【管理栄養士監修】豆腐の糖質とカロリーを調査!絹と木綿でどう違う?

日本人にとって身近な食材である豆腐。和食に使われることも多く、栄養バランスのよい食品のイメージですが、実際どのくらいの糖質やカロリーが含まれているのでしょうか。また絹や木綿といった種類ごとの細かな違いについても気になるところです。この記事では豆腐の種類や糖質、カロリーについて具体的な数値とともにご紹介します。

【管理栄養士監修】豆腐の糖質とカロリーを調査!絹と木綿でどう違う?

豆腐の糖質量

豆腐の糖質量

豆腐には絹や木綿だけでなく、作り方によっていろいろな種類があるのをご存じでしょうか。加熱凝固して作られる充てん豆腐や、崩れにくくゴーヤチャンプルーなどによく使われる沖縄豆腐、沖縄豆腐を型に入れて成形する前の柔らかいゆし豆腐など、種類は多岐にわたります。また、すき焼きなどの鍋料理にはよく焼き豆腐が使われます。ヘルシーな印象の豆腐ですが一体どれくらいの糖質を含んでいるのか、豆腐の種類ごとに100gあたりの糖質量を見ていきましょう。(糖質量は、炭水化物-食物繊維で計算)

・木綿豆腐:1.2g
・絹ごし豆腐:1.7g
・充てん豆腐:2.2g
・沖縄豆腐:0.2g
・ゆし豆腐:1.4g
・焼き豆腐:0.5g

(参照元:「文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)」http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0204r9.pdf

上記のデータから、絹と木綿を比べると糖質量が多いのは絹であることがわかります。この差が生まれる原因は、材料となる豆乳の濃度や製造工程の違いにあります。木綿は濃度の低い豆乳を使用するのに対し、絹は濃度の高い豆乳を使います。さらに水分が少ないものほど糖質量は少なくなるため、木綿を作るときは水分を抜く行程があることから糖質量に差が出てくるのです。ちなみに木綿豆腐の表面を焼き、さらに水分を抜いた焼き豆腐は、より糖質量も少ないことがわかります。糖質制限をしているときは、単に食感の違いだと思わず、糖質量の違いを気にして豆腐を選んでみるのもよいでしょう。

豆腐のカロリー

豆腐のカロリー

次に気になってくるのが豆腐のカロリーです。カロリーも上記と同じく豆腐の種類ごとに見ていきましょう。

・木綿豆腐:72kcal
・絹ごし豆腐:56kcal
・充てん豆腐:59kcal
・沖縄豆腐:106kcal
・ゆし豆腐:50kcal
・焼き豆腐:88kcal

(参照元:「文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)」http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0204r9.pdf

絹と木綿をカロリーで比較してみると、高いのは木綿です。これは単純に水分量の違いにあります。先ほど説明した通り、木綿は作るときに水分を抜く工程があり、その工程があることで木綿にたんぱく質がぎゅっと凝縮されるため、同じ100gで比べてみても木綿の方がカロリーが高くなるのです。また水分を絞っているのを特徴とする沖縄豆腐は、成形前のゆし豆腐のカロリーと比べると倍以上の差が生まれていることもわかります。

豆腐の栄養と効能

豆腐の栄養と効能

続いて、豆腐に含まれる栄養とその効能について見ていきましょう。豆腐は9種類の必須アミノ酸がたっぷりと含まれた栄養満点な食材です。必須アミノ酸は人の体内では作ることができないため、食事から摂取しなければなりません。また骨や歯の形成に欠かせないカルシウム、体内の酵素の働きを助けるビタミンB1やB2、抗酸化ビタミンとして活性酸素の働きを抑えるビタミンEなども含まれています。

さらに豆腐は大豆特有の栄養素も豊富に含んでおり、大豆サポニンやリノール酸は動脈硬化の予防に役立つともいわれています。その他、大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、骨粗しょう症や乳がん、前立腺がんなどの予防効果が期待できるとされています。

また豆腐は植物性であるためコレステロールを含まず、カロリーも低いことからダイエットにも最適です。特にビタミンEには美容効果もあるといわれており、女性に嬉しい食材だといえるでしょう。冷や奴やお味噌汁の具、麻婆豆腐などレシピによっていろいろなたのしみ方ができるので、ぜひ積極的に食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

他の大豆食品と糖質量を比較

他の大豆食品と糖質量を比較

最後に、豆腐と他の大豆食品に含まれる100g中の糖質やカロリーを比較してみましょう。

・木綿豆腐:糖質1.2g、72kcal
・絹豆腐:糖質1.7g、56kcal
・大豆(国産 黄大豆 ゆで):糖質1.8g、176kcal
・豆乳:糖質2.9g、46kcal
・納豆:糖質5.4g、200kcal
・おから(生):糖質2.3g、111kcal
・高野豆腐(水煮):糖質0.6g、115kcal

上記から、木綿豆腐は糖質面でいえば高野豆腐に続いて2番目に低く、カロリー面では豆乳に続き3番目に低いことがわかります。このことから糖質量やカロリーにこだわりながらもきちんとした栄養を摂取するには、木綿豆腐がおすすめといえるでしょう。ただし、おからには食物繊維が豊富に含まれていたり、豆乳は脂質が低かったりなど、大豆食品それぞれが特徴を持っています。自分が摂りたい栄養素や抑えたい栄養素などを考え、必要に応じて食べ分けるとよいでしょう。

まとめ

豆腐は大豆由来の豊富な栄養素を含みながらも低カロリーな万能食品です。絹と木綿も種類ごとにそれぞれのよさがあり、料理によって使い分けるのもいいでしょう。普段豆腐をあまり食べないという方も、ぜひ食卓に並べる機会を増やしてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

監修者:横川 仁美

監修者:横川 仁美

管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。