【管理栄養士監修】卵のたんぱく質・カロリーはどれくらい?黄身・白身別に解説
卵かけごはんやスクランブルエッグ、玉子焼き、プリンなど、卵は様々な料理やスイーツに使われています。栄養価が高い食材とのイメージも強いでしょう。この記事では、卵のカロリーやたんぱく質などの栄養素を紹介します。
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卵に含まれるたんぱく質はどのくらい?

まず、卵1個に含まれるたんぱく質量を生卵、ゆで卵で比較しました。
■卵(1個50g)のたんぱく質量
・鶏卵(全卵・生):6.2g
・鶏卵(全卵・ゆで):6.5g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
厚生労働省発表の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、男性(18歳以上)のたんぱく質推奨量は65gです。
卵1個で1日の約1/10のたんぱく質が補える計算です。
尚、生卵とゆで卵でたんぱく質量が変わる理由は、茹でると卵の水分が抜けるためです。茹でた状態で50gを計量すると比率的にたんぱく質が増えます。なので、1個の卵を茹でたら、たんぱく質が増える、ということではありません。
また卵は、卵黄と卵白に含まれるたんぱく質量がそれぞれ異なります。
標準的な大きさの卵は1個あたり50gで、個体差はありますがそのうち卵黄は19g、卵白は31gという割合になっています。
では、1個あたりのたんぱく質量は卵黄と卵白のどちらに多く含まれるのでしょうか。
■鶏卵(1個50g)卵黄(19g)と卵白(31g)のたんぱく質量
・鶏卵(卵黄・生):3.1g
・鶏卵(卵黄・ゆで):3.2g
・鶏卵(卵白・生):3.3g
・鶏卵(卵白・ゆで):3.5g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
卵1個に含まれるたんぱく質量は、卵黄と卵白とでおおよそ同じくらいであることが分かります。
それでは卵黄と卵白を同じ重さで比較するとどうでしょうか。
■卵黄と卵白それぞれ100g中のたんぱく質量
・鶏卵(卵黄・生):16.5g
・鶏卵(卵黄・ゆで):16.7g
・鶏卵(卵白・生):10.5g
・鶏卵(卵白・ゆで):11.3g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
100g中では卵白よりも卵黄の方に多くたんぱく質量が含まれます。
卵に含まれるカロリーはどのくらい?

卵は栄養価が高い分カロリーも高いのでしょうか。
1個あたりの生卵、ゆで卵のカロリーは以下の通りです。
■卵(1個50g)のカロリー
・鶏卵(全卵・生):76kcal
・鶏卵(全卵・ゆで):76kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
卵を1個食べると76kcalと覚えておくとよいでしょう。
1個あたりの卵黄と卵白では、たんぱく質量に差はほとんどありませんでしたが、カロリーはどうでしょうか。
■卵(1個50g)卵黄(19g)と卵白(31g)のカロリー
・鶏卵(卵黄・生):74kcal
・鶏卵(卵黄・ゆで):73kcal
・鶏卵(卵白・生):15kcal
・鶏卵(卵白・ゆで):16kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
卵黄はカロリーが高く、卵白はカロリーが低めです。
卵白はたんぱく質が豊富に含まれる割にカロリーが低いので、カロリーを抑えてたんぱく質を摂取したいときにおすすめです。
卵黄と卵白を同じ100gの分量で比較するとどうでしょうか。
■卵黄と卵白それぞれ100g中のカロリー
・卵黄(生):387kcal
・卵黄(ゆで):386kcal
・卵白(生):47kcal
・卵白(ゆで):50kcal
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
卵黄は卵白の8倍近くのカロリーが含まれていることが分かります。
卵黄をたくさん使う料理やスイーツを食べる際にはカロリーに注意しましょう。
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卵に含まれる栄養素

たんぱく質豊富な卵ですが、他にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
必須アミノ酸
卵には良質なたんぱく質が多く含まれます。
たんぱく質はアミノ酸から構成されますが、その中でも体内で合成されず食物から摂らなければならないアミノ酸は9種類あります。その9種のアミノ酸は「必須アミノ酸」と総称され、卵にはそれらが全て含まれています。
ビタミンA
卵にはビタミンAも多く含まれます。ビタミンAは抗酸化ビタミンのひとつで、がんや老化、動脈硬化などを引き起こすとされる活性酸素の体内での発生を抑えたり、取り除いてくれたりする働きがあります。
また、不足すると夜盲症を引き起こすなど、眼の健康維持にも欠かせない栄養素のひとつです。
レシチン
レシチンとはリン脂質の代表的なものです。リン脂質とは、体の細胞一つひとつを構成する成分で、体内で脂肪をエネルギーとして使ったり、蓄えておいたりする役割があります。リン脂質の不足は血液中のコレステロール値を高め、生活習慣病を引き起こす原因ともなります。
卵と一緒に食べたい食材

卵に多く含まれるたんぱく質を効率よく摂取するために、一緒に摂るとよい栄養素があります。それらの栄養素が含まれる食材を見ていきましょう。
ビタミンB6
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関わるビタミンです。たんぱく質は消化されてアミノ酸に分解されますが、そのアミノ酸を再度体に必要なたんぱく質に合成する際、ビタミンB6が必要となります。
ビタミンB6は、カツオやマグロ、鮭などの魚やレバー、バナナなどに多く含まれます。
マグネシウム
マグネシウムは体内の300種類以上の酵素反応に関わっており、たんぱく質の合成や筋肉の収縮などにも関与しています。不足すると筋肉の痙攣を引き起こすこともあるので、たんぱく質を摂って効率的に筋肉をつけたい方は、特に意識して摂りたい栄養素です。
マグネシウムは海藻類や豆腐、小松菜やほうれん草などに多く含まれています。
糖質
糖質には摂ると太りやすいというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、糖質は体の重要なエネルギー源です。摂りすぎはもちろん肥満につながりますが、不足すると運動や筋トレで筋肉を動かす際、筋肉を分解してエネルギーを得ようとしてしまうこともあります。そこで、効率よく筋肉をつけるためには糖質を適量摂ることが大切です。糖質はお米や麺、パン、芋類などに多く含まれます。
まとめ
卵はたんぱく質の他、様々な栄養素が含まれる食材です。 特に卵白は、卵黄と同等のたんぱく質を含みカロリーが低いので、カロリーは気になるけれどたんぱく質はしっかり摂りたいという方におすすめです。
たんぱく質と一緒に摂るとよいビタミンB6、マグネシウム、糖質などもバランスよく取り入れながら、効率的に摂取していきましょう。
プロフィール

監修者:安藤ゆりえ
管理栄養士。フリーランスとして食品会社のレシピ開発や栄養指導、健康栄養情報を発信するWEBライターとしても活動。
「食から健康を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河の八丁味噌や三河みりんなど伝統的な調味料の素晴らしさを伝える調味料講座も開催。
また、砂糖の代わりに本みりんを使ったみりんスイーツのレシピ考案や教室を開催するみりんスイーツ研究家としても活動中。