【管理栄養士監修】柿1個の糖質とカロリー、栄養は?他の果物と比べてどう違う?

柿はそのまま食べるのはもちろん、干し柿やジュースにしてもおいしい秋の味覚の代表です。甘くとろけるような食感が魅力の柿ですが、1個あたりの糖質やカロリーはどのくらいかご存知ですか?この記事では、柿の糖質やカロリー、栄養素について解説するとともに、他の果物の糖質・カロリーと比べた結果をご紹介していきます。

【管理栄養士監修】柿1個の糖質とカロリー、栄養は?他の果物と比べてどう違う?

柿100g中の糖質量

柿100g中の糖質量

柿100gあたりの糖質量を見てみましょう。

■柿100g中の糖質量

・甘柿(生):14.3g
・干し柿:57.3g

■柿1個分(200g中)の糖質量

・甘柿(生):28.6g

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

柿(生の甘柿)100gあたりの糖質は14.3gです。柿1個の重さは200g程度なので、柿1個分の糖質は28.6gとなります。
しかし、干し柿になると結果が大きく変わります。干し柿100gあたりの糖質は57.3gで、生の甘柿の約4倍にも跳ね上がります。これは干し柿は水分が抜けて乾燥している分、生の甘柿よりも糖質量が多くなるからです。糖質の摂り過ぎは血糖値を急上昇させ、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高めるため、干し柿は食べすぎないようにしましょう。


柿100g中のカロリー

柿100g中のカロリー

次は柿100gあたりのカロリーを見てみましょう。

■柿100g中のカロリー

・甘柿(生):60kcal
・干し柿:276kcal

■柿1個分(200g中)のカロリー

・甘柿(生):120kcal

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

生の甘柿100gのカロリーは60kcalなので、柿1個分(200g)に換算すると120kcalです。

では、干し柿のカロリーはどうでしょうか。干し柿100gあたりのカロリーは276kcalとなり、生の甘柿の約4個分のカロリーに相当します。



柿の栄養と効能

柿の栄養と効能

「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、柿にはさまざまな栄養素が含まれています。

β‐カロテン(ビタミンA)

β-カロテンには抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑え、取り除く働きが期待されます。

また、必要に応じて体内にビタミン A に変化します。皮膚や粘膜の健康をサポートする働きがあることから、健やかな肌を保ちたい方におすすめの栄養素と言えるでしょう。

ビタミンC

柿に含まれる栄養素として最も注目すべきなのは「ビタミンC」です。意外に思うかもしれませんが、ビタミンCの含有量は果物の中でトップクラスです。柿100gあたりに含まれるビタミンC は70mgですが、これはキウイ(69mg)、みかん(35mg)、グレープフルーツ(36mg)よりも多い数値です。日本人の食事摂取基準(2020年版)によるとビタミンCの推奨量は成人で1日100mgとされています。つまり、柿半個〜1個で1日分のビタミンCが摂取できる計算になります。

また、ビタミンCは美容効果が高く、シミやソバカスの原因となるメラニン色素の沈着を防いでくれる働きがあるとされ、白く若々しい肌を保つ効果が期待できます。免疫力を高める効果もあると言われ、風邪をひきにくい丈夫な身体をつくるサポートもしてくれます。


出典元:「厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)」

カリウム

カリウムには利尿作用があります。ミネラルの一種であり、むくみの解消や血圧の安定に効果があるとされています。

食物繊維

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類に大きく分けられます。なかでも柿には水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やす働きがあるとされる不溶性食物繊維が多く含まれています。生の甘柿であれば、100gあたり食物繊維は1.6g中、1.4gが不溶性の食物繊維です。近年、食物繊維は不足がちと言われているため、生活習慣病予防の観点からも押さえておきたい栄養素です。

ペクチン

ペクチンには水溶性と不溶性の2つの種類があり、成熟した柿には水溶性の食物繊維が含まれていると言われています。また、水溶性食物繊維は、健康維持にも役立つことで注目されており、血中コレステロール値を下げたり、食後の急な血糖値の上昇を防いだりする働きが期待されます。

タンニン

タンニンとはポリフェノールの一種で、柿特有の渋みの元となる成分でもあります。タンニンには強い抗酸化作用があるので、老化予防や動脈硬化を予防する効果があると言われています。
また、タンニンは二日酔いのもとになるアセトアルデヒドと結合して体外へ排出してくれるため、二日酔いの予防や症状改善にもよいとされています。

他の果物と糖質・カロリーを比較

他の果物と糖質・カロリーを比較

柿の糖質やカロリーを、他の果物と比べてみましょう。すでにご紹介したように、生の柿100gの糖質は14.3g、カロリーは60kcalです。

りんご

りんご100gあたりの糖質は14.1g、カロリーは57kcalです。柿とりんごを比較すると、どちらもほぼ同じ糖質・カロリーであることがわかります。

ぶどう

ぶどう100gあたりの糖質は15.2g、カロリーは59kcalです。こちらもりんごと同様に、どちらも柿とほぼ同じ糖質・カロリーです。

いちご

いちご100gあたりの糖質は7.1g、カロリーは34kcalです。柿といちごを比較すると、柿の糖質・カロリーはいちごのおよそ2倍です。いちごは約90%が水分で構成されていることもあり、糖質・カロリーともに比較的低い果物です。

キウイ

キウイ100gあたりの糖質は11.0g、カロリーは53kcalです。柿とキウイでは、柿の糖質・カロリーの方がキウイよりもやや多いことがわかります。

バナナ

バナナ100gあたりの糖質は21.4g、カロリーは86kcalです。バナナは果物の中でも糖質・カロリーが高い果物です。そのため、柿と比較してもバナナの方が糖質・カロリーともにかなり高くなります。

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

まとめ

糖質・カロリーともに、柿は果物の中では標準的な数値です。柿は美容と健康によい栄養素をたっぷりと含んでいるため、柿が出回る時期は食事に取り入れてみてください。しかし、食べすぎは糖質の過剰摂取にもつながるので気をつけましょう。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。