【料理家監修】ウドの下処理ってどうするの?下処理のポイントや保存方法について解説

買い物先でよく見かける山菜がウドです。しかし、どうやって食べたらよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、ウドとはどのような食材なのか、その下処理や保存方法、おすすめの料理などをご紹介します。

【料理家監修】ウドの下処理ってどうするの?下処理のポイントや保存方法について解説
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ウドってどんな食べ物?

ウドってどんな食べ物?

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ウドは、日本では鎌倉時代以前から食されており、江戸時代には既に現代に近い方法で栽培されていたと言われています。
現在流通しているウドは、そのほとんどが光の当たらない地下で栽培されたもので「軟白ウド」と呼ばれ白色をしています。それに対して野生のものは「山ウド」と呼ばれ、日光を浴びて緑色をしています。栽培されたものよりアクが強いのが特徴です。
ウドはその多くが関東地方で栽培され、季節を問わず収穫されていますが、もともとの旬は3~5月にかけてです。この頃に出荷されたものを「春ウド」と言い、香りがよく、身が柔らかいのが特徴です。それより早い晩秋から冬の時期に出荷されるウドもあり、こちらは「寒ウド」と呼ばれます。野生のウドは3~5月にかけて全国的に収穫されます。

ウドに含まれる栄養素は?

ウドの特徴は爽やかな香りとシャキッとした歯ごたえです。カロリーが低く、食物繊維を多く含んでいるので、ヘルシーな食材でもあります。成分のほとんどが水分なので栄養分はそれほどありませんが、抗酸化作用があるといわれるフラボノイドやクロロゲン酸、疲労回復に役立つアスパラギン酸、自律神経を整えるジテルペンなどが含まれています。また塩分を体外に出す効果のあるカリウムが多く含まれているので、血圧を抑えることも期待できます。

またウドは、穂先から根の部分、そして皮までほとんどの部分を食べられるというメリットがあります。しかし、育ちすぎると硬くなり、食用には向かなくなってしまいます。かといって植物なので木材としても使えないため、見た目は大きいが役に立たないということで「うどの大木」ということわざが生まれたのです。

購入時のポイント

ウドを選ぶときは全体をチェックすることがポイントです。節がハッキリしていて、皮には全体に細かい毛がしっかりついているものを選びましょう。また、茎は白くてまっすぐ、肉厚で太いものがよいでしょう。穂先は張りがあって淡く緑色になっているものがおすすめです。

ウドの下処理のポイントとは?

ウドの下処理のポイントとは?

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ウドはアクが強いので、料理の前にアク抜きの下処理が必要です。また、切り口が変色しやすいので、下ごしらえは手早く進める必要があります。

下処理の手順

・タワシでウドをこすり洗いし、表面についている細かい毛を包丁の背の部分などで落とす
・全体がきれいになったら、部分ごとに切り分ける
茎は根本の部分を厚めにそぎ落とし、節ごとに分けます。また、横から生えている白くて細い茎(脇の茎)と、穂先の部分をそれぞれカットしましょう。
・皮を剥く
縦に包丁を入れて切れ目をつけ、根っこの方から先の方に剥いていくと太さを揃えることができます。
・素早く酢水に漬けてアク抜きをする
 変色を避けるためで、酢水はカップ2杯の水に小さじ1杯の酢を入れます。漬ける時間は10分ほどでよいでしょう。生のまま食べる場合は、15分から20分ほど漬けておきます。

皮にはアクが含まれているため、厚めに剥くのがポイントです。繊維に沿って切れ目をつけて剥くことで食感が良くなり、アクも抑えることができます。皮も料理に使えますので、分けて取っておきましょう。

ウドを使ってどんな料理ができる?

ウドを使ってどんな料理ができる?

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ウドは生のままでも食べられますが、炒め物にしたり、煮物にしたり、あるいは天ぷらやきんぴらにしても、美味しくいただけます。ここでは部位ごとにおすすめの料理をご紹介します。

穂先

香りや苦味があるので、それらの風味を活かし、できるだけシンプルな調理がおすすめです。ポピュラーなのが、天ぷらです。10分程度水に漬け、しっかり水気を切ってから調理します。

シャキっとした歯ごたえの茎は、サラダや酢の物にしてはいかがでしょうか。甘みの強い中央部分から下の方を使うとよいでしょう。酢味噌を使った和え物もおすすめです。

せん切りにして、きんぴらにするのが定番です。脇の茎も斜め切りにして一緒に使うことができます。
そのほか、味噌汁の具にしたりバターで炒めたりと、美味しくいただけます。山菜の中でも使い勝手がよい食材です。

調理しないウドの保存方法は?

調理しないウドの保存方法は?

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ウドは時間とともに硬くなるので、できるだけ早く食べるようにしましょう。光が当たっても劣化するので、濡れた新聞紙などに包んでからビニール袋に入れ、冷暗所や冷蔵庫で保存しましょう。それでも数日が目安なため、長期間の保存をする場合は冷凍保存となります。ただし生での冷凍には向かないため、下処理が必要です。

冷凍保存時の下処理方法

先ほど説明した方法と同様に、部位ごとに切り分け、アク抜きをします。その後、酢水に漬けるのではなく、酢水で茹でるのがポイントです。真っ白くなるまで熱を加えたら、鍋から出して冷まします。水分をよく切り、実際に使う量で小分けにしたら、冷凍用の保存袋に詰めて冷凍します。食べるときは、常温で自然解凍させましょう。

まとめ

春の山菜の代表格のウド。そのほとんどの部分が食べられることや、ヘルシーで体によい効果が期待できるのもうれしいところです。さまざまな食べ方があるので、ぜひ食卓の一品に加えてみてください。

プロフィール

監修者:貞本 紘子

監修者:貞本 紘子

料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。