【管理栄養士監修】パイナップルに含まれる糖質・カロリー・栄養を解説!ダイエットに適した食べ方も
甘くておいしいパイナップル。カットパインやジュースなど、よく購入している人も多いのではないでしょうか。 この記事では、パイナップルの糖質量・カロリーをご紹介しています。また、パイナップルに含まれる栄養素やその効果の解説、他の果物との比較も行っていますので、パイナップルの栄養面に興味のある人はぜひ参考にしてみてください。
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パイナップルの糖質

パイナップルはブラジルが原産とされる果物で、熱帯から亜熱帯の暖かい地域で育つトロピカルフルーツの一種です。カットしてフレッシュフルーツとして食べられるのはもちろん、ジュースや缶詰、砂糖漬けなどとしても食べられています。
パイナップルの糖質量はいったいどのぐらいあるのでしょうか?文部科学省が提供している「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によると、パイナップル100g中の糖質量は以下の通りとなっています。
■パイナップル100g中の糖質量
・パイナップル(生):11.9g
・ストレートジュース:11.0g
・濃縮還元ジュース:11.1g
・缶詰:19.8g
・砂糖漬け:85.5g
生のパイナップルとジュースの糖質量は11~12gです。缶詰にした場合の糖質量は20g程度で、生やジュースの場合と比べて2倍近くに増えます。砂糖漬けにした場合の糖質量は、製造過程で砂糖が追加される分、8倍近くになっています。
ちなみにパイナップル100gの量の目安は、スーパーでよく売られている一人分のカットパインが約210gなので、その半分程度です。糖質制限などを行っている人は、加工方法にもよりますが、とくに砂糖漬けのパイナップルの食べ過ぎには注意しましょう。
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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パイナップルのカロリー

続いて、加工方法の種類別にパイナップル100g中のカロリーをご紹介します。
■パイナップル100g中のカロリー
・パイナップル(生):51kcal
・ストレートジュース:41kcal
・濃縮還元ジュース:41kcal
・缶詰:84kcal
・砂糖漬け:351kcal
糖質量と同様、生やジュースの場合のカロリーはあまり高くはなく、砂糖漬けにした場合のカロリーが高いことがわかります。生のパイナップルと比較すると、砂糖漬けにした場合のカロリーは約7倍です。
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
パイナップルの栄養価と効能

次は、パイナップルに含まれる栄養価とその効能について確認してみましょう。パイナップルに含まれる特徴的な栄養素は、ビタミンB1・ビタミンC・食物繊維・ブロメライン(ブロメリン)などです。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えてくれる栄養です。エネルギーが不足していると疲労回復が遅く疲れやすくなります。
ビタミンB1は新陳代謝を促し、疲労回復に効果があるとされる栄養素です。激しい運動を行うときはビタミンB1もしっかりと摂って糖質を効率よくエネルギーに変えることでエネルギー不足を防ぎその後の疲労回復も素早くできるでしょう。
ビタミンC
ビタミンCは「抗酸化ビタミン」とも呼ばれるビタミンです。動脈硬化などの生活習慣病の原因や老化の原因となる活性酸素の働きを抑えてくれる効果が期待できます。
また、皮膚の健康を維持してくれるため日焼けの防止やシミの原因となるメラニンの生成を抑えてくれる効果があります。
食物繊維
食物繊維には、整腸作用、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール値を低くする働きなどがあるとされる栄養素です。
水溶性食物繊維は腸で水分を吸収して排泄を促したり、コレステロールの吸収を抑えてくれる効果があり、不溶性食物繊維は腸内に残った不要なものを吸着し排泄を促してくれる効果があります。
パイナップルには特に不溶性食物繊維が豊富でリンゴの約1.5倍含まれています。日本人に不足しがちな栄養素で、とくに便秘気味の人は積極的に摂取した方がよいといわれています。
プロメライン(ブロメリン)
ブロメライン(ブロメリン)は、たんぱく質を分解する酵素です。パイナップルを食べると口の中や舌の粘膜に刺激を感じるのはこの酵素のためです。胃液の分泌を活発にてくれるので消化を促してくれます。また、肉料理との相性がよく肉料理の下ごしらえにも利用でき、カットしたパイナップルをお肉の上に乗せたり、果汁をふりかけたりすることで肉を柔らかくする効果があります。
他のトロピカルフルーツとパイナップルを比較

最後に、パイナップルとその他の代表的なトロピカルフルーツの糖質量・カロリーを比較します。以下はライチ、バナナ、マンゴー、ドラゴンフルーツの100g中に含まれる糖質量とカロリーです。左側が糖質量、右側がカロリーとなっています。
■果物100g中の糖質量・カロリー
・パイナップル(生):11.9g、51kcal
・ライチ(生):15.5g、63kcal
・バナナ(生):21.4g、86kcal
・マンゴー(生):15.6g、64kcal
・ドラゴンフルーツ(生):9.9g、50kcal
上記から、パイナップルはトロピカルフルーツのなかで、ドラゴンフルーツに続く低糖質・低カロリーの果物であることがわかります。逆にバナナは、糖質量・カロリーともに他の果物より高いです。
果物に含まれる栄養価は、それぞれに異なります。糖質・カロリーの摂り過ぎに気をつけ、自分に必要な栄養価を考えてバランスよく摂取できるとよいでしょう。また、パイナップルはジュースにしても糖質量・カロリーが高くならないので、手軽にパイナップルを摂取したいときにはジュースがおすすめです。
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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ダイエットに適したパイナップルの食べ方
たんぱく質分解酵素であるプロメラインは胃液の分泌を促進してくれるため、食前にパイナップルを食べることでお肉などのたんぱく質の消化を効率良く促してくれるでしょう。
パイナップルに含まれる豊富な食物繊維によって便通もスムーズになることが期待されます。
また、プロメラインは熱に弱いため加熱処理を行っている缶詰ではプロメラインの効果はなくなってしまいます。生のパイナップルを食べることが効果的です。
まとめ
この記事では、パイナップルに含まれる糖質量・カロリーを、ジュースや缶詰、砂糖漬けなど加工方法の種類別に紹介しました。パイナップルは他のトロピカルフルーツと比べて、低糖質・低カロリーな果物です。また、疲労回復を促し、整腸作用があるといわれている栄養素を多く含みます。普段食べていないという人は、ぜひ積極的に摂取してみてください。
プロフィール

監修者:遠藤 莉菜
管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。化粧品会社に入社し、エステの施術や化粧品・サプリメントの販売を行うが、管理栄養士の資格を活かすため転職。現在は特別養護老人ホームの管理栄養士として高齢者の食事管理を行っている。
また、日本栄養士会認定栄養ケアステーションにも在籍し、休日などは時間を作り地域の栄養相談や栄養セミナーなどさまざまな栄養活動のサポートを行っている。