【料理家監修】【漬物・煮物・味噌汁】かぶの切り方と下ごしらえのコツ

かぶは生でも火を入れてもおいしく食べられるため、簡単レシピもたくさんあり、人気の高い野菜のひとつです。下ごしらえをしっかり行い、繊維方向を意識した切り方を工夫することで、よりおいしいかぶ料理を作ることができます。

【料理家監修】【漬物・煮物・味噌汁】かぶの切り方と下ごしらえのコツ
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かぶの洗い方と下ごしらえのコツ

かぶの洗い方と下ごしらえのコツ

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白くて丸まるとおいしそうなかぶ。旬は3~5月の春と10~11月の秋の年2回です。通年出荷はされていますが春物はやわらかく、秋物は甘みが強くなります。調理方法やレシピもたくさんあるので人気の高い野菜のひとつです。

スーパーなどで購入するとたいていの場合は、青々とした葉っぱが付いていますが、せっかく付いている葉っぱを根本から切り捨ててしまう人も多いのではないでしょうか。実は葉っぱもおいしく調理して食べることができます。
しかし葉を付けたままにしておくと、根の栄養が葉にとられてしまうため、購入後はまず葉を根本から切り分けましょう。もしひげ根が長く付いているのであれば、この時一緒に切り落としてしまいましょう。

おいしく食べるためには、しっかり泥や汚れを落とすことがとても大切です。ただし、たわしなどでこすると、せっかくのかぶに傷がついてしまいます。たっぷりのお水の中で10分程度浸しておくと汚れが浮き出てきますので、それから竹串を使い、根元の泥や汚れをやさしく落としましょう。

かぶの皮を剥く方法

かぶの皮を剥く方法

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かぶは皮の部分に繊維を多く含んでいるため、とろけるような舌触りのかぶ料理を作りたい場合は、厚めに皮を剥くのがおすすめです。ピーラーではなく包丁を使い、ひげ根のある下のほうから葉のほうにむかって厚めに皮を剥いていきましょう。剥いた皮もその繊維の歯ごたえを生かし、きんぴらや漬物などにできます。かぶは捨てる部分がほとんどない野菜なので、丸ごと使いきることができます。

かぶの切り方の種類

かぶの切り方の種類

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かぶは他の根菜類と比べると、やわらかくアクも少ないため、下ゆでは不要です。
きれいに汚れを落としたら、調理方法に合わせて切り方を工夫し、そのおいしさを生かしましょう。
生食には薄切り、甘酢漬けには半月切り、煮物には四つ割りやくし切りとさまざまな切り方があります。以下にご紹介します。

漬物用のかぶの切り方

漬物用であれば、薄切りや半月切りがおすすめです。どちらの切り方でも、まずは葉の部分を取り除いて縦半分に切ります。そして切り口を下にし、薄切りであれば1~2ミリ厚、半月切りであれば3~4ミリ厚程度に切ります。浅漬けにするなら短い時間でも味がなじみやすい薄切りが、かぶの味をしっかり味わいたいのであれば半月切りがおすすめです。
彩りよくおいしく仕上げるために、3~4センチ程度に切り分けた葉を入れるのもよいでしょう。

甘酢漬けにするのであれば、葉の部分を少し残した半月切りがおすすめです。カブについている葉の部分の1センチ上を切ることで、葉を残します。そして、通常の半月切りと同じように繊維にそって縦半分に切り、さらに縦方向に包丁を入れて切っていきます。歯ごたえを楽しむのであれば厚めに切るとよいでしょう。味の染み込みが気になる場合は薄めに切ってください。
このように葉の部分を残すことで、甘酢漬けに緑のアクセントを加えることができます。3〜4センチ程度に切り分けた人参の細切りを入れると、赤系の彩りが加わり、より美しく見えます。

煮物にする場合のかぶの切り方

煮物にするのであれば、葉の付け根付きの四つ割りにすると、葉っぱの色味も楽しめます。
大きめのかぶであればくし切りにすると食べやすくなりますし、小さ目のかぶであれば面取りも兼ねて六方切りもおすすめです。
四つ割りは、葉の付け根を残したまま縦に4等分します。
くし切りは、まずかぶを横半分にし、それをさらに縦に4等分もしくは6等分します。
六方切はまず上下を切り落として平らにし、側面を縦に一面向きます。剥いた面の対面も同じ幅になるように剥き、残りの面も同様に対面を剥いて、かぶの側面が6面になるようにします。

味噌汁に合うかぶの切り方

味噌汁には、先ほど述べた煮物と同じ四つ割りがおすすめです。時短で作りたい場合は細切りがよいでしょう。縦に3ミリほどの厚みで切っていき、重ねたかぶをずらしながら端から細かく切っていきます。

かぶの繊維に関する予備知識

かぶの繊維に関する予備知識

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かぶは葉から根に沿って縦に繊維があります。生食で食べる場合は繊維を断ち切ることで、舌触りがよくなります。火を入れて調理をする場合は繊維に沿って切ることで、煮くずれしにくくなります。
レシピに合わせて繊維方向を意識し、切り方を工夫することでよりおいしいおかずが出来上がります。

まとめ

かぶは捨てるところが少なく、調理方法やレシピもたくさんある人気の高い食材のひとつです。
汚れを落とすため、下ごしらえはしっかりと行いましょう。また、料理や調理法に合わせた繊維方向を意識した切り方なら、煮くずれを防ぎ、舌触りよく仕上がり、料理の作業効率もアップします。
さっそく、今夜の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

監修者:貞本 紘子

監修者:貞本 紘子

料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。