とうもろこしのひげは正体は?食べずに捨てるのはもったいない、栄養たっぷり「ひげ」の活用方法
とうもろこしの「ひげ」はとうもろこしのめしべで、粒一つひとつについています。つまり、とうもろこしの粒とひげの数は同じだということです。このひげ、食べずに捨てるのはもったいないほど栄養がたっぷり含まれています。この記事では、とうもろこしのひげの栄養とその効能、ひげをおいしく食べるための活用方法をご紹介します。
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とうもろこしの「ひげ」の正体は?

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とうもろこしの「ひげ」はとうもろこしのめしべです。絹糸(けんし)と呼ばれ、とうもろこしの粒一つひとつについています。つまり、とうもろこしの粒とひげの数は同じだということです。
まず、とうもろこしのてっぺんに雄花があり、花粉がついています。雄しべのずっと下、実になる部分に雌花が咲いていて、めしべが突き出ています。このめしべに花粉がくっつくと、それにつながっている実がどんどん大きくなっていきます。
実の根元のめしべから順番に外に伸びるため、とうもろこしの先端にいくほど花粉がくっつく時期が遅く、実が小さくなるのです。
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捨てるのは勿体無い!とうもろこしのひげには魅力がたっぷり!

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品種によって数に違いはありますが、一般的なとうもろこし1本あたりの粒の数は600粒程度といわれていますので、ひげも600本程度あることになります。スーパーなどの店頭に並ぶ時点では、外皮をむかれてラップされた状態であることも多く、加熱済みのものや缶詰になっているものもあります。こういったものは、ひげはすでに処分されているということです。
さて、600本もあるひげは、本当に捨てるしかないのでしょうか。ここからは、無用だと思われがちなひげの栄養成分や効能について解説します。
栄養成分
とうもろこしのひげ部分に含まれる栄養成分はカリウム、アラントイン、フラボノイド、フラボン、フィトステロールなどです。ここでは各成分について紹介していきます。
カリウム
カリウムは成人の体内に200g程度含まれており、その多くが細胞内に分布しています。体を構成する細胞の浸透圧の保持や水分維持をナトリウムとともに調整する役割を持っています。
アラントイン
アラントインは食事で摂取したプリン体などの代謝産物です。5種のヒト上科(ヒト、テナガザル、オランウータン、チンパンジー、ゴリラ)を除く哺乳類の体内で、最終プリン代謝産物として尿酸から作られます。創傷治癒作用のほか、皮膚を滑らかにし、柔軟性を与える効果について報告されています。この効果が期待されるため、スキンケア商品やシートマスクなど、さまざまな化粧品に使用されています。
フラボノイド
フラボノイドはガムなどに含まれている成分ですが、ポリフェノールの一種です。人体の特定の生理調節機能を担っており、デトックス作用やアンチエイジング作用など美容にもうれしい効果のほか、がんの抑制についても期待されています。
フラボン
フラボンはとうもろこしのひげの黄色の色素化合物の総称です。抗酸化作用、染色体異常抑制作用などといった機能を持ちます。
フィトステロール
フィトステロールは食品添加物や医薬品などに使用されている化合物です。コレステロールを低下させる作用が証明されています。
効能
続いて、とうもろこしのひげに期待できる効能を3つご紹介します。
アンチエイジング作用
1つ目はお肌内部にあるコラーゲンの糖化をおさえることで肌の老化を防ぐ効果です。これはとうもろこしのひげが持つ血糖値上昇抑制作用によるものです。多くの女性が気になるお肌の水分不足による弾力やハリ感の低下、肌質のキメに対して一定の効果が期待できます。
むくみ解消
2つ目はカリウムがもつ利尿作用によってむくみを解消させる働きです。ひげ茶であれば、ノンカフェインですし、安心して飲むことができます。
便秘解消とダイエット効果
3つ目は便秘解消およびダイエット効果です。これは、とうもろこしのひげに含まれる食物繊維の働きによるものです。食物繊維は満腹感を覚えさせる働きを持っているため、食べ過ぎを予防することにもつながりますし、お通じをスムーズにさせ、身体の中からお肌をきれいにする効果も期待できます。
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とうもろこしのひげの活用方法

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とうもろこしのひげ部分は日本国内のみならず、中国や欧米でも古くから利用されています。中国では玉米髭(ぎょくべいしゅ)あるいは南蛮毛(なんばんもう)と呼ばれ、生薬として重宝されてきました。一方、欧米ではコーンシルクと呼ばれ、民間薬として取り入れられてきたのです。
ここでは、とうもろこしのひげを活用するアイデアをいくつかご紹介しましょう。ひげ付きのとうもろこしを購入した際には、ぜひ試してみてください。
ひげ茶
香ばしさと、ほんのりと感じる甘さが特徴です。ひげは2~3日天日干しした後、ざく切りにしてフライパンで乾煎りしたものを使います。紅茶のようにティーポットに入れて熱湯を注ぎ、蒸らしていただきます。
とうもろこしご飯
ひげをこまかく刻み、とうもろこしご飯を炊く際に一緒に加えると、アクセントになって一層おいしく食べられます。
中華風春雨
柔らかく茶色になっていない部分を利用して、茹でて中華風春雨に加えましょう。
スープ
中華スープに加え、具としていただくのもよいでしょう。
サラダ
シンプルにとうもろこしのひげをサラダにするだけでボリュームのある副菜になります。新鮮なものは生でも食べられますが、さっと茹でるとよいでしょう。
素揚げ
素揚げで食べるのもおすすめです。天ぷらなどよりも簡単に作れるうえ、香ばしい中にふんわりやさしい甘みが感じられます。
とうもろこしを保存する際は、皮やひげなどがついた状態で保存するのがおすすめです。ひげを活用する際はとうもろこしの料理と同じタイミングにするとよいでしょう。
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まとめ
とうもろこしのひげは、とうもろこし1本あたりにおよそ600本あります。捨ててしまう方も多い部位ですが、実際は栄養素が豊富に含まれており、アンチエイジング作用やむくみ解消などの効果も期待できます。とうもろこしを食べる際は、ひげ茶やサラダなど、ひげまで余すことなく使い切るように工夫をしてみてはいかがでしょうか。
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プロフィール

監修者:貞本 紘子
料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。