【管理栄養士監修】レタスの栄養成分って?種類による栄養の違いも紹介

あまり栄養がないイメージのレタスですが、実はさまざまな栄養を含んでいます。今回はレタスの栄養成分や効果について知りたい方に向けて、種類による栄養の違いや食べる際の注意点をご紹介します。

【管理栄養士監修】レタスの栄養成分って?種類による栄養の違いも紹介
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レタスに含まれる栄養とは?

レタスに含まれる栄養とは?

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レタスは全体の95%が水分でできている野菜で、主な栄養素としてビタミンやカリウム、食物繊維、β-カロテンを含みます。

ビタミン

体の機能を正常に保つ働きがあるビタミンは、体内ではほとんど作り出すことができないため、食べ物から摂取する必要があります。
レタスには葉酸とビタミンKが特に多く含まれています。ビタミンBの一種である葉酸は、赤血球や細胞を新しく作り出す際に必要になる栄養素で、ビタミンKには止血や骨の健康を保つ効果があるとされています。

また、ビタミンAは種類によって多く含まれており、足りなくなると粘膜が弱くなり免疫力が低くなることがわかっているので、十分な量を摂取することが望ましいとされています。

このほかに、ストレスへの耐性をつけるといわれるビタミンC、ホルモンの分泌を促し血行をよくするとされるビタミンEもレタスには含まれており、いろいろなビタミンを同時に摂取することができるといえます。

カリウム

カリウムはミネラルの一種で、浸透圧を調整してナトリウムを排出する働きがあります。塩分の取り過ぎを調節する役割があるため、高血圧の予防にも役立ちます。また、腎臓の病気などでカリウムを控えている人にも、レタスは生野菜のなかではカリウム含有量が低く、さらに「低カリウムレタス」も開発されているので、食事療法の一助に期待できます。

食物繊維

食物繊維は、整腸作用でおなじみの栄養素で、人の消化酵素で消化できない物質のことです。食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあり、レタスには不溶性のものが多く含まれています。便秘の予防だけでなく、新陳代謝を良くして体調を保つために欠かせません。

β-カロテン

抗酸化作用によりアンチエイジングで注目されるβ-カロテンもレタスで摂取することができます。体内で、ビタミンAに変換されます。後述するサニーレタスに特に多く含まれています。

レタスの種類と含まれる栄養素

レタスの種類と含まれる栄養素

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レタスと一口に言っても、最近ではスーパーでもさまざまな種類のレタスが販売されるようになってきました。ここでは代表的なレタスをいくつかご紹介します。

種別主な特徴と栄養素
玉レタス玉レタスは最も市場に出回っているレタスで、一般的な玉レタスはビタミンK、B2、食物繊維など、すべての栄養素の含有量が最も低い種類です。
サラダ菜玉レタスの品種改良によって作られた種別で、すべてのレタスの中でビタミンB2と不溶性食物繊維が最も含まれている種別になります。
サニーレタスサニーレタスは、葉先が赤紫がかっており、グリーンカールは葉が鮮やかな緑色でカールしているのが特徴のレタスです。特に葉酸はサニーレタスに多く含まれ、食物繊維、ビタミン類やカリウムなど玉レタスに比べると栄養豊富です。
ロメインレタス縦に長く成長するレタスです。通常の玉レタスに比べると栄養豊富です。葉が肉厚なので、シーザーサラダはもちろん、炒め物やおひたしなどにも使われます。
サンチュ茎が長く成長するタイプのレタスです。サンチュの栄養は特に豊富で、β-カロテンとレチノール活性が玉レタスの15倍、ビタミンKが7倍、ビタミンB2が3倍も含まれています。ビタミンA群は100gあたり3800μgと、レタスの中で最も多く含まれています。

レタスの栄養を効率的に摂取する食べ方

レタスの栄養を効率的に摂取する食べ方

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レタスには栄養が含まれているとはいえ、そのほとんどが水分です。また、生のままではそれほどたくさん食べられるものではないため、栄養を効率的に摂取するために加熱調理する方法もおすすめです。例えば、炒め物やスープに入れて食べてみてはいかがでしょうか。ただし、ビタミンCや水溶性食物繊維などの栄養素がスープに溶け出してしまうのでスープまで完食するようにしましょう。

まとめ

レタスは意外と種類が多く、種類によって栄養価が変化します。特にビタミンAが多く含まれているレタスは、サラダや肉料理の付け合わせにはもちろんのこと、炒め物やスープに入れてもおすすめです。ぜひいろいろな食べ方でレタスを味わってみてください。

プロフィール

監修者:石川桃子

監修者:石川桃子

管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。その後、歯科医院へ管理栄養士として就職し、食べる入り口となる《お口の健康=身体の健康》を伝えるべく活動をしている。健康になるために糖質コントロールなどの一人一人の生活スタイルに合わせた食事指導や砂糖を使わないレシピなどを提供。食事アプローチに携わる。
また、多くの方が健康に興味を持ってもらえるよう歯科医院での食事指導を広めるべく、独自で管理栄養士対象の歯科栄養ベーシック講座を2020年に開講。