【管理栄養士監修】じゃがいもに含まれるたんぱく質はどれくらい?栄養素も
じゃがいもは和食にも洋食にも使え、食卓への登場頻度が高いご家庭も多いかと思います。この記事では、そんなじゃがいもに含まれるたんぱく質量や栄養素、たんぱく質をしっかり摂取するための食べ合わせなどをご紹介します。
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じゃがいもに含まれるたんぱく質

じゃがいもにはどれくらいのたんぱく質が含まれているのでしょうか。
じゃがいもは様々な調理法があるので、生の状態のほか、蒸し、茹で、フライドポテト、乾燥マッシュポテトで比較してみましょう。
■じゃがいも100g中のたんぱく質量
・じゃがいも(塊茎・生):1.8g
・じゃがいも(塊茎・蒸し):1.9g
・じゃがいも(塊茎・水煮):1.7g
・じゃがいも(フライドポテト):2.9g
・じゃがいも(乾燥マッシュポテト):6.6g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
じゃがいもの主成分はでんぷん(炭水化物)なので、含まれるたんぱく質量はそれほど多くありません。
また、蒸し、茹で、水煮と比較してフライドポテトと乾燥マッシュポテトはたんぱく質量が多いことがわかります。
この理由は、じゃがいもは約80%が水分からなることにあります。揚げたフライドポテトや乾燥させたマッシュポテトはじゃがいもの中の水分が少なくなり、その分たんぱく質の割合が高くなるのです。
ちなみに標準的な大きさのじゃがいもは150gほどなので、生、茹で、水煮100gの量はじゃがいも2/3個分とイメージすると分かりやすいかと思います。フライドポテト100gはファストフード店のSサイズとMサイズの間くらいの量です。乾燥マッシュポテトは100gで約4人分の量ができるイメージです。
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じゃがいもに含まれる栄養素

じゃがいもにはでんぷん(炭水化物)のほか、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。
ビタミンC
みずみずしい果物や野菜に多く含まれているイメージのビタミンCですが、実はじゃがいもにも多く含まれています。
ビタミンCは、皮膚や血管のコラーゲンを作る原料となることから、美肌効果が期待できます。また、老化や免疫力低下の原因となる活性酸素の働きを抑える役割も持っています。
さらに、じゃがいも中のでんぷんがビタミンCを保護する役割を担うので、加熱によっても壊れにくいという特徴があります。
カリウム
じゃがいもにはカリウムというミネラルも多く含まれています。カリウムは体内の塩分を排出してくれる役割があり、むくみに悩んでいる方におすすめです。
塩分の取りすぎが原因のひとつとされる高血圧の予防のためにも、しっかり摂取することが望ましい栄養素です。
食物繊維
じゃがいもには食物繊維も多く含まれています。
食物繊維には、摂りすぎた糖分や脂質、塩分などを絡め取って体外へ排出してくれる働きや、便通を改善する働きがあります。食物繊維も不足しがちなので、積極的に摂取するといいでしょう。
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たんぱく質をたくさん摂取するための食べ合わせメニュー

じゃがいもにはたんぱく質が多く含まれていないため、たんぱく質の多い食材と組み合わせた料理にすることが大切です。
おすすめの料理を紹介します。
じゃがいも料理の定番「肉じゃが」
肉じゃがは牛肉や豚肉などたんぱく質が多く含まれるお肉と組み合わせた料理なので、じゃがいもに不足しているたんぱく質を補えます。
たんぱく質量を確保するために、お肉はなるべく脂身の少ない部位を選ぶといいでしょう。
おからを加えた「ポテトサラダ」
じゃがいも料理の定番であるポテトサラダは、大豆からできているおからを加えればたんぱく質量がアップします。
おからはマッシュしたじゃがいもと食感が似ているため、それほど違和感もなく食べられます。
汁物にするなら「豚汁」
じゃがいもは味噌汁やスープなど、汁物に入れてもおいしいですが、特に豚肉はたんぱく質が豊富に含まれているので、豚汁にするといいでしょう。また、豆腐も一緒に入れると、さらにたんぱく質量がアップするのでおすすめです。
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まとめ
じゃがいもにはたんぱく質はあまり含まれませんが、ビタミンCやカリウム、食物繊維など積極的に摂りたい栄養素が含まれています。
たんぱく質を意識して摂りたい方は、お肉や大豆製品などたんぱく質が豊富な食材とじゃがいもを組み合わせるとよいでしょう。
プロフィール

監修者:安藤ゆりえ
管理栄養士。フリーランスとして食品会社のレシピ開発や栄養指導、健康栄養情報を発信するWEBライターとしても活動。
「食から健康を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河の八丁味噌や三河みりんなど伝統的な調味料の素晴らしさを伝える調味料講座も開催。
また、砂糖の代わりに本みりんを使ったみりんスイーツのレシピ考案や教室を開催するみりんスイーツ研究家としても活動中。