【管理栄養士監修】モロヘイヤってどんな野菜?栄養や食べ方について解説

栄養価の高いネバネバ野菜の代表格として、いろいろな料理に使われている「モロヘイヤ」。日々の食事で積極的に取り入れたいところですが、ややクセがあるため好き嫌いが分かれるところです。ここでは、そんなモロヘイヤの効能や栄養価を生かす食べ方などを紹介します。

【管理栄養士監修】モロヘイヤってどんな野菜?栄養や食べ方について解説
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モロヘイヤってどんな野菜?

モロヘイヤってどんな野菜?

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古代エジプト語で「王家のもの(ムルキア)」という意味のモロヘイヤは、シソに似た葉型と濃い緑色が特徴の一年草です。中東地帯では5000年以上前から栽培されていたという長い歴史があり、「モロヘイヤ(Molokheiya)」という呼び名はアラビア名の日本語表記です。原産地はアフリカからインドともいわれ、インド・ベンガル地方では同属の黄麻の代用として繊維原料「ジュート」として活用されていました。

モロヘイヤが日本に入ってきたのは1950年代(昭和30年頃)で、暖かい地域では野生化したモロヘイヤを見ることができます。タイワンツナソ・シマツナソなどの和名があり、「綱麻(ツナソ)」といえば晩夏の季語です。80年代になると、あのクレオパトラも好んで食べた「神秘の野菜」として注目されるようになり、栽培のしやすさから全国に普及が進みました。現在のおもな生産地は年間336トンを生産している群馬県で、全国シェアの29%を占めています(2016年産地域特産野菜生産状況統計より)。

国内の出荷最盛期は気温の高い7月から8月ですが、冬場は高温多湿な沖縄県や佐賀県でも生産され、ほぼ年間を通して店頭に並んでいます。熟した実には毒性があるといわれますが、市販のものは安心して食べられます。

モロヘイヤにはどんな栄養や効能がある?

モロヘイヤにはどんな栄養や効能がある?

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サプリメントの原料としてもおなじみのモロヘイヤは、現代人に不足しがちなビタミンやミネラルを豊富に含む野菜で、葉を細かく刻むとオクラのような粘りが出るのが特徴です。緑黄色野菜の中でもずば抜けて栄養価が高いことから、「緑黄色の王様」とも「奇跡の野菜」とも呼ばれています。

ビタミン・ミネラルで免疫力アップ

人体の健康を保つために不可欠なビタミンとミネラルは、現代人に不足しがちな栄養素です。その中でも、慢性的に欠乏しやすいことから「世界の3大微量栄養素欠乏」と呼ばれているのが、モロヘイヤに多く含まれている「鉄分・ビタミンA・ヨウ素」です。特に、小腸でビタミンAに変換される「β-カロテン」の含有量は野菜の中でもトップクラスで、他の野菜と比較するとニンジンの1.4倍もあります。β-カロテンには抵抗力を高めたり、目や皮膚・粘膜の健康を保ったりする働きがあると言われていますが、サプリメントのように過剰摂取による健康被害がないのが特徴です。また、糖質やたんぱく質、脂質の代謝を助け、皮膚の健康を支えることで有名な「ビタミンB2」はホウレンソウの2倍、体に有害な過酸化脂質を抑える「ビタミンE」は野菜の中ではダントツのトップです。

カルシウム・食物繊維で体の調子を整える

モロヘイヤのカルシウムの含有量は小魚よりも多く、ホウレンソウの5倍もあります。カルシウムは中枢神経を鎮め、ストレスを緩和するのに役立つと言われています。
また、モロヘイヤのネバネバ成分は良質な水溶性の食物繊維で、便秘解消などの整腸作用が期待できます。その他、胃壁や消化器の粘膜保護やコレステロールの吸収を抑えたり、食後の血糖値を抑えたりすることにも役立つとされています。

モロヘイヤの栄養を考えた食べ方とは?

モロヘイヤの栄養を考えた食べ方とは?

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モロヘイヤは「アク」がある野菜ですが、あまり火を通しすぎるとせっかくの栄養が損なわれてしまうので軽く茹でる程度にしましょう。モロヘイヤに含まれている「ビタミンA・E・K」は油と一緒に摂ることで吸収がよくなるため、天ぷらや炒めものがおすすめです。

モロヘイヤに含まれる鉄分は吸収されにくい「非ヘム鉄(植物性食品に多く含まれている鉄)」です。タンパク質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップするため、肉や魚と合わせて調理したり、他の野菜やフルーツと一緒に食べたりするのもポイントです。
また、ライ麦や玄米に多く含まれる「フィチン酸」や、コーヒー・紅茶に多い「タンニン」は鉄分の吸収を妨げることがあると言われているため、過剰摂取に気をつけ、お茶は食事前後30分~1時間あけて飲むなどの工夫をしましょう。
モロヘイヤは古くなると葉の先が乾燥して茶色くなります。葉の色が濃く、茎にハリのある新鮮なものを選んで食べましょう。

まとめ

モロヘイヤは古代から栽培されてきた歴史のある野菜です。「奇跡の野菜」と呼ばれるほど栄養価が高く、ビタミンやミネラルが豊富です。野菜でありながらカルシウムも多く含み、ネバネバ成分がコレステロールの吸収を抑制するほか、胃壁や粘膜を保護する働きがあると言われています。葉が柔らかく新鮮なものを選び、ビタミンの吸収率が上がる天ぷらや炒めものでモロヘイヤの風味を楽しんでみてください。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。

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