【管理栄養士監修】栄養満点!ブロッコリースプラウトの栄養成分と効果を徹底解説

近年スーパーなどでもよく売られるようになった「ブロッコリースプラウト」。いったいどのような野菜で、どんな栄養があるのかといわれると、うまく説明できない方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、ブロッコリースプラウトに含まれる栄養や効能、再生栽培、スプラウトの種類についてくわしくご紹介します。

【管理栄養士監修】栄養満点!ブロッコリースプラウトの栄養成分と効果を徹底解説
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ブロッコリースプラウトはどんな野菜?

ブロッコリースプラウトはどんな野菜?

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「スプラウト」は、英語で植物の新芽という意味です。そのためブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの新芽のことを指します。発芽直後の野菜全般を◯◯スプラウトなどと呼び表しますが、これらの野菜にはこれから成長していくための栄養がたっぷりと含まれており、中には成長した野菜よりも栄養価が高いものもあります。

また、栄養価が高いため、「天然のサプリメント」と呼ばれることもあります。次の項目では、スプラウトにはほかにどのようなものがあるのかをご紹介します。

スプラウトの種類と食べ方

スプラウトの種類と食べ方

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ブロッコリー以外のスプラウトには以下のようなものがあります。

かいわれ大根

かいわれ大根

大根のスプラウトです。芽が割れた二枚貝のように見えることから、「かいわれ」と呼ばれています。大根特有のピリッとした辛みが特徴です。

レッドキャベツスプラウト

レッドキャベツスプラウト

レッドキャベツのスプラウトです。茎が鮮やかな赤紫色をしており、料理に彩りを添えてくれます。

マスタードスプラウト

マスタードのスプラウトです。スパイシーな辛みが特徴です。

ガーデンクレススプラウト

ヨーロッパでよく食されるスプラウトで、ガーデンクレスという野菜の新芽です。わさびに似た辛みがあります。

豆苗

豆苗

えんどう豆のスプラウトです。豆特有の甘みがほんのりと感じられます。

そばのスプラウト

そばのスプラウト

そばのスプラウトは、ピンク色の茎が特徴です。辛みや苦みが少ないので、誰にでも食べやすいでしょう。

もやし

もやし

もやしも豆類のスプラウトです。発芽した元の豆によって主に3種類のもやしがありますが、一般的なものは緑豆もやし、また「豆もやし」と呼ばれているのは大豆もやしです。ほかのスプラウトと違い、暗室で育てるため、茎などが白いままなのが特徴です。

スプラウトにはいろいろな栄養素が含まれていますが、酵素は熱に弱く、ビタミンの中には茹でたりすると流れ出てしまうものもあるため、できるだけ生で食べるのがおすすめです。サラダやサンドイッチにのせたり、お肉料理のつけ合わせにしたり、おみそ汁やスープ、炒め物に加えたりするなど、いろいろな方法で美味しくいただけます。

ブロッコリースプラウトの栄養成分

ブロッコリースプラウトの栄養成分

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ブロッコリースプラウトには、いったいどのような栄養素が含まれているのでしょうか?ここではブロッコリースプラウトの栄養素とその効能について解説します。

β-カロテン

抗酸化作用があり、免疫力を上げる働きが期待されます。体内で必要に応じてビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康維持にも寄与します。

ビタミンA(レチノール活性当量)

レチノール活性当量は、食品中のビタミンAを計算によって求めた値です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持に役立つだけでなく、網膜細胞を保護し、視細胞が光に対してきちんと反応するために欠かせない栄養素です。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群の仲間で別名「ビタミンB3」と呼ばれることもあります。糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーをつくるのを助け、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。食品からの摂取に加え、体内でトリプトファンという必須アミノ酸からも合成することができるのが特徴です。

カルシウム

カルシウムは、歯や骨を作り、強くする働きが期待されます。また、神経の伝達や血液凝固、酵素の活性化などの働きにも関わり、私たちの生命活動の維持に大切な役割を担っています。

スルフォラファン

解毒作用や抗酸化作用があるといわれており、肝臓を労りたい時にも役立つと言われています。
また、胃の粘膜にすみつき、さまざまな胃のトラブルの要因になるピロリ菌の除菌効果もあると考えられています。

このようにブロッコリースプラウトに含まれているのは、β-カロテン・ビタミンA(レチノール活性当量)・ナイアシン・カルシウム・スルフォラファンなどです。
とくにβ-カロテンは、100g当たりブロッコリーが800μgなのに対し、ブロッコリースプラウトは1,400μg、ビタミンA(レチノール活性当量)はブロッコリーが67μgなのに対し、ブロッコリースプラウトはおよそ2倍の120μgも含まれています。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

ブロッコリースプラウトの再生にはコツが必要!

ブロッコリースプラウトの再生にはコツが必要!

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スプラウトは一部を残しておけば、自宅で再生できることをご存知でしょうか?根や茎の部分を少し残して、そこから再び育てられる野菜のことを「リボベジ(リボーンベジタブル、再生野菜という意味)」といいますが、一部のスプラウトもこのリボベジに当てはまります。

豆苗などの再生は比較的簡単ですが、ブロッコリースプラウトの再生には少しコツが必要です。まず、水は根が浸かる程度にしましょう。入れすぎると腐りやすくなってしまいます。そして、カビやにおい、ヌメリなどを発生させないように、1日1回以上(夏場は2回以上)は水を換えましょう。水は減った分を足すのではなく、捨てて全部取り換えます。

ちなみに、ブロッコリースプラウトは、種から植えても7~10日程度で収穫できるので、種から育てるのもおすすめです。

まとめ

ブロッコリースプラウトとはブロッコリーの新芽のことですが、今はブロッコリーだけでなく、いろいろな野菜のスプラウトにも続々と注目が集まっています。またブロッコリースプラウトには、スルフォラファンをはじめ、さまざまな栄養がたっぷり詰まっているので、ぜひ積極的に食べてみてください。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。