【料理研究家・管理栄養士監修】オクラは生食すると栄養効果が抜群!

茹でて和え物やおひたしにするイメージの強いオクラ。実は、生でも食べられることをご存知でしょうか?この記事では、生で食べる場合の食べ方や茹でた場合との違いをご紹介します。オクラの生食について興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

【料理研究家・管理栄養士監修】オクラは生食すると栄養効果が抜群!

生食できるオクラの種類

生食できるオクラの種類

茹でて食べるイメージの強いオクラですが、やわらかいものなら生で食べることができます。オクラの種類や生食をする際のカット方法や調理方法をご紹介します。

オクラ

一般的に出回っている「五角種」と呼ばれるものです。さやに5本の筋が入っているので、カットすると断面が星形のような五角形になります。夏が旬ですが、旬のはしりである6~7月に出回るものが特に果肉がやわらかく、青臭さも少なく、生でも食べやすい特徴があります。

赤オクラ(紅オクラ)

さやの表面が紅色~赤紫色のオクラです。この赤色は、ブルーベリーなどによく含まれるアントシアニンによるもので、茹でると色と共に栄養素も溶け出してしまうため、生で食べるのがおすすめです。ただし食感は少し硬めなので、表面の産毛を落とし、細かく刻んだり、薄くスライスしたりして食べることをおすすめします。

丸オクラ

通常のオクラと違い、さやに筋がないため丸オクラと呼ばれています。沖縄県産の「島オクラ」や、八丈島産の「八丈オクラ」が有名です。筋張っていないため大きくなっても硬くなりにくく、生でも十分おいしくいただけます。よりやわらかい食感を楽しみたいなら、大きくなりすぎていないものを選びましょう。

白オクラ(サラダオクラ)

通常のオクラと比べ、さやの色が白っぽい淡緑色をしたオクラです。果肉がやわらかく、アクも少ないため生食に適しており、サラダオクラとも呼ばれます。粘り気は通常のものより強いので、ネバネバした食感を楽しみたいときにもおすすめです。スライスしてサラダに入れるほか、おひたしにも向いています。

ミニオクラ

大きくなる前に収穫した、長さ2~4cmのオクラの幼果です。色・味わい・粘り気は成長したものとほとんど変わりません。オクラはガクの部分が硬いため一般的には廃棄してしまいますが、ミニオクラはガクもやわらかいため、丸ごと食べることができます。業務用として販売されることが多く、一般のスーパーではあまり見かけませんが、もし入手できればぜひ生で食べてみましょう。サラダや和え物にして楽しめます。

花オクラ

花オクラとは、オクラと同じアオイ科のトロロアオイで、特に花が大きく、花びらを食用として利用する品種です。花びらをサラダのトッピングにしたり、生のまま刻んでポン酢などをかけて食べることができます。刻むとオクラと同じように粘り気があります。一方で、花オクラの実は食用に適しません。

オクラの栄養価と効能

オクラの栄養価と効能

オクラにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?ここでは、オクラに含まれる栄養素や効能をご紹介します。また、生のものと茹でたものの違いもみていきましょう。

・ペクチン
ペクチンは、オクラのネバネバのもとになる食物繊維のひとつです。腸内環境を整えて、便通を促す効果があるといわれています。また、摂取すると小腸内の液体の粘度が高くなるため、消化酵素や食品由来の成分が拡散しにくくなります。その結果、小腸からの吸収を緩やかにしてくれるため、食後血糖値の急な上昇を抑えてくれます。

・β-カロテン
β-カロテンは、人間の体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは抗酸化力が強く、体内の活性酸素を抑えてくれるので老化の予防になります。また、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きがあり、免疫力を高める働きもあります。

・カリウム
カリウムはミネラルの一種で、ナトリウムを排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを調節してくれます。

生食と茹でた場合の違い

オクラの生食はあまりなじみがないかもしれません。オクラを生で食べることでどんな効果があるのでしょうか。

先述したとおり、オクラに含まれるペクチンには糖質の吸収を緩やかにする効果があるといわれています。糖の吸収にはオクラの粘り気が重要です。オクラを生で刻み、水を加えてよくかき混ぜるとより粘りを引き出すことができます。最近血糖値が気になっているという方は試してみてもよいかもしれません。
( 参照元:http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20160727/index.html

またオクラは茹でるよりも生食の方が栄養を効率的に摂取することができます。ペクチンをはじめ、オクラに含まれる一部の栄養素は熱に弱いので、生で食べた方が栄養を摂取できます。
とはいえ、オクラの生食の仕方がわからないという方も多いことでしょう。そこで生のオクラの食べ方をご紹介します。

生食用オクラの下ごしらえと食べ方

生食用オクラの下ごしらえと食べ方

オクラを生で食べるときは、下ごしらえが大切です。下ごしらえを行うと、見た目も口当たりもよくなります。

生食用オクラの下ごしらえの方法

生食用のオクラの下ごしらえは以下のとおりです。

1. オクラのヘタの先端を切り落とし、ガクと呼ばれるヘタの周りの硬い部分をぐるりと一周剥きます。
2. 塩をまぶしてこすり、産毛を取ります。水洗いしたら、下ごしらえ終了です。

生食用オクラの食べ方

下ごしらえを終えたら、粗みじん切りにして薬味やサラダのトッピングに加えたり、昆布と一緒にポン酢で和えたり、小口切りにして納豆に入れたりしてもおいしく食べられます。
食感や青臭さが気になる場合は、ほかの具材と一緒に混ぜ合わせて食べるのがおすすめです。例えば、オクラをバナナやヨーグルト、レモン汁と一緒にミキサーにかけ、スムージーにすればそれほど青臭さが気になりません。ぜひいろいろと試してみましょう。

まとめ

オクラの生食に関する情報をご紹介しました。オクラを生で食べると、糖の吸収を緩やかにしたり栄養を効率的に摂取できたりするなどのメリットがあります。生食には一般的なオクラをはじめ、丸オクラや白オクラ、花オクラなどが向いています。特に旬のはしりの6~7月に出回るものは、やわらかいものが多く、青臭さを感じることも少ないため、生食におすすめです。

プロフィール

監修者:貞本 紘子

監修者:貞本 紘子

料理家。食育アドバイザー、幼児食アドバイザー。
岐阜県にて家庭料理、パン、ケーキの教室「colette」を主宰。
少人数制、初心者にも分かりやすく丁寧な指導で生徒数は6年間で述べ5500人。
「おうちご飯をもっと楽しく!」をモットーに活動中。