ごぼうに含まれる糖質・カロリーはどれくらい?食物繊維など主な栄養素と効能、ほかの根菜とも比較

ごぼうに含まれる糖質・カロリーは野菜の中では多い部類に入りますが、現代人に不足しがちな食物繊維が豊富です。この記事では、ごぼうの糖質・カロリーをはじめ、ごぼうが含む栄養素とその効能を詳しく解説します。ほかの根菜(にんじん、大根など)とも比較するので根菜の糖質・カロリーや栄養が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

ごぼうに含まれる糖質・カロリーはどれくらい?食物繊維など主な栄養素と効能、ほかの根菜とも比較

ごぼうの糖質量はどのくらい?

ごぼうの糖質量はどのくらい?

きんぴらごぼうのような馴染み深い家庭料理から、お節料理の重箱を彩るハレの日の縁起物まで、ごぼうは和食メニューに欠かすことのできない食材のひとつです。

ごぼうの旬は晩秋から冬にかけてですが、夏には新ごぼう(夏ごぼう)と呼ばれる若取りのものも出回るなど、1年間を通してさまざまな料理に使われています。低カロリーでヘルシーな印象が強いごぼうですが、実際はどうなのでしょうか。

■ごぼう100g中の糖質量

・生:9.7g
・ゆで:7.6g

意外なことに、生のごぼう(可食部)100g中に含まれる糖質は9.7gあり、約180gのMサイズ1本あたりの糖質を換算すると17.5gにもなります。

茹でた場合は100g中7.6gとやや減るものの、野菜全般の中では糖質が多い部類に入るといえるでしょう。特に糖質の摂り過ぎが気になっている方は、食べすぎることのないよう注意しましょう。
ちなみにここで紹介した糖質量は、文部科学省が発表している「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」を参考に、炭水化物量から食物繊維量を引いて計算しています。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

ごぼうに含まれるカロリー

ごぼうに含まれるカロリー

■ごぼう100g中のカロリー

・生:65kcal
・ゆで:58kcal

ごぼうのカロリーは100gあたり65kcalで、茹でた場合は58kcalになります。Mサイズ1本あたりでは約117kcalと、こちらも野菜の中ではそれほど低いほうではありません。

和食おかずの定番である「きんぴらごぼう」は1人前約58kcalでごぼうは約30g含まれています。量や調味料をコントロールすることでヘルシーな副菜メニューとなります。七味唐辛子やお酢を加えてアクセントにすることで、少量でも満足感が得られるように工夫するのもよいでしょう。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

ごぼうの栄養と効能効果

ごぼうの栄養と効能効果

食物繊維

カロリーや糖質はやや高めのごぼうですが、現代人に不足しがちな食物繊維が100g中5.7gとずば抜けて豊富です。しかも、他の野菜に比べて、ごぼうは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれています。不溶性食物繊維は水分を吸収し便のカサを増やして腸の働きを刺激してくれるため排便をスムーズにしてくれます。水溶性食物繊維は糖質の吸収を緩やかにしてくれるため血糖値の上昇を抑えてくれる効果があります。

調理する際には、β-カロテンが多いにんじんやビタミン豊富なブロッコリーなどの緑黄色野菜と併せることで栄養バランスがよくなり、ゴマでカルシウムとビタミンEを補えばさらに理想的です。

ポリフェノール

ごぼうはアク(灰汁)の強い野菜なので、切り口が変色しやすいという特徴があり、切ったそばから水に浸けるとアクが出て水が真っ黒になります。一般的に食品から出るアクはくさみ成分やえぐ味の総称とされ、料理の味を落とすといわれていますが、ごぼうのアクの正体は強い抗酸化作用で知られるポリフェノールです。ポリフェノールのもつ抗酸化作用は免疫機能の低下や老化を引き起こす活性酸素を取り除く効果があります。

このごぼうのポリフェノールは特に皮の部分に多く含まれていますので、アクを抜きすぎると独特の風味を損なうだけでなく、せっかくの有効成分が流れ出してしまうので注意しましょう。

表面の泥を水洗いしたあとはピーラーなどできれいに皮を剥くのではなく、たわしや包丁の背を使って表面の汚れを落としつつ、軽くこそげるようにして皮の部分を残します。水に浸ける時間は30秒ほどにとどめましょう。ザルに広げて熱湯をかけるだけでも十分にアク抜きの効果があります。また、酢水を使えば白くきれいに仕上がります。

カリウム

ごぼうはカリウムも豊富に含まれています。カリウムはナトリウムとのバランスをとっているため塩分をとりすぎてしまったときナトリウムの排泄を促してむくみや血圧の上昇を防いてくれる効果があります。しかし、カリウムは水に溶けやすいため茹でると溶け出てしまいます。鍋やスープなど汁も一緒にとれる料理ですと溶けだした栄養もしっかり摂ることができます。

他の野菜と糖質・カロリーを比較

他の野菜と糖質・カロリーを比較

ごぼうのカロリーと糖質の量を、にんじん、大根、じゃがいも、レンコンなどの他の根菜(いずれも生、可食部)と比較してみましょう。以下はそれぞれ左が糖質量、右がカロリーです。

■100g中の糖質量、カロリー

・ごぼう(根、生):糖質9.7g、カロリー65kcal
・にんじん(皮むき、生):糖質6.3g、カロリー36kcal
・大根(皮むき、生):糖質2.8g、カロリー18kcal
・じゃがいも(塊茎、生):糖質16.3g、カロリー76kcal
・れんこん(根茎、生):糖質13.5g、カロリー66kcal

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

他の野菜と食物繊維量を比較

サラダで食べてもほのかに甘みを感じるにんじんや大根ですが、糖質、カロリーともにごぼうよりも低いのが特徴です。レンコンは根菜類の中では芋類に近い高糖質・高カロリーとなっています。

ごぼうは食物繊維が豊富といわれています。ほかの野菜に比べてどれほど含まれているのでしょうか。上記の根菜と比較してみましょう。

■100g中の食物繊維量

・ごぼう(根、生):5.7g
・にんじん(皮むき、生):2.7g
・大根(皮むき、生):1.4g
・じゃがいも(塊茎、生):1.3g
・れんこんレンコン(根茎、生):2.0g

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

どの根菜と比較しても圧倒的に多いことがわかります。食物繊維の摂取量は不足しがちでもあるのでごぼうをうまくとりいれていけると良いですね。

(参照元:http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/11/30/1365343_1-0206r8_1.pdf

まとめ

ごぼうは現代人に不足しがちな食物繊維やビタミン・ミネラルを多く含む根菜類です。野菜の中では糖質、カロリーとも低くありませんので、調理法や量を工夫しましょう。黒く変色するアクの正体はポリフェノールで、皮に多く含まれます。皮はすべて取り除かず、軽く水に晒すだけで済ませると、より多くの栄養を体に取り込めるでしょう。

プロフィール

監修者:遠藤 莉菜

監修者:遠藤 莉菜

管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。化粧品会社に入社し、エステの施術や化粧品・サプリメントの販売を行うが、管理栄養士の資格を活かすため転職。現在は特別養護老人ホームの管理栄養士として高齢者の食事管理を行っている。
また、日本栄養士会認定栄養ケアステーションにも在籍し、休日などは時間を作り地域の栄養相談や栄養セミナーなどさまざまな栄養活動のサポートを行っている。