【管理栄養士監修】枝豆と筋トレの関係とは?食べるときのポイントも解説

筋トレをするときは、食事に使う食材についても気になるところです。最近は含まれるタンパク質が多いことから、枝豆に注目が集まっています。そこでこの記事では、枝豆と筋トレの関係や、食べるときのポイントをまとめてご紹介します。

【管理栄養士監修】枝豆と筋トレの関係とは?食べるときのポイントも解説
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筋トレに食事が大切な理由

筋トレに食事が大切な理由

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運動を通じて筋トレ(筋肉トレーニング)やダイエットを行うとき、食生活は大きな影響を及ぼします。運動をするとエネルギーを多く消費しますが、もしも体内に十分な栄養がないと、体は今ある筋肉を使ってそのエネルギーを補填しようとします。その結果、筋トレをすればするほど筋肉が落ちて、基礎代謝も落ちるといった悪循環に陥ってしまうからです。
そんな残念な結果にならないようにするためにも、筋トレをするなら日々の食事を整えることもセットで行うようにしましょう。

筋トレをする期間に取りたい栄養

筋トレをする期間に取りたい栄養

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筋肉を付けるためには、さまざまな栄養をバランスよく摂取することが必要です。

タンパク質

まず、筋肉と聞くとタンパク質をイメージする方が多いでしょう。タンパク質は人間の体をつくるのに必須の栄養素であり、筋トレで傷んだ筋肉を修復するときにも使われます。
傷んだ筋肉は成長ホルモンが分泌されることにより修復されます。成長ホルモンの分泌は良質な筋肉作りには欠かせませんが、このホルモンの材料となるのもタンパク質です。
そのため、タンパク質が欠けてしまうのは大きな問題なのです。
とはいえ、タンパク質は体にためておくことができないため、毎日補うことが筋肉の維持と増やす秘訣になります。その際、一度にまとめて摂るのではなく、朝、昼、晩と何回かにわけて摂ることもポイントの1つです。

炭水化物

「食べたら太るんじゃない?」と心配になるかもしれませんが、炭水化物も欠かせない栄養素です。炭水化物が不足すると、体内のタンパク質が分解されてしまいます。

そのほかの栄養素

そのほか、体調を整えるためのビタミン類、余計な塩分を体の外に出し、筋肉の収縮や神経伝達にも影響を及ぼすカリウムや、全身に酸素を運ぶために必要な鉄、骨を強くするカルシウムなど、ミネラルなども重要です。

枝豆を食べることでタンパク質の補給になる

枝豆を食べることでタンパク質の補給になる

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タンパク質を豊富に含んでいるものの1つが、大豆と野菜の両方のよさを合わせ持った「枝豆」です。枝豆を食べれば、筋肉を作るためのタンパク質が補えます。しかも枝豆は、脂肪や糖の代謝のために必要となるビタミン類や脂肪燃焼を促す「オルニチン」まで摂取できるというよさがあります。

昨今は、忙しくて食べる時間がないなど、さまざまな理由で食事を十分に摂れていない方もいます。しかし、せっかく筋トレをしていても筋肉の材料が入ってこない状態では、なかなか結果に繋がりにくいものです。
枝豆なら事前に用意しておくことで忙しい朝や、しっかり食事を摂れなかったときの間食にも取り入れやすいでしょう。腹持ちもよいので、お菓子などの間食を遠ざける効果も期待できます。

また、筋トレ後は筋肉の修復のために、30分以内に食事を摂るのがベストといわれています。例えば筋トレが昼食と夕食の間だったら、筋トレ後にしっかり食事が摂れなくても枝豆を間食に活用することで、筋肉に必要なタンパク質はもちろん、疲労回復に役立つビタミンB1も手軽に摂れます。このように調理の手間がかからず、すぐ口にできる枝豆は筋トレの心強い味方といえるでしょう。

枝豆を食べるときのポイント

枝豆を食べるときのポイント

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筋トレをしている方の中にはビールが好きで尿酸値を気にする方もいるでしょう。確かに運動の仕方によっては尿酸が体内で大量に合成されてしまうため、尿酸の原因となるプリン体の摂取は控えたいものです。
しかし、そうしたときにも枝豆は活躍します。筋トレに心強い食材である枝豆は、100g中の総プリン体含有量が47.9mgと、下記のプリン体の総量と照らし合わせてみてもきわめて少なく、体内の尿酸値を著しく上げることはありません。

【100g中の総プリン体量】
・きわめて多い:300mg以上
・多い:200~300mg
・少ない:50~100mg
・きわめて少ない:50mg以下

しかし、含まれているプリン体の量が少ないからといって、大量に摂り過ぎてもよいというわけではありません。枝豆ばかり食べているということは、その他の食材を摂れていない可能性が高く、食事バランスを崩している可能性や、食物繊維の関係でお腹がゆるくなることがあるからです。やはり、どんな食材でも摂り過ぎず、いろいろな食材を摂取することこそが質のよい筋肉作りの秘訣でしょう。

また、飲食店で出る枝豆や、すぐ食べられるように惣菜として市販されているものは、塩が振ってあることがほとんどです。塩のついた枝豆を常に食べ続けていると塩分過多となり、むくみの原因になることもあります。できれば生の状態の枝豆を購入し、自分で茹でる・蒸すなど自炊をする方法がおすすめです。
特に蒸す調理方法は甘みや旨み、大切な栄養素を逃しにくく、たとえ塩をプラスしたとしても少ない量で十分美味しく仕上げられるメリットがあります。どうしても味に飽きてしまったら、同じくタンパク質を多く含んだ卵やチーズ、鶏肉などと合わせて食べてもよいでしょう。
また、余った枝豆は、そのまま放置しておくと傷んでしまいます。翌日までなら冷蔵庫に入れて保存できますが、それでも食べきれない場合は、小分けにして冷凍庫で保存しましょう。食べるときは冷蔵庫で自然解凍、電子レンジ、再度茹でて解凍など、その時々の方法で食べてみてください。

まとめ

栄養を摂取しないと十分に筋肉が付かず、免疫が下がってしまうなど、肝心の健康も損ねてしまいます。筋トレを効果的なものにするためにはタンパク質だけでなく、ほかの栄養素もしっかり摂取することが必要です。手軽に食べられるうえ、筋肉作りに必要なタンパク質やビタミンが摂れる枝豆は、筋トレの力強い味方といえるでしょう。市販されているものには塩が振ってあったり、常温では傷みやすかったりするなどの注意点に気を付け、トレーニングに役立ててみてください。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。