【管理栄養士監修】パスタの糖質量・カロリーはどれくらい?他の麺類と比較して高い?
ダイエット中や糖質制限中に、炭水化物のパスタを食べることに抵抗がある人も多いのではないでしょうか。この記事では、パスタの糖質量やカロリー、他の炭水化物食品と比べて、パスタがダイエットに向いている理由を解説します。さらに、糖質・カロリーを減らして、おいしく食べる方法などもご紹介します。
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目次
パスタの糖質量はどのくらい?

ダイエット中に、炭水化物のパスタを食べると太ってしまうと思う人も多いかもしれません。しかし、実はパスタは白米やパンなどよりもダイエットに取り入れやすい食材と言われているのです。
まずは、パスタの糖質量を見てみましょう。文部科学省が発表している「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によると、パスタ、白米、食パンの100g中の糖質量は以下のようになっています。(糖質量は炭水化物の値から食物繊維の値を引いて算出。)
■100g中の糖質量
・パスタ(ゆで):29.2g
・白米(水稲めし・精白米・うるち米):35.6g
・食パン:42.2g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
他の炭水化物と比べてみると、パスタの糖質量は少なめであることがわかります。ただし、パスタは1人前が約200g、ご飯は茶碗1杯が約150g、食パンは4つ切り1枚が約100gと、食べる量に違いがありますので、単純に比較はできません。
【管理栄養士監修】食パンの糖質とカロリーはやっぱり高い?他のパン類と比べてどう違う?毎朝の食事としてすっかり定着した食パンですが、時間がない朝でもサッと食べられるお手軽さが、うれしいポイントです。しかし、毎朝の主食なだけあって、糖質やカロリーが気になる方も多いのではないでしょうか。当記事では、他のパン類と比較しながら、食パンの糖質量とカロリーについてご紹介します。
パスタが他の炭水化物に比べて太りにくい理由
ちなみに、パスタは「太りにくい」といわれています。それは、食後の血糖値の上昇を示すGI値が低いからです。GI値は低いほど、血糖値の上昇がゆるやかであることを示し、空腹感を満たし食べ過ぎを抑制する効果があるという研究があります。すなわち、ダイエットに向いている、ということです。
GI値が低い理由は、パスタの原材料である「デュラムセモリナ粉」という小麦粉にあります。デュラムセモリナ粉は粒子が粗く硬いため、ゆっくりと消化吸収されます。食べても急激に血糖値が上がることがないため、他の炭水化物と比べて太りにくいと言われているのです。
さらに、パスタを調理する際にトマト系のソースを使えば、トマト自体のGI値も低いので、ダイエット中でも安心して食べることができます。
また、大切な視点として、デュラムセモリナ粉はダイエット中に足りなくなりがちな栄養素である食物繊維、タンパク質、ビタミンB2、カルシウム、鉄分などを豊富に含んでいます。そのため、ダイエット中に選ぶのであれば、栄養豊富で太りにくい食材のパスタも忘れずに取り入れるとよいでしょう。
パスタのカロリーはどのくらい?

ダイエットを考えるなら糖質だけでなく、カロリーも把握しておきましょう。パスタ、白米、食パンの100g中のカロリーは以下のとおりです。
■100g中のカロリー
・パスタ(ゆで):167kcal
・白米(水稲めし・精白米・うるち米):168kcal
・食パン:264kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
パスタのカロリーは白米とは同程度ですが、食パンよりは100kcalほど低くなっています。
ただし、パスタはそれだけで食べるものではなく、パスタソースとからめて食べるため、どうしても高カロリーになりがちです。そのため、パスタソースを低カロリーのものにする、食べる量を少し減らすなど、工夫をするとよいでしょう。
低糖質・低カロリーにパスタを食べるためには?

たとえダイエット中でも糖質制限中でも食事はおいしく、しっかりと食べたいものです。パスタをさらに低糖質、そして低カロリーに食べるにはどのようにすればいいのでしょうか。
パスタを糖質オフのものに変える
近年では、さまざまな糖質オフのパスタが販売されています。表皮や胚芽、胚乳などをそのまま使っている「全粒粉パスタ」や、こんにゃくが練りこんである「こんにゃくパスタ」など、さまざまな商品があります。中には、糖質ゼロのものもあるので、糖質が気になる方は食べてみるとよいでしょう。パッケージにある「糖質オフ」「低糖質」「糖質0」「糖質ゼロ」の文字を目印に、お店で探してみてください。
低糖質パスタがあまりおいしくないと感じることもあるかもしれません。そんなときは、料理の際にひと工夫してみましょう。全粒粉のパスタはボソボソとした食感になりがちですが、たっぷりのお湯で、アルデンテより少し長く茹でることでそれを防げます。また、パスタソースにゆで汁を混ぜることでもボソボソ感を防ぐことができます。また、こんにゃくパスタの場合は炒めるなどをして、水分を飛ばすことで水っぽさがなくなり、おいしく食べられます。
パスタソースを工夫する
クリーム系やチーズ系のソースは濃厚な味わいでおいしい反面、どうしてもカロリーが高くなりがちです。そのため、ソースはトマト系のものか、オイルベースのものを選ぶのがおすすめです。自宅でパスタを調理する際は、トマトをそのまま使ってソースを手作りするのもいいでしょう。
バランスよく食べる
パスタだけという食事ではなく、サラダやスープと一緒に食べるなど、食事のバランスをとることも重要です。他の料理と組み合わせることで、パスタの量自体も減らすことができ、栄養のバランスも整います。
他の麺類とパスタの糖質量・カロリーを比較

他の麺類と比べて、パスタの糖質量やカロリーはどのようになっているのか見てみましょう。麺類(ゆで)100g中の糖質量とカロリーは以下のようになっています。
■100g中の糖質量・カロリー
・パスタ:30.3g、167kcal
・うどん:20.8g、105kcal
・そうめん:24.9g、127kcal
・中華麺:27.9g、149kcal
・そば:24.0g、132kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
他の麺類と比べると、パスタはカロリーも糖質も決して低くないことがわかります。
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まとめ
栄養素が多く含まれ、低GI値であるパスタは、パスタソースや食べ方を工夫すれば、他の炭水化物に比べると糖質制限中やダイエット中でも比較的安心して食べられる食材です。いろいろなパスタやソースを試して、自分に合ったパスタの食べ方を見つけてみてください。
プロフィール

監修者:藤井歩
管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として高齢者福祉施設での給食管理業務、企業での特定保健指導、栄養講座講師、栄養指導ツール開発などの業務に携わる。
その後はフリーランスとなり、オンラインでのダイエット指導、特定保健指導、レシピ作成、コラム執筆など、栄養に関するさまざまな業務に携わっている。