【管理栄養士監修】さつまいもの保存期間・正しい保存方法は?【常温・冷蔵・冷凍】ごとの日持ち方法を解説

ほくほくした食感とやさしい甘味の秋の味覚、さつまいも。気づいたら芽が出ていた、悪くなっていたという経験はないでしょうか。ここでは、常温・冷蔵・冷凍ごとにさつまいもの保存期間や長期保存する際のポイント、鮮度の見分け方についてお伝えします。

【管理栄養士監修】さつまいもの保存期間・正しい保存方法は?【常温・冷蔵・冷凍】ごとの日持ち方法を解説

さつまいもの保存期間の目安

さつまいもの日持ち日数の目安

さつまいもの主な保存方法には、常温、冷蔵、冷凍の3つがあります。それぞれどれくらい日持ちするか気になるところですが、いずれも約1か月が目安です。さつまいもはスーパーなどで1年中手に入る食材ですが、旬は9月から11月の晩秋で、比較的涼しい時期には常温(10度~15度)での保存が基本となっています。

注意すべきさつまいもの「発芽」

味が落ちる原因のひとつに発芽があります。さつまいもの新芽にはジャガイモのような毒性はありませんが、でんぷん質を栄養として伸びるため、新芽が出てしまうと味や食感が落ちてしまいます。さつまいもは室温が20度を超えると発芽してしまうため、夏場は冷蔵庫の野菜室に入れるとよいでしょう。ちなみに、さつまいもを保存できる期間は冷蔵保存と冷凍保存で大きく変わりません。しかし、調理したさつまいもは冷蔵保存ではすぐに悪くなってしまうので、より長期間保存できる冷凍保存が向いています。

それでは、ここから各保存方法の押さえておくべきポイントや手順について掘り下げていきます。

正しいさつまいもの保存方法

正しいさつまいもの保存方法

さつまいもは1本ずつ新聞紙に包み、数か所に穴をあけた段ボール箱に入れて保存するのが一般的です。気温や湿度が安定している廊下や、日の当たらない冷暗所が理想的でしょう。

また、さつまいもは水分に弱いので水洗いはできるだけ避けるのがポイントです。土が付いていれば軽く払い、天日で乾かしてから保存します。また、先述した通り、さつまいもは20度を超えると発芽してしまうため、夏場は冷蔵保存が最適です。冷蔵保存する場合は、低温障害や乾燥を避けるために新聞紙で包み、さらにビニール袋に入れて野菜室で保存しましょう。

さつまいもを冷凍保存する際のポイント

さつまいもを冷凍保存する際のポイント

さつまいもを生の状態で冷凍する場合は、カットした後10分ほど水に浸けてよくアクを抜いてから水気をふき取り、冷凍用保存袋に入れて保存します。よく空気を抜くことで冷凍焼けによる劣化を防ぐことができます。

生で冷凍したさつまいもはそのまま茹でたり、電子レンジで解凍したりしてから使います。あらかじめ小さなブロック状にカットしておけば、凍ったままのさつまいもと少量の酒、塩を炊飯器に加えるだけで、簡単に炊き込みご飯が完成します。また、丸ごと凍らせたさつまいもはそのままオーブンに入れ、160度~170度で90分焼くとおいしい焼き芋になります。

また、調理をすると保存期間が短くなるため、茹でたさつまいもは3日以内に食べきるようにしたいところです。しかし、調理したさつまいもは冷凍保存で劣化しにくく、自然解凍でおいしく食べることができます。冷蔵と保存期間は大きく変わりませんが、冷凍なら冷気対策の必要がなく、手間が少ないのが特徴です。

その他の保存方法

そのほか、茹でてマッシュにするほか、皮ごと焼き芋にしたりしてラップに包んで冷凍保存する方法もあります。マッシュにすると一度に使用する量に小分けして冷凍できるので便利です。紅はるかや安納芋(あんのういも)など粘質系のさつまいもは、半解凍すれば手軽な焼き芋アイスとして冬でも楽しめます。加えて、電子レンジやグリルで加熱したさつまいもを保存するときは、キッチンペーパーなどで丁寧に水気をふき取って保存袋に入れます。

新鮮&おいしいさつまいもの見分け方

新鮮&おいしいさつまいもの見分け方

市販のさつまいもはサイズも形もさまざまで、甘味や食感は品種によっても大きく変わります。

近年では全体的に小ぶりで茶褐色をした甘味の強い安納芋(あんのういも)などが人気ですが、一般的に思い浮かぶのはベニアズマや鳴門金時といった赤紫のさつまいもではないでしょうか。
こうした一般的なさつまいもを選ぶときのポイントは、まず表皮の色が濃く、ツヤがあること、そして発芽していないことです。次に、表面のくぼみが浅く、レモンのような紡錘形(ぼうすいけい)をしていることです。程よい太さで、手に持ったときズッシリとした重みを感じるものを選びましょう。また、両端に黒い汚れのような飴色の蜜が付いていたら、おいしいさつまいもであるサインです。

反対に、避けた方がよいさつまいもにも特徴があります。表皮に黒い斑点があるものやくぼみが深いもの、芽が出ているものは味が落ちている可能性が高いといえるでしょう。

まとめ

さつまいもは、長期保存に適した秋の味覚の代表です。常温、冷蔵、冷凍それぞれの正しい保存方法を知っていれば、常においしい状態で食することができます。また、新鮮なさつまいもの目利きができれば、同じ保存方法でも鮮度が長持ちします。適した保存方法を駆使して、おいしく食べましょう。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。