ヨーグルトは筋トレに効果的?ヨーグルトのたんぱく質と栄養素、食べるときのポイントについて
筋トレの効果を最大限に発揮するためには、必要な栄養素を含んだ食材を選ぶことが不可欠です。中でもヨーグルトは、体を鍛えたい人に適した食材です。 筋トレの効果を高めるための食事の摂り方、ヨーグルトのたんぱく質と栄養成分やその効果、さらに筋トレ中の方がヨーグルトを食べるときのポイントを紹介します。
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筋トレと食事の関係の重要性
筋肉を鍛え上げる効率的なステップは3段階あります。筋トレで筋肉の繊維を一旦破壊し、食事によって栄養を行き渡らせ、筋肉を休ませるという流れによって、質のよい筋肉が育っていきます。つまり筋肉を鍛えるには、トレーニング方法だけでなく、食事も重要な要素なのです。
では、食事の前と後、どのタイミングでトレーニングをするのが効率的なのでしょうか。
食前、つまり空腹状態で筋トレをするメリットは、筋繊維の破壊がスムーズに行われることにあります。ただし、これはデメリットにもなりえます。空腹時に活動すると交感神経が優位になるため、筋肉に送られる血液の量が増加、筋肉の消耗がより激しくなります。空腹だと体を動かすための栄養も足りておらず、エネルギーを補給しようと筋肉の分解が進みすぎてしまうため、せっかく鍛えた筋肉が減ってしまう恐れもあります。
食後に筋トレをするメリットは、破壊された筋繊維に栄養が吸収されやすいことです。ただし、食後は副交感神経が優位になり、血液を消化器官に多く流すタイミングになります。その最中に筋肉にも血液を送らなければならなくなると、消化器官の働きが弱まり、消化不良を起こしやすくなるため、その点はデメリットにもなります。
食前にも食後にも、メリット、デメリットはありますが、筋肉に対する影響だけを考えれば、食後の筋トレのほうが効果的とされています。消化不良を防ぐために、食後に2〜3時間空けてからトレーニングをするのがおすすめです。
ヨーグルトが筋トレ時に向いてる?

筋トレの際にヨーグルトを食べるといい、と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
筋トレをする際に必要な栄養素は、たんぱく質、糖質、ビタミンB群、ミネラルなどです。特に、筋肉を構成する材料である、たんぱく質をきちんと摂取することが大切です。
ヨーグルトには、たんぱく質が豊富に含まれています。特に、乳製品に含まれるたんぱく質には「BCAA」が豊富です。BCAAは「分岐鎖アミノ酸」と呼ばれ、筋肉のたんぱく質の分解を抑制し、合成を促進する働きがあります。このBCAAを多く含む食材を摂ることが筋トレにとって重要になります。
手軽に摂取できる乳製品としては牛乳もありますが、ヨーグルトのほうが乳酸菌の働きで、たんぱく質の一部が吸収されやすい形に分解されているという特徴があります。消化器官に負担がかかりにくい上に、たんぱく質が吸収されやすくなるので、ヨーグルトは筋トレとの相性が良いと言われているわけです。
また、ヨーグルトには腸内環境を整える働きもあるとされ、消化吸収をスムーズにすることに役立つ点も筋トレに向いているといえるでしょう。
ただし、ヨーグルトにはもともと脂肪分が多く含まれているので、無脂肪タイプがおすすめです。なお、甘いヨーグルトやソースが付いているものは糖分が過剰になるので、プレーンタイプを選ぶといいでしょう。
ヨーグルトに含まれるたんぱく質の量は?
ヨーグルト100gに含まれるたんぱく質の量は以下のとおりです。
・脱脂加糖(普通ヨーグルト):4.3g
・全脂無糖(プレーンヨーグルト):3.6g
・ドリンクタイプ、加糖:2.9g
(引用元:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0213r9.pdf)
たんぱく質の量だけで見ると、プレーンヨーグルトより普通のヨーグルトのほうが多いことがわかります。糖質をどのくらい摂取するかによって選ぶといいでしょう。
ヨーグルトに含まれる栄養は?
たんぱく質以外にヨーグルトに多く含まれている栄養素は、カリウム、カルシウム、ビタミンB2です。
カリウムは筋肉の収縮において大きな役割を担っているため、筋トレに重要な栄養素といえます。カルシウムは骨の組織を生成するのを助けるので、骨にも負担をかける筋トレにはぴったりです。ビタミンB2は、糖質、脂質、たんぱく質全ての代謝を助けます。
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ヨーグルトを食べるときのポイント

ここまでヨーグルトの良さをご紹介しましたが、効率よくヨーグルトを摂取するにはどうすればいいのでしょうか。
筋トレをすると、体内の糖質がエネルギーとしてどんどん消費されていきます。筋トレをした後はエネルギーが不足した状態になるため、糖質が足りていないと糖質の代わりに筋肉が分解されてしまいます。そのため、筋トレをしてから30分以内にヨーグルトを食べることで、適度に糖質を補給することができ、筋肉の維持が期待されます。
ヨーグルトの良さをより生かす方法として、ホットヨーグルトが挙げられます。
ヨーグルトを温めることで内臓機能を高め、栄養素の吸収率を上げることができるとされています。また、体を温めることで代謝アップが期待できます。
また、バナナと一緒に食べることで、筋トレをして失われたカリウムをさらに補うことができます。ただし、バナナには糖質が多く含まれているため、バナナと一緒にヨーグルトを食べる際は無糖のものを選ぶようにしましょう。
さらに、ギリシャヨーグルトなど、水切りされたヨーグルトはたんぱく質が多く含まれています。栄養分は失われず、たんぱく質が通常のヨーグルトのほぼ倍になっているため、筋トレ時におすすめです。
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まとめ
筋トレと食事は切っても切り離せない関係です。効率的に筋肉へ栄養を届けるためには食材選びが重要になります。ヨーグルトはたんぱく質を多く含むほか、ビタミン、ミネラルも豊富で適度な糖質も含みます。筋トレの効果をより高めるために、食後2〜3時間空けてからのトレーニングと、筋トレ後30分以内のヨーグルト摂取をこころがけましょう。
プロフィール

監修者:横川 仁美
管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方に、食のアドバイスに携わる。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
また、健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。