【管理栄養士監修】ごまに含まれるたんぱく質はどれくらい?栄養素・おすすめの食べ合わせも解説

「食べる丸薬」と言われるほど栄養が豊富なごま。たんぱく質も多く含まれていますが、どれくらい含まれているかご存知でしょうか? この記事では、ごまに含まれるたんぱく質の量や栄養素について解説します。

【管理栄養士監修】ごまに含まれるたんぱく質はどれくらい?栄養素・おすすめの食べ合わせも解説

ごまに含まれるたんぱく質はどれくらい?

ごまに含まれるたんぱく質はどれくらい?

ごまは栄養が豊富なことで知られていますが、いったいどれほどのたんぱく質が含まれているのでしょうか。様々なごまを比較してみましょう。

■100g中のたんぱく質
・ごま(乾):19.8g
・ごま(いり):20.3g
・ごま(むき):19.3g
・ごま(ねり):19.0g

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)

ごまの約20%はたんぱく質でできており、この数値は肉や魚と同等です。たんぱく質は私たちの体には欠かせない栄養素のひとつで、臓器や血液、筋肉、骨格、皮膚などの組織、酵素やホルモン、神経伝達物質の材料になります。
ごまは必須アミノ酸のメチオニンを多く含み、豆腐などの大豆製品と一緒に摂取することでアミノ酸スコアが良好になります。

アミノ酸スコアとは

食べ物に含まれるたんぱく質の中で、必須アミノ酸がバランス良く含まれているかどうかを数字で表したものです。たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類ほどありますが、その中でも人が体内で合成ができないものを必須アミノ酸と言います。必須アミノ酸には、先ほど紹介したメチオニンのほかに、イソロイシン・ロイシン・フェニルアラニン・リジン・バリン・スレオニン・トリプトファン・ヒスチジンの合計9種類があります。これらは健康の維持や体の発育に欠かせないものですが、体内で作れないため、食品から摂取しなければなりません。

ごまに含まれるその他の栄養素

ごまに含まれるその他の栄養素

たんぱく質のほかに、ごまには以下のような栄養素が豊富に含まれています。

ゴマリグナン

ごまの成分中に約1%含まれており、ごまにしかない強い抗酸化作用をもつ栄養素です。ゴマリグナンに含まれる抗酸化成分には、有名なセサミンのほかに、セサモリン・セサミノールなどがあります。生活習慣病をはじめ、病気の原因となる活性酸素の発生を抑える効果が期待されています。

リノール酸、オレイン酸

ごまの約50%は脂質でできていますが、実はコレステロールはゼロで、必須脂肪酸のリノール酸とオレイン酸を多く含んでいます。必須脂肪酸とは、体内で合成されるものではなく、食品から摂取しなければならない脂肪酸です。これら2つは、血中コレステロールの上昇を抑える優れた働きがあります。

不溶性食物繊維

食物繊維は不足すると便秘になりやすくなります。ごまの約10%は不溶性食物繊維で構成され、腸内環境を整えて腸内細菌を良好に保つ効果が期待されています。ごまの不溶性食物繊維は、ほとんど消化されることがないまま腸へたどりつくため、より便秘解消に役立つとされています。

ごまと一緒に食べたい食材

ごまと一緒に食べたい食材

ここでは、たんぱく質を効率よく摂取するため、ごまと一緒に食べてほしい食材を解説します。

大豆

ごまと大豆はどちらもたんぱく質が豊富ですが、それぞれもっている必須アミノ酸が異なります。そのため、一緒に摂取すればお互いの足りないアミノ酸を補い合える相性のよい組み合わせです。大豆製品の豆腐やきな粉などと一緒に組み合わせて食べるとよいでしょう。

緑黄色野菜

ごまにはビタミンCが含まれていません。そのため、ビタミンCなどが豊富に含まれている緑黄色野菜と一緒に食べるとよいでしょう。ブロッコリーやほうれん草などをごま和えにするのもおすすめです。

マグロ、カツオ、レバー

これらに多く含まれているビタミンB6は、たんぱく質の代謝に欠かせない成分です。たんぱく質が豊富に含まれているごまと合わせて食べることで、たんぱく質の代謝が促進され、効率よく吸収されます。

まとめ

ごまはたんぱく質だけではなく、体を健康へ導くゴマリグナンや食物繊維が含まれる優秀な食品です。脂質が多く含まれているため摂り過ぎは禁物ですが、毎日大さじ2杯ほどならば健康維持に役立ちます。毎日、適量を摂取できるとよいでしょう。

プロフィール

監修者:石川桃子

監修者:石川桃子

管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。その後、歯科医院へ管理栄養士として就職し、食べる入り口となる《お口の健康=身体の健康》を伝えるべく活動をしている。健康になるために糖質コントロールなどの一人一人の生活スタイルに合わせた食事指導や砂糖を使わないレシピなどを提供。食事アプローチに携わる。
また、多くの方が健康に興味を持ってもらえるよう歯科医院での食事指導を広めるべく、独自で管理栄養士対象の歯科栄養ベーシック講座を2020年に開講。