【管理栄養士監修】バナナの糖質やカロリーは?太る太らない噂の真相
朝ご飯にもおやつにもなるバナナ。スーパーで気軽に手に入れられることもあり、よく食べるという人も多いのではないでしょうか。しかし、バナナは太るという噂も耳にします。そこでこの記事では、バナナの糖質量・カロリーはいったいどのくらいなのか、徹底解説しています。
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バナナ1本分の糖質はごはんよりも低い!

ダイエットブームで一世を風靡した一方で、甘く食べ応えがあることから太るというイメージを持つ人もいるバナナ。実は、バナナ1本分の糖質量は、ごはん1杯分の糖質量よりも低いです。ここでは、バナナ100g中の糖質量と1本分の糖質量を確認してみましょう。糖質量は文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」を参考に、「炭水化物-食物繊維」で計算しています。
■バナナ100g中の糖質量
・バナナ(生):21.4g
・バナナ(乾燥):71.5g
・【参考】ご飯(うるち米): 36.8g
上記の通り、バナナ(生)はご飯よりも100g当たりでは15.4g分、糖質量が少なくなっています。糖尿病やダイエットなどで糖質制限をしている方にとっては嬉しいですね。しかし、バナナ(乾燥)の場合は、同じ質量で計測すると、水分が抜ける分、生よりも量が増えることから糖質とカロリーが高くなります。ドライバナナは、かさが少なく食べやすいですが、食べ過ぎにはくれぐれも気をつけましょう。ちなみに、バナナ(生)1本はおよそ90gなので、1本分に換算した場合の糖質量は以下の通りです。
■バナナ1本分の糖質量
・バナナ(生):19.3g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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バナナのカロリー

続いて、糖質と同じく種類ごとのバナナと参考としてご飯の各100g中のカロリーも確認してみましょう。
■バナナ100g中のカロリー
・バナナ(生):86kcal
・バナナ(乾燥):299kcal
・【参考】ご飯(うるち米):168kcal
バナナのカロリーは、生よりも乾燥の方が高いことがわかります。またご飯と比較しても、バナナ(生)のカロリーは低くなっています。ちなみに、バナナ1本分のカロリーは以下の通りです。
■バナナ1本分のカロリー
・バナナ(生):77kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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バナナの栄養と効能

ここでは、バナナに含まれる栄養素とその効能をご紹介します。
カリウム
カリウムは、バナナに含まれる栄養成分の中でも多くの割合を占めている栄養成分です。ナトリウム(塩分)を排出する効果が期待されることで知られています。塩分の摂り過ぎはむくみの原因となりますが、カリウムは体内から余分な塩分を排出してくれるため、むくみ予防につながるといわれています。また、カリウムはゆでるなどの調理で減少してしまいますが、バナナならそのまま食べられるため、まるごと摂取することが可能です。
食物繊維
バナナには、多くの食物繊維が含まれています。整腸作用が期待されますので、便秘でお悩みの方には、ぜひおすすめしたい食材です。
ビタミンB6
バナナにはビタミンB群が多く含まれています。中でもビタミンB6は、タンパク質からエネルギーを作り出すときや、筋肉・血液が作られるときに働きます。そのため、代謝を向上させる効果があるといわれています。運動後にもバナナの摂取をすすめられるのは、これが理由のひとつです。
マグネシウム
マグネシウムは人にとって必要なミネラルの一種です。骨の形成や筋肉の収縮、体温や血圧の調整をする働きがあります。また、マグネシウムには代謝を促す働きもあるため、メタボや糖尿病の予防にも効果があるといわれています。
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バナナの糖質・カロリーを他の果物と比べると?

最後に、他の果物とバナナの100g中の糖質・カロリーを比較してみましょう。ここでは、りんご・いちご・みかんとバナナを比較してみます。
■100g中の糖質・カロリー
・バナナ(生):糖質21.4g、カロリー86kcal
・りんご(皮むき、生):糖質14.1g、カロリー57kcal
・いちご(生):糖質7.1g、カロリー34kcal
・みかん(砂じょう、普通、生):糖質11.1g、カロリー45kcal
上記の通り、りんご・いちご・みかんよりもバナナの方が糖質・カロリーともに高いことがわかります。他の果物と同じ量を食べてしまうと、エネルギー過多になってしまうこともあるため、量を調節しながら食べることをおすすめします。また、ビタミンCならいちご、ビタミンA(β-カロテン)ならみかんなど、同じ果物でも多く含まれる栄養素が異なります。糖質やカロリーを気にすることはもちろん大切ですが、どんな栄養素が含まれているのかにも目を向けられるとよいですね。
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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まとめ
バナナはご飯よりも糖質量・カロリーともに低く、決して「食べたら太る食材」というわけではありません。しかし、栄養価が高いため、他の果物と比べると糖質量・カロリーは高くなりがちなため、食べるときには量に注意が必要です。また、バナナは運動時に役立つ栄養素を含む食品です。手軽にエネルギー補給につながるだけでなく、筋肉作りに役立つビタミンB6も含まれています。運動時にバナナを活用してよい体作りを目指してみるのもよいでしょう。
プロフィール

監修者:横川 仁美
管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。