【管理栄養士監修】みかんの糖質とカロリーはどれくらい?ダイエットとの相性も詳しく解説!
冬に旬を迎え、甘酸っぱい味わいが特徴のみかんですが、つい、いくつも食べてしまい、その糖質やカロリーが気になる方は多いのではないでしょうか。そこで当記事では、みかんに含まれる糖質量とカロリーを、他の柑橘類と比較してご紹介します。あわせて、みかんの持つ栄養素も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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みかんの糖質量はどのくらい?低いって本当?

冬の時期に旬を迎え、ついこたつで手が伸びてしまうみかん。ダイエットや糖質制限をしている人は、糖質量が気になるのではないでしょうか。まずは、みかん100gあたりの糖質量をご紹介します。
■みかん100g中の糖質量
・じょうのう(早生、生):11.2g
・じょうのう(普通、生):11.0g
・砂じょう(早生、生):10.9g
・砂じょう(普通、生):11.1g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
標準的なサイズのみかん1個が大体100gなので、1個あたりの糖質量もおおよそ上記数値でお考え下さい。
「じょうのう」とは果肉の粒々を包んでいる薄皮の袋を指し、「砂じょう」は薄皮を剥がした粒々の果肉を指します。また「早生」は、10月頃に収穫できるみかんをいいます。これらを比べてみても、糖質量にほとんど違いはなく、だいたい11g程度といえます。
糖質の高い果物でバナナ(21.4g)、低いものでアボカド(0.9g)などがあることを踏まえると、みかんの糖質量は中間くらいのイメージです。ただし、みかんは美味しく、ついつい食べ過ぎてしまうこともありますよね。くれぐれも量には注意しましょう。
【料理家監修】みかんの日持ちは何日?常温・冷蔵・冷凍それぞれの保存方法を解説冬を代表する果物といえばみかんですが、袋や段ボールでまとめ買いする人も多いでしょう。ただあまりに多く買いすぎてしまうと、食べきれないうちにカビが生えてしまうこともあります。この記事ではみかんの賞味期限・消費期限がどのくらいか、保存の仕方や冷凍みかんの作り方などとともに解説します。
みかんのカロリーはどのくらい?

以前は「みかんダイエット」という言葉も流行りましたが、実際のところ、みかんのカロリーはどのくらいなのでしょうか。引き続き、100gあたりのみかんのカロリーを見てみましょう。
■みかん100g中のカロリー
・じょうのう(早生、生):45kcal
・じょうのう(普通、生):46kcal
・砂じょう(早生、生):43kcal
・砂じょう(普通、生):45kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
甘くておいしいみかんですが、そのカロリーは100gあたり45kcal程度と低いのが特徴です。果物は水分を多く含むため、お菓子などと比べて低カロリーな傾向にあります。
みかんの持つ栄養素を解説!

甘酸っぱい風味が特徴的なみかんには、ビタミンをはじめとしたさまざまな栄養が含まれています。ここでは、みかんの持つ栄養素について解説します。
・ビタミンC
みかんにはビタミンCが豊富に含まれており、2~3個で成人が1日に必要な量を摂取できるといわれています。ビタミンCにはコラーゲンの生成に関わる働きがある他、老化やがん、動脈硬化などを抑えることで知られている抗酸化の働きがあります。
・βクリプトキサンチン
ビタミンCと並んで、みかんに豊富に含まれる栄養素です。βクリプトキサンチンは、体内でビタミンAに変わります。強い抗酸化作用を持つ栄養素で、老化やがん、動脈硬化の予防の他、骨粗鬆症や生活習慣病の予防にも役立つとされています。
・ビタミンB1
糖質の代謝に関わる栄養素です。別名「疲労回復のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB1を正しく摂取することで、糖質からエネルギーを生産しやすくなり、疲労回復が見込めます。
・カリウム
カリウムには、体内の浸透圧の調整をする働きがあります。塩分と水分のバランスをよくすることで、むくみの解消に役立つといわれています。
・ペクチン
みかんのじょうのうに多く含まれる栄養素です。整腸作用があるため、便秘の改善に効果が期待されます。
・クエン酸
みかんの酸っぱさを作り出す栄養素です。疲労回復効果や血をきれいにする働きがあるといわれています。
みかんと他の柑橘類の糖質・カロリーを比べると?

次に、みかんと他の柑橘類100gあたりの糖質・カロリーを比較してみましょう。ここでは比較対象として、いよかん・ぽんかん・オレンジ・グレープフルーツを取り上げています。
■100g中の糖質量・カロリー
・みかん(砂じょう、普通、生):糖質11.1g、カロリー45kcal
・いよかん(砂じょう、生):糖質10.7g、カロリー46kcal
・ぽんかん(砂じょう、生):糖質8.9g、カロリー40kcal
・オレンジ(ネーブル、砂じょう、生):糖質10.8g、カロリー46kcal
・グレープフルーツ(白肉種、砂じょう、生):糖質9.0g、カロリー38kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
上記の結果から、比較的糖質量が低いのはぽんかんとグレープフルーツだとわかります。これらはカロリーも低いため、柑橘類の中で糖質・カロリーともに低いものを食べたいときには試してみるのもいいでしょう。
みかんはダイエットに向いている?
みかんはダイエットに向いているでしょうか?これまで見てきたように、みかんのカロリーは100gあたり40~45kcal程度、糖度は100g(みかん約1個)10g前後なので、決して高くはありません。
しかしみかんは口当たりもよく、甘くて食べやすいため、つい4個、5個と食べてしまいがちです。みかんが大好きでも糖分を抑えるという意味では、ダイエット中はなるべくたくさん食べるのは控えたほうがよいといえます。
しかし、みかんには、糖分以外にたくさんの体に必要な栄養素が含まれています。
ダイエットで食事を減らしている方は、特に様々な栄養素が不足することが懸念されます。みかんにはビタミン・ミネラルなどの栄養素が数多く含まれているため、みかん1つ食べるだけでもそういった栄養素を補うことができるでしょう。
β-クリプトキサンチン
たとえば、みかんに豊富に含まれているβ-クリプトキサンチンはカロテノイド(天然の色素成分)類のひとつで、必要に応じて体の中でビタミンAに変わり、健康維持を助けます。
ビタミンAが不足してしまうと、皮膚が乾燥しやすくなったり、目が乾いたり、抵抗力が弱くなり風邪が引きやすくなってしまいます。このように、みかんはダイエット中でも肌の保湿力を上げて乾燥から守り、健康を保ってくれるのです。
食物繊維
さらに、みかんには水溶性食物繊維、不溶性食物繊維がちょうど半々ずつ含まれています。水溶性食物繊維は水に溶けるため、体内でドロドロのゲル状になります。これが体への糖質の吸収をゆるやかにしてくれます。また、コレステロールなどの余分な脂質を吸着して対外に排出してくれるため、ダイエット効果につながります。さらに、水溶性繊維は腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の餌になって成長を助けるため、腸内環境を整えることに繋がります。
一方、不溶性食物繊維は水に溶けず、胃や腸内で水分を吸収して膨らみます。便の体積を増やし、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を活発にし、便通を促してくれます。また、河川や海の汚染によって、食物を通じて知らないうちに体に入ってしまうダイオキシンや水銀などの有害物質を、不溶性食物繊維が吸着して体の外に排出してくれる働きもあることがわかっています。
いくらダイエット中でも、1日1回の排便は健康の目安です。その排便の手助けをしてくれ、腸内環境を整え、さらにデトックスもしてくれるのが食物繊維なのです。
鉄分
意外かもしれませんが、みかんには鉄分も含まれています。この鉄分は基礎代謝を保つ手助けをしてくれます。鉄分が不足してしまうと、筋肉や内臓の働きが低下しまうため基礎代謝が落ちます。すると、運動しても痩せにくい体質になってしまうのです。
鉄分不足は血液中の赤血球の数と質が落ちて貧血を引き起こすことは有名ですが、それ以上に、鉄分をきちんと摂取することで、体内の熱生成力を正常に保ち、基礎代謝量を落とさないようにしてくれるのです。
このように、みかんは美味しく食べやすいだけでなく、そこに含まれる様々な成分があなたのダイエットを支えてくれます。そのまま食べるだけでなく、サラダに入れたり、みかんドレッシングを作ったり、料理の彩りとして添えるなど、いろいろな工夫をして楽しみながら食べてくださいね。
まとめ
みかんの糖質量・カロリーは、柑橘類の中では若干高いものの、ビタミンCやβクリプトキサンチンなど、健康によい栄養素が多く含まれます。旬の時期にはぜひ、普段の食事にみかんを取り入れてみてください。
プロフィール

監修者:藤井歩
管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として高齢者福祉施設での給食管理業務、企業での特定保健指導、栄養講座講師、栄養指導ツール開発などの業務に携わる。
その後はフリーランスとなり、オンラインでのダイエット指導、特定保健指導、レシピ作成、コラム執筆など、栄養に関するさまざまな業務に携わっている。