【管理栄養士監修】スイカの糖質量はどのくらい?意外に多い栄養素もご紹介!
食欲のない暑い夏でも、よく冷えたスイカならいくらでも食べられるという方もいるようです。ただ、甘いスイカをたくさん食べると太るのではないかという心配の声も。水分の多いスイカですが、本当に食べ過ぎると太ったり血糖値に影響したりするのでしょうか。今回は、スイカの糖質、カロリー、栄養素などについてご紹介します。
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スイカの糖質量は?

スイカは硬い外皮に守られた中身のほとんどが水分でできています。可食部100gのうちの89.6gが水分ですから約90%が水分ということになります。そのため、たくさん食べてもそのほとんどが水分ですので満腹感を得やすいのが特徴です。
では、気になる糖質はどのくらいあるのでしょうか。スイカ100g中に含まれる糖質は9.2gですので、これは果物と比べるとやや少ない数値といえます。
スイカの1玉3kg程度のS玉を8等分した1切れの可食部の重さが225gほどなので、1/8カットのスイカに含まれる糖質は20.7gということになります。しかし、その半分が血糖値の上がりにくい果糖ですので、ダイエット中、甘みが欲しいときなどに上手く利用するのはおすすめです。
ちなみに、スイカは植物の分類でいえば果物ではなく野菜です。その他、メロンやイチゴなど、通常はデザートやおやつに食べることが多い野菜を、果実的野菜としています。
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スイカのカロリー

スイカのカロリーは、可食部100g当たり37kcalです。
果物も含めた全体の中では、重さに対するカロリーはやや低い部類に入ります。
S玉の1/8カットのスイカのエネルギーは83.3kcalとなり、決して高い数値ではありません。スイカは、食欲不振や水分不足になりがちな暑い季節に適した食品です。甘い水分を多量に含んだシャリシャリとした食感はのどごしも良く、食欲のないときでも手軽に栄養補給や水分補給ができます。
ただし、一時に大量に食べるのは考えもの。大玉を買ったときは冷蔵庫に入りきらないからと大量に食べてしまう傾向があるようです。半玉や1/4カットのものなど切り売りしているものを購入して、その都度新鮮なうちに食べるのが良いでしょう。
スイカの栄養と効能

水分ばかりのスイカはあまり栄養価がないと思われる人もいるでしょう。しかし、水分が多いため各栄養素の含有量の数値こそ低いものの、健康や美容に効果のある栄養素を含む食品として注目されています。
スイカの赤や黄色などの色素成分がβカロテンやリコピンと呼ばれるものです。特にスイカはβカロテンの含有量が多く、βカロテンが豊富な野菜で知られているかぼちゃ(日本)と同じくらい含まれています。
また、そんなβカロテンでよく知られているのが「抗酸化作用」です。活性酸素の発生を抑制して取り除くことにより、免疫力を高めたり、老化を予防したりする効果があるといわれています。肌のターンオーバーを促進し正常に保つ働きもあるため、美肌に興味ある人なら誰でも気になる成分でしょう。それだけでなくβカロテンは健康面でも有用性が高く、動脈硬化の予防や、免疫力の増強にも役立つことが期待されています。
また、スイカを語る上で忘れてならないのが「シトルリン」です。
アミノ酸の一種であるシトルリンは、日本人の科学者が1930年にスイカの果汁から発見した成分で、尿素回路を構成する化合物の一つとして、人の体内で重要な働きを担うことがわかっています。シトルリンは利尿作用があるため、腎臓病やむくみの防止にも効果的と言われています。
また、体内のシトルリンが増えることにより血管拡張作用が働くため、高血圧や動脈硬化予防も期待されています。血流量も増えるため、エネルギーの生成を促進し、運動の際のパフォーマンスも向上させると言われています。血流が増え血行が良くなれば冷えやむくみの解消、新陳代謝を活発にすることにより美肌のためにもよい影響を与えてくれるでしょう。
スイカと他の夏のフルーツの糖質・カロリーを比較

スイカ同様、夏のフルーツとして知られるメロン・パイナップル・マンゴーの糖質量およびカロリーをご紹介します。
■100gあたりの糖質・カロリー
・スイカ:糖質9.2g、カロリー37kcal
・メロン(温室):糖質9.8g、42kcal
・パイナップル:糖質12.5g、53kcal
・マンゴー:糖質15.6g、64kcal
紹介したフルーツの中では、スイカは比較的低糖質・低カロリーであることが分かります。水分を多く含むスイカは空腹感も満たすのにもちょうどいいので、ちょっとしたおやつとしても役立ちそうです。
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まとめ
スイカは水分が多いにもかかわらず、機能的な栄養素が豊富に含まれている食品だとわかりました。利尿作用は毒素を排出し、免疫力を高めることはさまざまなウイルスを含む病原体から身を守ることにもつながります。糖質も少ないため大量に食べない限りは血糖値に影響するのではないかという心配も不要です。夏バテを防止して健康を保つためにも効果的にスイカを摂取しましょう。
プロフィール

監修者:横川 仁美
管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。