【料理家監修】ごぼうのえぐみを消すアク抜きのコツと注意点

サラダやきんぴら、豚汁などさまざまな料理で活躍するごぼう。一年中スーパーで購入できる便利な野菜ですが、独特のえぐみが気になる方も多いのではないでしょうか。せっかく食べるなら、えぐみを取り除いて美味しくいただきたいものです。この記事では、ごぼうのえぐみの原因や、下ごしらえのコツ、アク抜き方法などを紹介します。

【料理家監修】ごぼうのえぐみを消すアク抜きのコツと注意点
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ごぼうのえぐみを感じる原因

ごぼうのえぐみを感じる原因

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えぐみとは味覚の一種です。アクによって生じる苦みや渋みなどのことを指し、場合によっては舌がひりひりする不快感を伴うこともあります。野菜の中でもごぼうはアクが強いことで知られています。

ごぼうのアクの正体は、「タンニン」などのポリフェノールです。タンニンは植物界に広く存在する成分で、強烈な苦みや渋みを示すことによって外敵や害虫から身を守っています。ごぼうのえぐみは必ずしも取り除かなければならないわけではないものの、雑味となって料理の味わいを損ねることがあります。そのため、ある程度下処理を行うのがおすすめです。

ごぼうの下ごしらえのコツ

ごぼうの下ごしらえのコツ

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それでは、ごぼうの下ごしらえの方法とそのコツを見ていきましょう。

泥や汚れを流水でこすり洗いする

スーパーには、泥や汚れがあらかじめ取り除かれたごぼうも売られていますが、そうではないものもまだまだ多いです。その場合はまず、ごぼうの泥や汚れをきれいにしましょう。フキンや柔らかいブラシを使いながら、流水でこすり洗いをしてそれらを落とします。

軽く皮をこそげ取る

包丁の背の部分をごぼうの表面に当てて、皮を軽くこそげ取りましょう。アルミホイルをくしゃくしゃに丸めてごぼうをこする方法もあります。この時、白い中身が見えるまで皮を剥いてしまわないようにするのがポイントです。皮の近くにうま味成分があるため、それを洗い流さないためです。また、たわしなどの硬いものを使ってこするのも、皮が傷つくのであまりおすすめできません。

ごぼうのえぐみを消すアク抜き方法

ごぼうのえぐみを消すアク抜き方法

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ごぼうのアク抜き方法は、主に3通りあります。なお、アク抜きはごぼうのえぐみを消すだけではなく、変色を防ぐ効果もあります。

水にさらす方法

切ったごぼうを3分程度水にさらします。
ごぼうは切った直後から切り口が変色していくので、あらかじめボウルに水を張ったものを用意しておくと安心です。短時間でも十分にアク抜きできるので、長時間水にさらす必要はありません。アクが強いごぼうの場合には水が黒っぽく変色することがありますが、その時は新しい水に入れ替えてください。

熱湯にさらす方法

熱湯に数秒間くぐらせればOKです。これだけで雑味を取り除くことができます。

酢水にさらす方法

ごぼうを白くしたい場合は、水に少量の酢を加えた酢水にさらします。なお、アク抜きの時間は水にさらす方法と同じく、3分くらいで問題ありません。酢水が濁ってきた場合には新しい酢水に入れ替えましょう。

ごぼうをアク抜きする時の注意点

ごぼうをアク抜きする時の注意点

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最後にアク抜きする際の注意点を説明します。

アクを抜きすぎない

先述の通り、アクはポリフェノールという成分です。アクを抜きすぎることで、ポリフェノールが流れ出てしまいます。アク抜きをする際は、水、熱湯、酢水にごぼうを長く浸けすぎないようにして手早く行いましょう。

アク抜きしたらすぐに使い切る

アク抜きしたごぼうは日持ちしません。アク抜き後はすぐに使い切ってください。使い切るのが難しい場合は、冷凍保存をしましょう。冷凍すると温度変化によって、ごぼうに含まれる成分のクロロゲン酸が緑に変色することがあります。しかし、これは身体に害があるものではないので心配はいりません。

酢水でのアク抜きは酢の風味が残る

先ほど酢水を使ったアク抜きの方法を紹介しましたが、この方法を用いる場合は注意が必要です。というのも、酢を入れすぎると酢の風味がごぼうに残り、仕上がりの味を邪魔してしまうことがあるためです。酢水は水500ccに対して酢小さじ1/2程度で十分です。入れすぎないようにしましょう。

まとめ

ごぼうのえぐみの原因や下ごしらえ、アク抜き方法やその注意点について紹介しました。えぐみは雑味として料理の味を邪魔してしまうことがあるので、ある程度下ごしらえを行うことが望ましいです。
下ごしらえやアク抜きの工程は面倒に思うかもしれませんが、そのひとつひとつは簡単です。アク抜きの方法には複数あるので、仕上げたい料理に合わせて選んでみてください。アク抜きをしてもえぐみが気になるなら、煮物などの味がしっかりと染み込む料理に使うのがおすすめです。ごぼうならではの風味や食感を活かして、栄養を逃さずさまざまなごぼう料理を楽しんでください。

プロフィール

監修者:貞本 紘子

監修者:貞本 紘子

料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。