【管理栄養士監修】豆腐のたんぱく質やカロリーはどのくらい? 体に嬉しい栄養を種類別に紹介
豆腐といえば、そのまま食べるのはもちろん、炒める・煮る・焼くなどさまざまな調理法で楽しまれている、日本人になじみ深い食材です。ヘルシー食材としても知られており、体重が気になるときに取り入れる方も多いでしょう。今回は、豆腐に含まれるたんぱく質やカロリーなどについてご紹介します。
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豆腐に含まれるたんぱく質はどのくらい?

豆腐に含まれる栄養素といえば、まず「たんぱく質」を思い浮かべる方も多いでしょう。では、実際にはどの程度のたんぱく質が含まれているのでしょうか?
主な種類の豆腐100g中のたんぱく質含有量は、以下の通りです。
■豆腐100g中のたんぱく質量
・木綿豆腐:7.0g
・絹ごし豆腐:5.3g
・焼き豆腐:7.8g
・凍り豆腐(水煮):10.7g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)
とうふ100gは、大体1/3丁の量になります。そのため、上記の数値は、小皿に乗せた豆腐1皿分程度のたんぱく質量となります。
比較してみると、たんぱく質がもっとも多く含まれているのは凍り豆腐(水煮)で、逆にもっともたんぱく質量が少ないのは絹ごし豆腐です。こうした差が生じる理由は、製造方法の違いにあります。
凍り豆腐は、豆腐を凍らせたあとに乾燥させるといった製造工程を経ているため、大豆の栄養成分が凝縮されており、たんぱく質量が多くなります。
対して絹ごし豆腐は、なめらかな舌触りと柔らかい食感にするため、豆乳を凝固させたあとは水分を抜かずに製造します。そのため絹ごし豆腐には水分量が多く、その分、たんぱく質量が少なくなるのです。
【管理栄養士監修】豆腐の糖質とカロリーを調査!絹と木綿でどう違う?日本人にとって身近な食材である豆腐。和食に使われることも多く、栄養バランスのよい食品のイメージですが、実際どのくらいの糖質やカロリーが含まれているのでしょうか。また絹や木綿といった種類ごとの細かな違いについても気になるところです。この記事では豆腐の種類や糖質、カロリーについて具体的な数値とともにご紹介します。
豆腐は低カロリー? 気になる数値は?

豆腐は低カロリーかつ満足感のある食材として知られており、体重が気になる方の強い味方です。主な豆腐のカロリー量は、以下の通りです。
■豆腐100g中のカロリー
・木綿豆腐:80kcal
・絹ごし豆腐:62kcal
・焼き豆腐:88kcal
・凍り豆腐(水煮):115kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)
比較してみると、凍り豆腐がもっともカロリーが高く、絹ごし豆腐がもっとも低カロリーとなっています。たんぱく質と同様に、水分量や製造方法の違いにより、カロリー量にも差が生まれます。
たとえば木綿豆腐と焼き豆腐を比較した場合、焼き豆腐のほうがやや高カロリーであることが分かります。というのも、焼き豆腐は木綿豆腐を水切りし、バーナーや炭火などで焼き目をつけて作られているため、木綿豆腐よりも水分量が少ないからです。
単純なカロリー量でいえば、絹ごし豆腐が一番ダイエットに適しているように見えますが、調理方法や付け合わせなどにもよるため、それらも加味したメニューを考えるとよいでしょう。
豆腐に含まれる栄養を種類別に紹介

豆腐は種類によって、味や食感だけでなく含まれる栄養も異なります。そのため、体調のお悩みによって、食べる豆腐の種類を選ぶのもおすすめです。
木綿豆腐

しっかりとした食感と濃厚な大豆の風味が特徴の木綿豆腐は、さまざまな調理法に適しているため、もっとも取り入れやすい豆腐です。
木綿豆腐には貧血予防につながる鉄分や、骨や歯を丈夫に保つうえで重要なカルシウムが豊富に含まれています。特にカルシウムには神経の興奮を抑える作用もあり、イライラ予防にも効果的といわれています。
また、抗酸化作用のあるビタミンEも多く含んでいます。ビタミンEには血行を促す働きもあり、冷え性や肩こり、腰痛の予防・解消にも効果が期待できます。
絹ごし豆腐

他の豆腐とは異なり、水分を抜く工程がないため、水と一緒に流れ出やすい水溶性の栄養素の含有量が多くなっています。
糖質の代謝を促し、肥満予防や疲労回復などの効果が期待できるビタミンB1や、3大栄養素の代謝をサポートし、粘膜の健康を保つのに役立つといわれているビタミンB2。さらには、体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を促すカリウムが多く含まれており、高血圧の予防やむくみ予防にも効果的とされています。
高野豆腐

高野豆腐は保存性を高めるため、凍らせたあとに乾燥させるという方法で製造されており、大豆の栄養が凝縮されています。乾燥した状態では、木綿豆腐の実に約7倍ものたんぱく質量を誇ります。
また、不飽和脂肪酸も多く含まれており、血中コレステロール値を減少させる効果が期待できます。不飽和脂肪酸は体内で合成できず、食物から摂取する必要があるため、高野豆腐を食べることで効率的に摂取できます。
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たんぱく質補給におすすめの豆腐の食べ方

豆腐だけでもたんぱく質をしっかりと補給できますが、食べ合わせを意識することで、より効果的にたんぱく質を摂ることができます。ここでは、豆腐を使ったおすすめの食べ合わせをご紹介します。
豆腐+豚肉
植物性のたんぱく質が豊富な豆腐と、動物性のたんぱく質が豊富な豚肉を一緒に摂取することで、免疫力強化の働きが高まります。豚肉を使った肉豆腐などが、手軽にできておすすめです。
豆腐+えび
低脂質・高たんぱくな食材の組み合わせなので、胃腸への負担が少ないです。また、豆腐とえびにはカルシウムや鉄分が豊富ゆえ、骨の強化・貧血防止に効果的です。中華料理のうま煮などが代表的です。
まとめ
豆腐は単においしいだけでなく、低カロリーでボリュームがあるうえ、たんぱく質をはじめとした体にうれしい栄養素を多分に含んでいます。豆腐の種類によって、味わいや適した調理法も異なるため、料理によって使い分けてみましょう。
また、豆腐はクセのない味わいから、いろいろな食材との相性がよいので、お気に入りの組み合わせを見つける楽しみもあります。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ毎日の食生活に豆腐を取り入れてみてくださいね。
プロフィール

監修者:藤井歩
管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として高齢者福祉施設での給食管理業務、企業での特定保健指導、栄養講座講師、栄養指導ツール開発などの業務に携わる。
その後はフリーランスとなり、オンラインでのダイエット指導、特定保健指導、レシピ作成、コラム執筆など、栄養に関するさまざまな業務に携わっている。