【管理栄養士監修】ブロッコリーとカリフラワーの違いは?見た目・味・食感・栄養素で比較!
緑色のブロッコリーと、白色のカリフラワー。形状はよく似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか? この記事ではブロッコリーとカリフラワーの違いを、見た目や味、食感、含まれる栄養素で比較しました。また、それぞれの食材の共通点や歴史についても紹介します。
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ブロッコリーとカリフラワーの違い

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形が似ているので、同じような野菜だと判断されがちなブロッコリーとカリフラワー。それらには、どのような違いがあるのでしょうか?ここでは、特徴がはっきりと表れる3つの観点から違いをご紹介します。
【ブロッコリー・カリフラワー】見た目の違い
言わずもがなですが、ブロッコリーは緑色、カリフラワーは白色という見た目上の違いがあります。さらにカリフラワーは白だけでなく、オレンジや紫、黄緑(カリフラワーの仲間でロマネスコと呼ばれる品種もある)など、さまざまな色のものもあります。
また両者とも、よく食べられるのは上部の花のつぼみの部分(花蕾)ですが、ブロッコリーはつぼみが1つ1つ分かれているのに対し、カリフラワーはつぼみの部分が密集しているように見えます。
【ブロッコリー・カリフラワー】味や食感の違い
ブロッコリーとカリフラワーは特に食感に違いがあり、好みが分かれるところでもあります。
ブロッコリーはキュッとした独特の食感が特徴で、味は、菜の花のような味がします。
一方カリフラワーは歯ごたえがあるコリコリとした食感になっています。味は、クセがなく、ほんのり甘い味が特徴的です。食感にこのような違いが生まれるのは、それぞれのつぼみの形成が異なるのが理由だとされています。
【ブロッコリー・カリフラワー】栄養価の違い
カリフラワーとブロッコリーには栄養面でも違いがあります。大きな違いは、β-カロテンです。文部科学省のデータを参照すると、β-カロテンの含有量は以下のようになっています。
■ブロッコリーとカリフラワーに含まれるβ-カロテン
・ブロッコリー(生):800μg
・カリフラワー(生):18μg
β-カロテンとは、活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする作用がある抗酸化作用があるといわれる成分です。抗酸化作用が働くと、老化やがん、動脈硬化などの予防に効果があるといわれています。ブロッコリーにはカリフラワーの約50倍のβ-カロテンが含まれています。
またビタミンCの含有量にも特徴があります。ビタミンCもβ-カロテン同様、ブロッコリーの方が多く含まれていますが、その大半が茹でるときに流れ出てしまいます。しかしカリフラワーは茹でてもビタミンCが壊れにくく、茹でると結果として両者に含まれるビタミンCはほぼ同じ量になります。
■ブロッコリーに含まれるビタミンC
・生:120mg
・茹で:54mg
■カリフラワーに含まれるビタミンC
・生:81mg
・茹で:53mg
参照元:「文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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ブロッコリーとカリフラワーの共通点

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次にブロッコリーとカリフラワーの共通点についても確認してみましょう。
まず両者ともアブラナ科アブラナ属でキャベツの仲間なので、品種としては同じものになります。というのも、ブロッコリーもカリフラワーもキャベツの変種だといわれており、さらに元を辿ると、ケールという植物から分かれたものと考えられています。
たしかにブロッコリーやカリフラワーの葉は、キャベツの葉によく似ています。またカリフラワーはブロッコリーが突然変異して、花蕾が白色になったものだともいわれています。
ほかにも収穫時期(旬)が同じという共通点があります。近年、1年中販売されていることの多いブロッコリーとカリフラワーですが、主に収穫されるのは11~3月にかけてです。この時期に出回るものは、甘味が増して美味しくなるといわれています。
ブロッコリーとカリフラワーの歴史

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実は、日本ではブロッコリーよりもカリフラワーの方が先に日本の食卓に広まったということをご存知でしょうか?
ブロッコリーとカリフラワーの起源はヨーロッパで、古代ローマの時代から食べられていたようです。日本にはどちらの野菜も明治初期に伝わりました。
カリフラワーが広がったのは洋食文化が広まった昭和30年代後半から昭和50年代後半にかけてで、この頃はよく生産されていました。先にカリフラワーの人気が出たのは、栄養価よりも洋食文化を浸透させる流れが強く、白くてほんのりとした甘みがサラダなどに合っていたことが人気の理由として考えられています。しかし昭和50年代以降、緑黄色野菜の人気が高まったことでブロッコリーが急速に普及し、現在では立場が逆転しています。
まとめ
ブロッコリーとカリフラワーは一見似ている野菜ですが、栄養価においては、ブロッコリーのβ-カロテン含有量がカリフラワーの50倍、という大きな違いもあります。このように普段食べている野菜の違いについて調べてみるといろいろなことがわかります。両方ともさまざまな食べ方がありますので、味や食感を楽しみながらいただきましょう。
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プロフィール

監修者:横川 仁美
管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。