょう。こちらも「文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)」のデータを参考にしています
100gあたりのカロリー | 食物繊維総量[水溶性、不溶性] | |
---|---|---|
国産、黄大豆、乾 | 422kcal | 17.9g[1.5g、16.4g] |
国産、黄大豆、ゆで | 176kcal | 6.6g[0.9g、5.8g] |
黄大豆、水煮缶詰 | 140kcal | 6.8g[0.4g、6.4g] |
乾燥した大豆には脂質が多く含まれているため、カロリーが高くなりがちです。しかし水煮・ゆでなどの調理をすることにより、大幅にカロリーカットができます。また、あまり知られていませんが、大豆は食物繊維を多く含む食材です。一般に食物繊維が多いと知られているごぼうには、生で100gあたり5.7g、ゆでた状態で100gあたり6.1gの食物繊維が含まれています。一方、大豆には乾燥した状態で17.9g、ゆでた状態で6.6g、炒った状態で19.4gと、豊富に含まれていることがわかります。
(参照元:http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0204r9.pdf)
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その他大豆が多く含む栄養は?

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大豆には、ほかにどのような栄養素が多いのでしょうか。
タンパク質
大豆の約3割はタンパク質からできており、これが「畑の肉」と呼ばれる所以です。血中のコレステロールを下げ、肥満や動脈硬化対策に効果があると期待されています。
脂質
大豆に含まれる脂質で多いものは、リノール酸とレシチンです。脂質といっても血中のコレステロール値を下げ、動脈硬化予防に役立ちます。またレシチンは記憶力・集中力を上昇させる効果もあるといわれています。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽(大豆の種子の中にある将来成長する部分)に含まれるポリフェノールの一種です。女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があるといわれており、コレステロール値の低下や抗酸化作用(体の老化や酸化を防ぐ作用)、がんの抑制に効果があるそうです。
ほかにも鉄分やカルシウムなど、わたしたちの体を作り上げるために必要な栄養素が含まれています。大豆は、生活習慣病の予防や肥満予防効果があるといわれているほど、健康によい食品なのです。
まとめ
大豆は高タンパク・低糖質なうえ、食物繊維が豊富な食材です。健康に気をつけている方はもちろん、糖質を制限している方やダイエット中の方にもおすすめです。大豆そのものや、大豆を加工した食品を食べる機会を増やし、健康的な生活を目指しましょう。
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プロフィール

監修者:横川 仁美
管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。