【管理栄養士監修】梨1個の糖質とカロリーは?缶詰の場合はどう違う?

梨はみずみずしい食感と爽やかな甘さで幅広い年齢層に好まれる果物です。店頭には色も大きさもさまざまな品種の梨が並んでいますが、いったいどれほどの種類があるかご存じでしょうか。ここではそれぞれの梨の特徴をはじめ、気になる栄養価や糖質、カロリーについてご紹介します。

【管理栄養士監修】梨1個の糖質とカロリーは?缶詰の場合はどう違う?

梨にはどんな種類や特徴がある?

梨にはどんな種類や特徴がある?

梨は8月から9月にかけて旬を迎える初秋の果物です。沖縄を除く日本のほぼ全域でいろいろな種類の梨が栽培されており、品種によって収穫時期が異なるため、長い間楽しむことができます。

日本国内で生産されている梨には、和梨、中国梨、洋梨の3種類があり、さらに和梨は赤梨と青梨の2タイプがあります。

和梨のうち、現在主流となっているのは「幸水」や「新高梨」、「豊水」のように表皮が黄褐色をした赤梨で、甘みが強いのが特徴です。反対に、歴史ある品種ですがこの頃は見る機会が少なくなった「二十世紀梨」は、さっぱりとした甘さとほのかな酸味が特徴の青梨に属します。

とろけるような食味の果肉と芳醇な香りが人気の洋梨では、ラ・フランスの品種がよく知られています。和梨とは異なり、収穫してからも追熟が進んで甘みが増すのが特徴で、収穫から2週間~1ヶ月で食べ頃になります。

種類別!梨100g中の糖質量はどのくらい?

それぞれの種類別に梨100g中の糖質量を比較してみると以下のようになります。合わせて、梨1個分の糖質量もご紹介しているので食べる時の参考にしてみてください。

■梨100g中の糖質量
・日本梨(生):10.4g
・日本梨(缶詰):18.4g
・中国梨(生):11.3g
・西洋梨(生):12.5g
・西洋梨(缶詰):19.7g

■梨1個分(可食部300g)の糖質量
・日本梨(生):31.2g

中サイズの日本梨(和梨)1個あたり(可食部300g)の糖質は31.2gで、100gあたりに換算すると10.4gになります。砂糖を使った缶詰の場合は100g中18.4gと高めです。西洋梨(洋梨)に含まれる糖質量は和梨に比べて全体的に高めになります。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

種類別の梨のカロリー

種類別の梨のカロリー

次に、梨の種類別にカロリーを比べてみましょう。
それぞれの種類別に梨100g中のカロリーを比較してみると以下のようになります。

■梨100g中のカロリー
・日本梨(生):43kcal
・日本梨(缶詰):78kcal
・中国梨(生):47kcal
・西洋梨(生):54kcal
・西洋梨(缶詰):85kcal

■梨1個分(可食部300g)のカロリー
・日本なし(生):129kcal

中サイズの日本梨(和梨)1個(可食部300g)のカロリーは約130kcal、100gあたりでは43kcalになります。4分の1にカットしたくし切り1切れが100g以内の目安となります。また、缶詰になると2倍近くのカロリーになるため注意が必要です。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

梨にはどんな栄養がある?

梨にはどんな栄養がある?

ここで、梨に含まれる栄養素とその効能について解説します。


カリウム

カリウムには利尿作用があり、体内の余分な水分や塩分を体外に排出する作用があるといわれています。外食などで塩分を摂り過ぎた時には積極的に取り入れたい栄養素です。梨にもカリウムが含まれ、むくみが気になる方などによく食されています。

食物繊維

食物繊維は、腸を刺激して排便を促すほか、体にたまった有害物質を便として排出する働きもあります。また、腸内の善玉菌を増やす効果も期待されます。

ポリフェノール

ポリフェノールには体の錆びつきを防ぐ抗酸化作用があるため、動脈硬化予防に役立つとされています。若々しさや健康を保つために重要な成分です。

ソルビトール

ソルビトールは果糖の一種で、整腸作用があるとされています。一度にたくさんの量を摂取した場合、下痢を起こしやすいのでくれぐれも注意しましょう。一般的な糖類よりも血糖値の上昇が緩やかな特徴もあります。

タンニン

タンニンとはポリフェノールの一種です。活性酵素を除去する抗酸化作用があるといわれ、エイジングケアをサポートしてくれます。

また、アルコールから分解されてできる「アセトアルデヒド」と結びつきやすく、二日酔いの緩和にもよいと考えられています。

ペントザン(石細胞)

シャリシャリとした独特の食感のもとで、皮だけでなく果肉にも多く含まれています。食物繊維と同じような働きをし、腸の働きをサポートしてくれます。

このようにさまざまな栄養素が含まれていますが、梨の成分の多くは水分で、他の果物のようなビタミンやミネラルといった栄養分は多くありません。果肉は整腸作用があるとされる食物繊維の他、活性酸素の発生やその働きを抑制するとされるポリフェノールやタンニンを含みます。

他の果実類と糖質量・カロリーを比較

他の果実類と糖質量・カロリーを比較

梨の代表である和梨100g中に含まれる糖質とカロリーについて、りんご、ぶどう、桃、栗などの果物と比較してみましょう。以下はそれぞれ左が糖質量、右がカロリーです。

■100g中の糖質・カロリー
・日本梨(生):糖質10.4g、カロリー43kcal
・りんご(皮むき、生):糖質14.1g、カロリー57kcal
・ぶどう(生):糖質15.2g、カロリー、59kcal
・もも(生):糖質8.9g、カロリー40kcal
・日本ぐり(生):糖質32.7g、カロリー164kcal

形状や食感が梨とよく似ているりんごは梨よりも糖質・カロリーともに値が高いことが分かります。同じ秋の味覚であるぶどうは、さらに糖質が多くなっています。

甘みを感じやすい桃は一般的に糖質・カロリーともに値が高いと思われがちですが、意外なことにどちらも梨の値を下回っています。栗は100g中のカロリーが164kcalと高めで、糖質にいたっては全食品の中でも特に高い32.7gです。森の生き物が冬眠のために栗を食べて脂肪を蓄えるというのも頷けます。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」)

まとめ

梨には和梨、中国梨、洋梨の3種類があり、和梨は「二十世紀」に代表される青梨と、いま主流になっている「幸水」などの赤梨の2タイプに分けられます。和梨は一般的な果物に比べるとカロリー、糖質量ともに低めなので、ダイエット中や糖質制限中の方などでも比較的手にとりやすい果物だといえるでしょう。ただし、洋梨や缶詰ではカロリーや糖質が高めになるため、選ぶときには注意が必要です。成分のほとんどが水分のため、さっぱりとした口当たりで水分補給にも適しています。食物繊維やカリウム、ポリフェノールなどさまざまな栄養成分も含まれているので、健康や美容をサポートしてくれるでしょう。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。