【管理栄養士監修】水泳ダイエット中の食事のタイミングはいつが正解?
高いエネルギー消費が期待できる水泳ダイエットが人気を集めています。そんな水泳ダイエットは、水泳の前と後どちらに食事を摂ることが正解なのかを、脂肪燃焼・筋力アップ・疲労回復など目的別にご紹介します。水泳ダイエットの食事に関する注意点やお役立ち情報も満載です。
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水泳ダイエット中の食事のタイミング

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少しでも早くダイエットを成功させたいと思っている方にとって、消費カロリーが多く、同時に筋肉をつけることができる水泳は魅力的なダイエット方法です。しかし、ダイエットを成功させるためには、泳ぐことを懸命にするだけではなく、適切なタイミングで食事を摂ることも重要になってきます。「溜まった脂肪を燃焼させる」「水泳による疲労を回復する」「メリハリボディになるために筋肉をつける」といった目的によって、効率の良いタイミングやおすすめの食事内容が変わってきます。
脂肪燃焼を目的とする場合
脂肪燃焼が目的の場合、食事は水泳をする前に摂ることをおすすめします。泳ぐ前に食事をすると、摂取したカロリーを泳ぐことで消費できるからです。しかし、水泳後に食事をした場合、食事で摂取したエネルギーは消費することなく体に蓄えられ脂肪になってしまいます。ただし、食後すぐに水泳をしてしまうと、体に負担がかかってしまいます。食事は水泳の30分~60分前までに終えるようにしてください。
疲労回復を目的とする場合
水泳によって疲労した体を早く回復させるには、運動後1時間以内に糖質が含まれている炭水化物を摂ることが大切です。同時にたんぱく質を含んだハムや牛乳、卵などを一緒に摂ることで、さらに筋肉の回復に高い効果が期待できます。運動後すぐに食事を摂ることが苦手という方は、スポーツドリンクやゼリー飲料などの飲み物で栄養補給するのもおすすめです。
筋肉をつけることを目的とする場合
筋肉がつくことでメリハリのある体になれる上に、基礎代謝が上がるので太りにくい体作りをすることもできます。筋肉をつけるためには、水泳の前後両方で食事を摂る必要があります。まず水泳の前に食事を摂る理由は、栄養が不足した状態で運動をした場合、筋肉が分解されてしまう可能性があるからです。水泳の後に食事をする理由は、水泳後に筋肉が分解されてしまうことを防ぐためです。食後は疲労回復を目的としている場合と同様で、運動後30分以内に炭水化物とたんぱく質を含んだ食事を摂るようにしましょう。
水泳ダイエットの特徴

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水泳ダイエットの特徴として魅力的なのは、何といっても消費カロリーが高いということです。水中は、水による抵抗があるため、運動をした際の消費カロリーが高くなるのです。泳ぐのが苦手という方でも、水中ウォーキングやアクアビクスなどで高い消費カロリーを実感することができます。そして水の中は、体温よりも温度が低いことが多く、体が体温を保とうとする働きによってさらにエネルギー消費を促進できます。また、水泳ダイエットは食事制限をするダイエットとは異なり、リバウンドしにくいという特徴があります。それは、水泳でエネルギーを消費するのと同時に筋肉も鍛えることで、基礎代謝も高くなりリバウンドしにくい体になれるからです。筋肉を鍛えるということは、単に脂肪が減るだけではなく引き締まったスタイルになれるという利点もあります。
水泳選手はどんな食事を摂っている?

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水泳選手は皆、よりレベルの高いパフォーマンスを発揮するために、それに適した栄養バランスを意識した食事を摂っています。水泳をする上でエネルギーは必要ですが、炭水化物や脂肪を摂り過ぎるとカロリー過多になり、皮下脂肪が蓄積し、体重が増加してしまいます。体重が増加することで記録が遅くなるリスクもあるため、過剰に摂取しないように注意しています。また、その他の栄養素についても、トレーニングの時期や調整の時期、試合前・試合当日と状況に合わせて食事内容を調整しています。
水泳ダイエットと食事の注意点

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水泳をすると運動量が多くなり、たくさんのエネルギーを消費するため、いつも以上に空腹を感じて食欲が出てきてしまいます。しかし、水泳後の食事に気をつけなければかえって太ってしまいます。ここでは、水泳ダイエットの際に注意すべき食事について紹介します。
水泳前に避けたほうがよい食事
脂質が多い食事
水泳をする前は脂質が多い食事を避けるようにしましょう。脂質は消化に時間がかかるため、水泳前に脂質が多い食事を摂ると消化不良を起こす危険性があります。
甘い飲み物
水泳前に甘い飲み物を飲むと腹壁が圧迫され、体調不良を起こす可能性があります。特に炭酸飲料は溶け込んでいる二酸化炭素が消化管内で気化するので、運動前の飲料としては向いていません。
カフェインを含んだ飲み物
カフェインを含んだコーヒーやエナジードリンクを飲むと、下痢の症状や吐き気に見舞われるリスクがあります。水泳前の水分補給は、水やスポーツドリンクなどで行うようにしましょう。
水泳後に避けたほうがよいもの
水泳後の食事にも気をつける必要があります。例えば、甘いデザートなど高カロリーのものをたくさん食べてしまうと、消費したエネルギー以上のカロリーを摂取してしまい、ダイエットの効果が低くなってしまいます。間食はサラダやサラダチキンなど低カロリーのものを選ぶとよいでしょう。
水泳ダイエットは、高いエネルギー消費や筋力アップによりスタイルが良くなることが魅力です。しかし、水泳ダイエット中の食事の摂り方によって、上手くエネルギー消費や筋力アップにつなげられないこともあります。水泳ダイエットを行う際は、適切なタイミングで食事をすることを心掛けるようにしてください。
まとめ
今回は、水泳ダイエットをする際の食事のタイミングについてご紹介しました。食事を適切なタイミングで摂ることは重要ですが、食事の内容についても注意することが必要です。水泳の前に食べてはいけないものを避けるようにし、水泳後の暴飲暴食にも気をつけながら水泳ダイエットに励みましょう。
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プロフィール

監修者:遠藤 莉菜
管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。化粧品会社に入社し、エステの施術や化粧品・サプリメントの販売を行うが、管理栄養士の資格を活かすため転職。現在は特別養護老人ホームの管理栄養士として高齢者の食事管理を行っている。
また、日本栄養士会認定栄養ケアステーションにも在籍し、休日などは時間を作り地域の栄養相談や栄養セミナーなどさまざまな栄養活動のサポートを行っている。