【管理栄養士監修】大豆の保存方法とは?種類別に解説
大豆は昔から「畑の肉」と呼ばれ、豊富なたんぱく質を持っています。そんな大豆は保存食に優れていますが、一度開封してしまうと足が早いという面もあります。そこでこの記事では効果的な大豆の保存方法や、より長期間の保存を可能にする冷凍のコツなどをご紹介します。
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大豆はどのくらい日持ちする?

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一口に大豆と言っても、実際に売られているパッケージにはいくつかの種類があり、それぞれ日持ちする期間が変わってきます。
乾燥大豆の日持ち
保存性に優れているものとして挙げられるのが「乾燥大豆」です。乾燥大豆はそのままの状態で保存ができ、開封前であれば賞味期限は約2年とされています。
水煮大豆の日持ち
乾燥大豆は使う際に水で戻す作業が必要ですが、水で戻された状態で販売されているのが「水煮大豆」です。水煮大豆は缶詰であれば3年程度、レトルトパウチであれば2~3ヶ月程度日持ちします。
蒸し大豆
乾燥大豆を蒸したものが「蒸し大豆」です。蒸し大豆はドライパックとも言います。こちらも缶詰なら3年程度、レトルトパウチは最大で1年ほど保存することができます。
【管理栄養士監修】大豆にはどのくらい糖質がある?カロリーや食物繊維などについても解説「畑の肉」と呼ばれるほど、栄養価の高い大豆。大豆に含まれる糖質やカロリーは、いったいどのくらいなのでしょうか。この記事では大豆に含まれる糖質やカロリー、食物繊維を紹介するとともに、大豆に特徴的な栄養素をご説明します。
大豆の種類別保存方法とは?

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未開封ならば十分に日持ちのする大豆ですが、一旦封を開けてしまうと、そこまで長期間の保存は効きません。
ここでは種類別に最適な保存方法を見ていきましょう。
乾燥大豆の保存方法
乾燥大豆は未開封であれば、年単位で安定した保存が可能です。しかし、湿度や温度が高かったり、直射日光に当たったりしてしまうと、劣化が早まります。風通しがよく日光の当たらない涼しい所で保存するようにしましょう。
乾燥大豆は開封すると酸素が豆に触れるため、カビが発生したり、虫が付いたりしてしまうことがあります。また、味も少しずつ劣化してしまうので、冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。
水煮大豆の保存方法
開封する前であれば、そのまま常温での保存が可能です。しかし、開封後は水分を多く含んでいることから品質の劣化が早く、冷蔵庫での保存が必須といえます。密閉容器に入れて、1~2日の間に使い切るようにしてください。
それ以上保存するなら、冷凍での保存がおすすめです。
蒸し大豆の保存方法
こちらも水煮したものと同じく、封を開けた後は傷みやすいので、密閉容器に入れて冷蔵庫に入れるようにしましょう。可能であれば1~2日以内、長くても数日以内に食べきりましょう。
大豆の冷凍保存におけるポイント

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水煮大豆や蒸し大豆を数日以上保存したいときは、冷凍するようにしましょう。
乾燥大豆も水で戻して使いますが、すぐに使えない分はやはり冷凍庫で保存しておくのが安心です。
乾燥大豆の戻し方
乾燥大豆の戻し方は次のような流れで行います。
豆を軽く洗って余計な汚れを落とします。次いで、ボウルなどに大豆と水を入れ、一晩じっくりと水を吸わせます。水の分量は、豆の4〜5倍くらいです。お湯を使うと時間が短縮できますが、豆にシワが寄ってしまうことがあるため、水の方がおすすめです。
水を吸った豆は2倍ほどの大きさに膨らみます。それを水ごと鍋に移し、沸騰させます。沸騰したら煮むらを防ぐために、冷たい水を注いで一旦冷まします。そして再び火を加えていき、沸騰したら弱火に落とし、丁寧にアクを取っていきます。そこに落し蓋をして、1時間強ゆっくり茹でましょう。
水煮大豆と蒸し大豆の注意点
水煮大豆や蒸し大豆を冷凍するときは必ずザルなどで水気を切り、フリーザーバッグに豆だけを入れて、平らに広げましょう。そして空気をよく抜いてから口を閉じ、冷凍庫に入れます。袋に入れるときに小分けにすると、実際に使う分だけ解凍すればよくなりますのでおすすめです。解凍と冷凍を繰り返すと味が落ちてしまいますので、気を付けましょう。
乾燥大豆の注意点
茹で汁にも旨み成分が入っています。それを丸ごと捨ててしまうのも惜しいところです。茹で汁は豆とは分け、同じく小分けにして冷凍で保存しておくようにしましょう。解凍すれば、すぐに煮物やスープに使えます。
こうして冷凍した大豆は1ヶ月ほど保存が可能です。ただし、味や食感は時間が経過すると劣化してしまうので、早めに食べるようにしましょう。すでに加熱済みなので、すぐに煮物やサラダなど、さまざまなレシピに活かすことができます。
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まとめ
大豆は乾燥した状態や缶詰であれば、そのままの状態でも長期間の保存ができますが、いったん開封してしまうと、あまり長くは日持ちをしません。そのため、上手に冷凍して保存することがポイントです。その際、使う量に合わせて小分けにし、早めに使い切ることも忘れないようにしてください。
プロフィール

監修者:横川 仁美
管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。