【管理栄養士監修】大根にはどんな栄養がある?押さえておきたい調理ポイントも紹介!

全国各地で栽培され、日常の食卓との関わりが深い大根。この記事では含まれる栄養成分など、大根に関する基本的な情報をご紹介します。その栄養を逃がさないおすすめの調理方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【管理栄養士監修】大根にはどんな栄養がある?押さえておきたい調理ポイントも紹介!
出典 : Brostock/Shutterstock.com

大根の旬はいつ?

大根の旬はいつ?

大根は地中海沿岸地域から中央アジアが原産地だといわれています。エジプトでは4000年以上前から栽培されていて、日本には現在の中国を経由し、8世紀ごろに伝わりました。本格的な栽培が始まったのは江戸時代からです。

現在では、大根は全国各地で栽培されており、生産地や品種によって収穫時期が異なるため、一年中手に入れることができます。冬に収穫される大根は甘味が増すことから、10~3月が旬といわれています。品種ごとに旬があるため、それに合わせて味わってみてください。

大根に含まれる栄養成分とは?

大根に含まれる栄養成分とは?

JIANG HONGYAN/Shutterstock.com

大根は大部分が水分にもかかわらず、独特な栄養素が多く含まれている食材で、根の部分にはアミラーゼ(ジアスターゼ)やプロテアーゼなどの消化酵素が豊富に含まれています。ほかにも、以下のような栄養素が豊富に含まれています。

アミラーゼ(ジアスターゼ)

アミラーゼは消化酵素のひとつで、ジアスターゼとも呼ばれています。アミラーゼはでんぷんを分解して麦芽糖などに変えてくれます。

市販の消化整腸剤にもこの成分が入っていることがあるように、消化不良の改善や、胃酸のコントロールを促し、胸やけや胃もたれを防いでくれる働きがあります。生ですりおろすことでこの働きがより活発になります。

よく天ぷらなどのタレに大根おろしを入れたり、脂っこいお魚に大根おろしが添えられているのは、この大根に含まれるアミラーゼの胃もたれを防ぐ効果に期待してのことです。

熱を加えたり、すりおろしてから時間が経過して酸化が進むとせっかくの効果が落ちてしまうので、消化の手助けとして食べるときは、アミラーゼの効果を最大限発揮してくれる、生ですりおろした状態の大根を、時間をおかずに食べるようにするとよいでしょう。

プロテアーゼ

プロテアーゼもアミラーゼと同じく消化酵素のひとつですが、プロテアーゼはたんぱく質を分解してくれる消化酵素です。たんぱく質分解酵素とも呼ばれます。
プロテアーゼもアミラーゼと同様に、熱に弱く酸化すると効果を発揮してくれません。そのため、すりおろしたり、刻んでサラダにしたりして、生で摂るようにしましょう。

ビタミンK

大根にはビタミンKが含まれていますが、根の部分にはいっさい含まれておらず、葉の部分にしか含まれていません。ビタミンKは血液の凝固作用に関与しており、血液凝固因子の生成を助ける働きをしています。
また、カルシウムを骨に沈着させて骨を形作る働きにも関与しています。生で摂取するより茹でた方が多く摂取できるため、茹でてお浸しにしたり、スープや味噌汁に入れたりして積極的に食べたいものです。

ビタミンC

大根には根にも葉にもビタミンCが含まれていますが、100gあたりの含有量で見ると、根には12mg、葉には約4倍以上の53mgも含まれています。ビタミンCは毛細血管や歯、軟骨などを正常に保ったり、コラーゲンの生成に関与しています。また皮膚のメラニン色素の生成を抑えてくれ、日焼けによるシミ、そばかすの防止に期待できます。
また、風邪などの病気に対する免疫力も高めてくれます。さらに、ストレスを感じたときに副腎から分泌される、ストレス対抗ホルモンの生成をビタミンCが助けてくれます。ビタミンCは体内で生成できないため、食事から積極的に摂取する必要があります。

葉酸

大根に含まれる葉酸は、根よりも葉の部分に多く含まれています。100gあたりで比較してみると、根には34μg、葉には140μgも含まれており、およそ4倍以上もの開きがあります。
葉酸は俗に「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球の生成を助ける働きがあるため、貧血予防にも効果が期待されます。しかし熱に弱く、成分量は火を加えると3分の1ほどに減少してしまうため、できるだけ生で摂取するとよいでしょう。

イソチオシアネート

イソチオシアネートは辛味成分で胃液の分泌を促したり、肝臓の解毒作用を助けたりする働きがあります。ただし、大根おろしにするなど細胞を破壊しないと摂取できない栄養なので、調理方法を工夫する必要があります。

β-カロテン

大根の根の部分には含まれていませんが、緑黄色野菜である葉の部分にはβ-カロテンが多く、カイワレよりも通常の大根の方が2倍の量を含んでいます。この抗酸化物質としても有名なβ-カロテンには目の健康維持、皮膚・粘膜の健康維持といった効果があると報告されています。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

大根の栄養を逃がさない調理方法

大根の栄養を逃がさない調理方法

yasuhiro amano/Shutterstock.com

幅広い調理方法に適している大根ですが、大根は部位によって含まれる栄養素が違うので、それぞれ調理方法を変えてみましょう。

葉に近い部分

葉に近い部分は、β-カロテンやビタミンK、葉酸などが豊富に含まれているので、水にさらす時間が少ない大根おろしやサラダがおすすめです。

真ん中から先端部分

根の真ん中部分はおでんなどの煮込み料理に、先端部分は辛味が強いので味付けの濃い料理や漬物に利用できます。しかし、煮ることによってビタミンCやアミラーゼ(ジアスターゼ)、辛味成分のイソチオシアネートなどの栄養が損なわれてしまいます。消化酵素を取りたいときは大根おろしや漬物など50度以上に加熱しない調理がおすすめです。

葉の部分

大根の葉の部分も栄養が豊富なので、刻んでお味噌汁の具にしたり、じゃがいもやベーコンと炒めてご飯にふりかけるなどして溶け出た栄養を米に吸収させたりする調理方法がよいでしょう。

まとめ

大根の基本情報をご紹介しました。大根は一年中手に入れることができますが、主に冬の時期に旬を迎えるものが多いので、冬は積極的に大根を手に取ってみてはいかがでしょうか?また大根は幅広い調理に適しているので、さまざまな料理法で、召し上がってみてください。

プロフィール

監修者:藤井歩

監修者:藤井歩

管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として高齢者福祉施設での給食管理業務、企業での特定保健指導、栄養講座講師、栄養指導ツール開発などの業務に携わる。
その後はフリーランスとなり、オンラインでのダイエット指導、特定保健指導、レシピ作成、コラム執筆など、栄養に関するさまざまな業務に携わっている。

「食」の人気記事