【管理栄養士監修】昆布はどれくらい日持ちする?保存方法や表面の白い粉についても解説

お味噌汁や煮物などで活躍する昆布。この記事では、乾燥昆布・生昆布それぞれの日持ち期間や、保存方法についてご紹介します。また昆布の表面についている白い粉の意味や、昆布の選び方も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【管理栄養士監修】昆布はどれくらい日持ちする?保存方法や表面の白い粉についても解説
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昆布はどれくらい日持ちする?

昆布はどれくらい日持ちする?

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そもそも昆布はどのくらい日持ちする食材なのでしょうか?乾燥昆布は常温での長期保存が可能で、一般的に賞味期限は1年と記載されていることが多いです。袋詰めから1年以内なら、劣化の心配なく食べられます。

しかし昆布は1年以上寝かすことで美味しくなるともいわれています。たとえば、羅臼昆布は2~3年寝かすことで美味しく食べられ、利尻昆布は20年以上寝かすことも。昆布を寝かす作業を「囲い」といって、この作業を行うことで昆布の繊維が柔らかくなり、だしがよく出るようになるのです。そのため市販の昆布も、賞味期限の1年を過ぎてからの方が美味しく食べられるとも考えられます。
法律で賞味期限は長い年月の記載ができないと定められているため、昆布の賞味期限は1年と記載されることが多いです。しかし、風味の劣化やカビの発生がなければ、1年を過ぎた昆布でも美味しくいただけます。昆布は、ある程度長期間保存できる食材だと考えてよいでしょう。

購入したばかりの昆布の保存方法

購入したばかりの昆布の保存方法

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次に昆布の保存方法について確認していきましょう。乾燥昆布・生昆布に分けてご紹介します。

乾燥昆布の保存方法とは?

乾燥昆布は水や湿気に弱いので、密封できるチャック付き保存袋や容器に入れて保存します。使用するときにすぐ使えるよう、5g、10gまたは5cm角などあらかじめカットしておきましょう。

保存容器は以下の点に注意しましょう。
・昆布はニオイを吸収するため無臭の容器を選ぶこと
・金属製のものは昆布の塩分により錆びてしまう恐れがあるため適さない

保存は冷蔵庫よりも冷暗所がおすすめです。冷蔵庫で保存するとほかの食材のニオイがついたり、湿気が発生したりする可能性があります。湿気が少なく、日の当たらない場所で常温保存しましょう。

生昆布の保存方法とは?

乾燥させていない昆布を生昆布といい、刺身昆布などとして食べられています。この生昆布は数日程度しか日持ちしないため、残ってしまった場合は冷凍保存が必要です。

冷凍保存するには、まず昆布をよく洗い水気を切ります。食べやすいようカットしてから保存袋または保存容器に入れて冷凍庫に入れましょう。賞味期限の目安は1ヶ月ほどです。
1ヶ月で食べきれない場合は、生昆布を乾燥させて乾燥昆布にしてしまうという方法もあります。

昆布の表面の白い粉は何?

昆布の表面の白い粉は何?

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数ヶ月放置していた昆布の表面に、白い粉がついているけど、これってカビだろうか…?と思われる方もいらっしゃるでしょう。一見そのようにも見えますが、それは「マンニット」という昆布のうまみ成分です。

マンニットとは

もともと昆布に含まれており、昆布が乾燥していくうちに水分と一緒に流れ出し、白い粉となって表面に付着します。見た目ではカビやほこりなどと勘違いしがちですが、昆布の美味しさの素といっても過言ではありません。ほこりやごみと間違って水で洗い流したりしないよう、ご注意ください。
長期間保存してカビかマンニットか区別がつかないというときには、手に取ってニオイを嗅いでみましょう。カビだった場合、カビ臭さがはっきりとわかるはずです。

だし汁に使った昆布は冷凍保存すれば煮物などに再利用できる!

だし汁に使った昆布は冷凍保存すれば煮物などに再利用できる!

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だしを取るのに使用した昆布をそのまま捨てていませんか?だし汁を取り終わったら昆布の粗熱を取り、食べやすい大きさにカットして冷凍保存しておきましょう。その昆布を使って、今度は佃煮や煮物など昆布を主役にしたおかずを作ることができます。
ご飯のおかずにぴったりな佃煮はもちろん、昆布とほかの具材を合わせておにぎりに入れても美味しくいただけます。乾燥させて粉末状にすれば、ふりかけや昆布茶にも。ぜひ、だしを取るだけでなく、さまざまな料理に活用してみてください。

昆布を選ぶときに見るポイント

昆布を選ぶときに見るポイント

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昆布を購入する際は、肉厚かどうかをチェックしましょう。マンニットが全体的についているもので、黄色っぽいものよりも濃い緑色のものがおすすめです。ツヤのあるものであれば尚よしです。

まとめ

昆布は長期間常温で保存でき、寝かせることでさらに美味しくなる食材です。期限内に使い切れないから…と昆布の購入をためらっていた方は、ぜひこの機会に昆布を手に入れてみてください。昆布はだしを取るだけでなく、さまざまな料理に使用することができます。

プロフィール

監修者:中野 照規

監修者:中野 照規

管理栄養士。
これまでに高齢者施設や病院で厨房業務や栄養管理業務に携わる。現在は病院給食の現場で調理補助兼栄養士として食事管理を行っている。
栄養学生時代の学外実習で食育の面白さを知り、卒業後もボランティアスタッフとして食育に関わっている。