【料理家監修】 ほうれん草のえぐみは消せる!? えぐみの原因と消す方法

ほうれん草は栄養価が高く、おひたしやソテーなど和洋を問わず様々な料理に使える野菜です。しかし、調理法を間違えるとえぐみが残り風味を損ねてしまう恐れがあります。せっかくの栄養豊富な野菜なので、しっかりと下ごしらえをしておいしく食べたいものです。今回は、ほうれん草のえぐみの原因とそれを消す方法、コツなどを紹介します。

【料理家監修】     ほうれん草のえぐみは消せる!?     えぐみの原因と消す方法
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ほうれん草のえぐみの原因

ほうれん草のえぐみの原因

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ほうれん草を食べると、口の中がキシキシして独特のえぐみを感じることがあります。これは、ほうれん草の「シュウ酸」という成分が、唾液に含まれるカルシウムと結合し「シュウ酸カルシウム」に変化することで起きます。このシュウ酸は厄介な成分で、口の中ではえぐみとなり、吸収されたあとに体内のカルシウムと結びつき、結石の原因になると言われています。しかし、シュウ酸は下処理をしっかり行えば約7割が取り除けます。栄養豊富なほうれん草をおいしく食べるためにも、下処理はしっかりと行いましょう。

ほうれん草のえぐみを消す方法

ほうれん草のえぐみを消す方法

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シュウ酸は水溶性なので、茹でることで水に溶け出し、取り除くことができます。えぐみを消すには以下のような方法があります。

定番の塩茹で

まずは鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(お湯1リットルに対し小さじ1)を入れておきます。ほうれん草の根元に十字の切り込みを入れ、そのまま茎の部分が下になるよう丸ごとお湯の中に入れます。そのまま茎を30秒茹で、次に葉の部分をしっかり沈めて15秒、そして均一に火が通るようほうれん草をひっくり返してさらに15秒と、合計1分ほど茹でます。茹で終えたらボウルに張った氷水や流水でしっかりアク抜きをし、残ったシュウ酸を洗い流せばOKです。

レンジで下処理

ほうれん草を水洗いしたあと4~5センチ幅に切っておきます。そして耐熱ボウルに切ったほうれん草と塩を2つまみほど入れ、ラップをかけてレンジで加熱します。加熱時間は1束200gなら600wで3分、半束100gなら2分が目安です。加熱が終わったら、軽くまぜて熱の通りのムラをなくし、冷水の入ったボウルに入れます。レンジ調理は茹でないため、アク抜きが必要です。水に浸す時間は5分ほどが目安です。

にがりや砂糖を使った下処理

にがりに含まれているマグネシウムは、シュウ酸と結合して「シュウ酸マグネシウム」という成分に変わります。下茹での段階でシュウ酸を別の成分に変えてしまうため、体内での吸収を抑えられます。もちろんシュウ酸の吸収だけでなく、キシキシ感やえぐみも減らせます。
にがりを小さじ1程度入れたお湯で茹でれば、えぐみや苦味のない、おいしいほうれん草になります。

にがりがなければ、砂糖を入れるのもおすすめです。茹でる際に砂糖を一つまみ入れると、ほうれん草の細胞と湯の浸透圧が同じになり、細胞の破壊による栄養の流出を防げます。
仕上がりはにがりと同様、えぐみがおさえられる効果があります。

ほうれん草をアク抜きする時の注意点

ほうれん草をアク抜きする時の注意点

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シュウ酸を除去するために欠かせないアク抜きですが、茹ですぎるとほうれん草に含まれる栄養分も逃がしてしまいます。特に、ビタミン類は水溶性のものが多く、茹ですぎるとどんどん流出してしまいます。
たとえば、ビタミンCは茹で時間が1分では7割ほど残りますが、5分では4割にまで減ってしまいます。そのため、下茹では1分程度がベストです。また、茹でる必要のない電子レンジでの調理は、ビタミン類が流出しないのでおすすめです。

アクが少ないほうれん草の品種とおいしい食べ方

アクが少ないほうれん草の品種とおいしい食べ方

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えぐみが気になるなら、もともとアクの少ない品種を選ぶのも一つの方法です。ここでは下茹でをせずに、おいしく食べられる方法を紹介します。

できれば東洋種を選ぶ

ほうれん草は、大まかに東洋種と西洋種の2つに分けられます。東洋種は葉が薄く尖っていて、根本が赤いのが特徴です。一方、西洋種は葉が肉厚で丸く、アクはやや強めです。アクの量が気になる なら、なるべく東洋種を選ぶようにしましょう。

油は多めに使う

ほうれん草を選んだら、炒める前にまず水に少しさらします。茹でるほどの効果はありませんが、それでもある程度のシュウ酸を落とすことができます。
そして、炒める際には油を多めに使いましょう。シュウ酸は水溶性ですが、油でほうれん草をコーティングすることで、唾液内のカルシウムとの結合を防ぎえぐみを抑えられます。そのためえぐみが気になる人には、ソテーやラーメンのトッピングにするのがおすすめです。

生食には「サラダほうれん草」

生食には「サラダほうれん草」

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最近は、東洋種・西洋種だけでなく、さらにアクが少なくなるよう品種改良された「サラダほうれん草」も売られています。このサラダほうれん草なら他の葉物と同じように生で食べられます。もちろんソテーやおひたしなど加熱して食べることもできるので、アクの少なさを求めるのならサラダほうれん草を選んでもよいでしょう。

まとめ

栄養だけでなく、シュウ酸も多く含まれるほうれん草をおいしく健康的に食べるには、ちょっとしたひと手間が必要です。ただ、鉄分やビタミンといった豊富な栄養素や、和洋を問わず様々なレシピに活用できる幅広さなど、手間をかけてでも使いたい野菜でもあります。
ほうれん草を調理するうえで大事なことは、シュウ酸をしっかりと落とすこと、栄養はなるべく残すことです。この2点に気を付けて、おいしくほうれん草を食べましょう。

プロフィール

監修者:貞本 紘子

監修者:貞本 紘子

料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。
ブログ https://ameblo.jp/colette-cooking/

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