【管理栄養士監修】かんぴょうに含まれる食物繊維は野菜顔負け! 知られざる栄養成分を解説
かんぴょうといえば、巻き寿司に入っているイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?料理の主役になることはあまりないですが、実は様々な健康維持に関わる栄養素を含む食材です。この記事ではかんぴょうの原料や製法、含まれる栄養素に加え、おすすめの食べ方について詳しく解説します。
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かんぴょうに関する基礎知識

かんぴょうは何から、どのように作られているかご存じでしょうか?かんぴょうは「夕顔(ユウガオ)」というウリ科の植物の果肉が原料です。夕顔の実は30cmほどの大きさで、ひょうたんのような形をしています。かんぴょうは、夕顔の果肉を細長く削り、乾燥して作られます。
かんぴょうにはどのような栄養素が含まれている?

かんぴょうには健康維持に欠かせない、以下の栄養素が豊富に含まれています。
食物繊維
かんぴょうは縦に繊維が走っていて噛み応えがあります。これは、食物繊維が多く含まれているためです。かんぴょうと野菜の一例として人参に含まれる食物繊維を比較してみましょう。
■かんぴょう100g中の食物繊維量
・かんぴょう(乾燥):30.1g
・かんぴょう(ゆで):5.3g
・【参考】人参(根・皮付き・ゆで):3.0g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
ゆでたかんぴょうと人参を比較すると、かんぴょうには人参の約2倍の食物繊維が含まれることがわかります。
カリウム
野菜や果物に多く含まれるイメージの強いカリウムですが、かんぴょうにも多く含まれます。カリウムは細胞内の濃度を一定に保つ働きがあり、取りすぎた塩分を体の外へ排出する役割もあります。
カルシウム
乳製品や小魚などに多く含まれるカルシウムですが、かんぴょうにも豊富に含まれます。カルシウムには骨や歯の構成成分となるほか、神経を安定させる役割や、筋肉の収縮、出血の予防にも関与しています。
マグネシウム
かんぴょうはマグネシウムも豊富に含んでいます。マグネシウムは体の細胞や骨の構成成分であり、300種もの体内の化学反応を助ける働きもしています。筋肉を動かす働きや体温調整などの役割もあります。
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かんぴょうに含まれる栄養素はどんな効果効能がある?

前述したかんぴょうに含まれる栄養素は、どんな効果・効能が期待できるのでしょうか。
腸内環境を整える
かんぴょうに豊富に含まれる食物繊維には腸内環境を整える働きがあります。特に日本人に足りない栄養素と言われているので、積極的に摂りたいですね。
血圧の低下やむくみの改善
かんぴょうに含まれるカリウムには、体内の塩分濃度を下げる働きがあるので、血圧の低下やむくみの改善に効果が期待できます。
骨や歯の健康に役立つ
かんぴょうには、骨や歯を形成する成分であるカルシウムとマグネシウムの両方が含まれています。体内のマグネシウムが足りなくなると、カルシウムの値も同時に下がってしまうので、両方をバランスよく摂ることが大切です。
かんぴょうの栄養価を活かすおすすめの食べ合わせ

体にうれしい栄養素が豊富に含まれるかんぴょうですが、どんな料理に入れて食べればよいかイメージしづらい方も多いでしょう。ここでは、よりかんぴょうの栄養価を高められる、おすすめの食材・料理を紹介します。
椎茸などきのこ類
きのこ類にはビタミンDが多く含まれます。ビタミンDは、カルシウムを吸収する際に必要な栄養素です。骨の健康維持には、カルシウムとビタミンDをバランスよく摂ることが必要です。そのため、かんぴょうを食べるときにはきのこ類も一緒に摂りましょう。
水溶性食物繊維を含む食材
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つに分けられます。かんぴょうには不溶性食物繊維が多く含まれます。水溶性食物繊維は水に溶け軟便を形成する働きがあり、不溶性食物繊維は水に溶けず便量のかさを増す働きがあります。良好な腸内環境のためにはこの2つの食物繊維をバランスよく摂ることが必要です。
水溶性食物繊維を多く含む食材としては、大根や玉ねぎ、長芋、じゃがいも、キャベツ、果物が挙げられます。これらの食材とかんぴょうと一緒に摂ることで、よりよい腸内環境を目指せます。
味噌汁や煮物
味噌汁や煮物など、塩分が高くなりがちな料理には、具材としてかんぴょうを入れるのがおすすめです。かんぴょうに含まれる食物繊維やカリウムが、余分な塩分を排出してくれます。味噌汁や煮物は日常的に食べることも多いので、かんぴょうを加えることを習慣にするとよいでしょう。
まとめ
かんぴょうには食物繊維やカリウムなど健康維持に役立つ様々な栄養素が含まれています。また、きのこ類や水溶性食物繊維を多く含む食材をと合わせることで、かんぴょうの持つ栄養素の効果がより期待できます。さらに、塩分の気になる料理に具材として加えることで、塩分の排出を助ける働きもあります。
ぜひ、日々の食生活にかんぴょうを取り入れ、不足しがちな栄養素の補給と健康維持に役立てていきましょう。
プロフィール

監修者:安藤ゆりえ
管理栄養士。フリーランスとして食品会社のレシピ開発や栄養指導、健康栄養情報を発信するWEBライターとしても活動。
「食から健康を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河の八丁味噌や三河みりんなど伝統的な調味料の素晴らしさを伝える調味料講座も開催。
また、砂糖の代わりに本みりんを使ったみりんスイーツのレシピ考案や教室を開催するみりんスイーツ研究家としても活動中。