【管理栄養士監修】枝豆の栄養を解説!大豆と緑黄色野菜のいいとこどり!?
枝豆は大豆と緑黄色野菜両方の栄養素を含む、健康にいい食材です。鉄・銅・亜鉛・マンガン・食物繊維・ビタミン類などを豊富に含んでいます。今回はそんな枝豆に含まれる栄養素について解説します。栄養を損なわない調理方法も併せてご紹介するので、調理の参考にしてみてください。
- 公開日:

枝豆って大豆なの?

igorstevanovic/Shutterstock.com
枝豆は、成長途中の大豆を未成熟なうちに摘んだものです。日本では江戸時代には枝豆が食べられており、枝についたままのものを茹でて販売していたことから「枝豆」という名前で呼ばれるようになりました。現在では品種改良が進んで、大豆と枝豆は分けて栽培され、より粒が大きく甘味が強い品種が開発されています。
とはいえ、どんなに品種改良されたとしても未成熟な大豆には変わらないため、含まれているたんぱく質やビタミンE、食物繊維の量は大豆の方が豊富です。しかし、ビタミンAと葉酸については枝豆の方が含まれています。乾燥黄大豆と比較した数値ですが、栄養の特徴が成長によって変化していることがわかります。
【管理栄養士監修】枝豆の糖質やカロリーはどの程度?食物繊維などについても解説お酒のおつまみとして定着している枝豆。おつまみのイメージが強いですが、実は糖質が低く、健康によいヘルシーな食品であるのはご存知でしたか?この記事では、枝豆に含まれる糖質やカロリーの量、またそのほかに含まれている栄養素をご紹介します。
【管理栄養士監修】枝豆に含まれるたんぱく質は?栄養素とダイエットに適している理由も解説!おつまみの定番である枝豆は、豆と野菜、両方の栄養素が含まれるおすすめの食材です。この記事では、枝豆に含まれるたんぱく質量をはじめ、枝豆に含まれる栄養素とダイエット向きな食材である理由について解説します。
枝豆に含まれる栄養とは?

NIPAPORN PANYACHAROEN/Shutterstock.com
大豆の成長途中である枝豆は、大豆に含まれる栄養素がたくさん詰まっています。また、緑黄色野菜でもあることから、大豆と緑黄色野菜両方に含まれる栄養を兼ね備えた野菜と言えます。
鉄・銅・亜鉛・マンガン・カリウム
鉄分は貧血対策効果があるとして有名ですが、実は枝豆は鉄分をよく含んでいるとされているほうれん草よりも、金属系の栄養素を豊富に含んでいます。
可食部100g中の含有量(いずれも茹でた場合、以下同様)で比べてみましょう。
鉄分:ほうれん草0.9mg、枝豆2.5mg(約2.5倍)
亜鉛:ほうれん草0.7mg、枝豆1.3mg(約2倍)
マンガン:ほうれん草0.33mg、枝豆0.74mg(約2倍)
銅:ほうれん草0.11mg、枝豆0.36mg(約3倍)
また、高血圧の予防などに効果があるといわれるカリウムも100g当たり490mg含有していて、これはカリウムを多く含むとされるバナナの360mgを上回っています。思ったよりも多くの栄養が枝豆に含まれているのがわかるのではないでしょうか。
食物繊維
近年では、食物繊維に血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下などの効果があることもわかってきています。また、整腸作用もある食物繊維ですが、枝豆には100gあたり4.6g相当の食物繊維が含まれていて、これは生のキャベツの1.8gの2.5倍以上など、多くの葉物野菜よりも多い量です。
たんぱく質
枝豆は「畑の肉」といわれる大豆の一種であり、100g中11.5gもたんぱく質を含んでいます。
たんぱく質は筋肉をはじめ様々な体の部位の基となる大切な栄養素ですが、大豆のそれは、人間が生きていくうえで摂取が欠かせない「必須アミノ酸」を動物性たんぱく質並みに含有する良質なたんぱく質といわれています。
ビタミン類
枝豆に含まれる栄養素の中で注目するべきはビタミンB1・ビタミンB2です。これらのビタミンは体内で糖質・たんぱく質の代謝に関与して、エネルギーに変える手助けをしています。
・ビタミンB1
エネルギー生産に欠かせないとされるビタミンB1は枝豆100g中に0.24 mg含まれており、これはほうれん草やキャベツの約5倍の数値です。
・ビタミンB2
成長や回復に関与するといわれるビタミンB2は、枝豆100g中に0.13mg含まれており、これはキャベツの約4倍も含有しています。
・β-カロテン
強い抗酸化力を持つとされるβ-カロテンは、枝豆100g中に260μg含まれており、キャベツの約5倍の量を含んでいます。
・葉酸
ビタミンB群に属し体の発達を助け赤血球の産生にかかわるといわれる葉酸も、枝豆100g中に260μgと、ほうれん草の2倍以上を含有しており、枝豆には様々な栄養が豊富に含まれていることがわかります。
【管理栄養士監修】枝豆と筋トレの関係とは?食べるときのポイントも解説筋トレをするときは、食事に使う食材についても気になるところです。最近は含まれるタンパク質が多いことから、枝豆に注目が集まっています。そこでこの記事では、枝豆と筋トレの関係や、食べるときのポイントをまとめてご紹介します。
枝豆の栄養を逃がさない調理方法

Foodio/Shutterstock.com
枝豆と言えば、塩茹でがメインの調理法ですが、他にも適した調理方法があります。ここでは枝豆に含まれる栄養を損なわない調理方法をご紹介します。
枝豆に含まれる水溶性のビタミンCは、水にさらし過ぎたり茹で過ぎたりすると、どんどん流れ出てしまいます。そのため、茹でるよりも塩もみした枝豆をフライパンに入れ、蓋をして5分ほど弱火で蒸し焼きする調理方法がおすすめです。茹でるよりも栄養が損なわれにくいだけでなく、味も凝縮されて美味しくなります。
この調理方法では枝豆を茹でない分、塩味が残るので、塩を使いすぎないようにしてください。また、健康面を考えて塩揉みの塩分を気にする方もいるかと思いますが、さやの部分ではなく中身を食べるため、塩揉みをしても問題になるほど塩分を摂取することはないでしょう。
また、枝豆の栄養をまるごと摂取したいときは、炊き込みご飯にしましょう。枝豆から溶け出た栄養をお米が吸ってくれますし、じっくり加熱することで枝豆の甘味が増します。
そして、枝豆は肉や魚など他の食品と合わせて食べることもできる食材です。特に相性がよいのはビタミンB12で、ビタミンB12と葉酸が血液の健康をサポートしてくれることはよく知られています。枝豆には葉酸が含まれているので、ビタミンB12を多く含む鮭やレバーと一緒に食べることをおすすめします。枝豆は味付け次第で広い料理に使用することができるので、食べ合わせも意識するとよいでしょう。
【管理栄養士監修】枝豆の日持ちはどれくらい?長持ちする保存方法。生での保存はOK?枝豆を長く・おいしく食べるために重要なのは「生の状態の時間を短くすること」。つまり、枝豆を手に入れたらすぐに茹でることが重要です。それは収穫後、時間が経てば経つほど豆の糖分が失われ、風味が落ちてしまうからです。 今回は、枝豆をおいしいまま長く保存するための方法、また新鮮でおいしい枝豆の見分け方についてまとめました。
まとめ
枝豆は大豆と緑黄色野菜両方の栄養素を含む、健康にいい食材です。そして、料理に使用する際は食べ合わせを意識しながら、塩茹で以外にもぜひ蒸し焼きなどの調理方法で食べるようにしましょう。
プロフィール

監修者:藤井歩
管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として高齢者福祉施設での給食管理業務、企業での特定保健指導、栄養講座講師、栄養指導ツール開発などの業務に携わる。
その後はフリーランスとなり、オンラインでのダイエット指導、特定保健指導、レシピ作成、コラム執筆など、栄養に関するさまざまな業務に携わっている。