【管理栄養士監修】豆乳に含まれるたんぱく質はどれくらい?無調整・調整の違いは?
ヘルシーな飲み物として人気の豆乳。豆乳は大豆を原料とした飲み物なので、植物性の大豆たんぱく質が多く含まれています。では、実際にはたんぱく質はどのくらい含まれているのでしょうか?たんぱく質以外の栄養素や、無調整豆乳と調整豆乳・豆乳飲料との違いについても解説します。
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豆乳に含まれるたんぱく質はどれくらい?

たんぱく質を摂るために豆乳を飲んでいるという方もいるか思いますが、たんぱく質を摂る際に注目したいのが「アミノ酸スコア」です。アミノ酸スコアとは、たんぱく質に含まれる必須アミノ酸(体内でつくることができず、食事から摂取する必要のあるアミノ酸のこと)のバランスを評価した数値で、100に近いほどそのバランスが良いといえます。大豆たんぱく質のアミノ酸スコアは100であり、さらに消化吸収率もよいため、豆乳は良質なたんぱく質を効率よく摂れる飲み物なのです。
豆乳には、大きく分けて3つの種類があります。豆乳に水以外のものを加えない「無調整豆乳」、豆乳に砂糖、塩を加えて飲みやすくした「調整豆乳」、調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えた「豆乳飲料」です。この3種類の豆乳に含まれるたんぱく質量にちがいはあるのでしょうか?
■豆乳100ml中のたんぱく質量
・無調整豆乳:3.6g
・調整豆乳:3.2g
・豆乳飲料・麦芽コーヒー:2.2g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)
比較してみると、無調整豆乳のたんぱく質量がもっとも多く、豆乳飲料のたんぱく質量がもっとも少ないことがわかります。そのため、たんぱく質を摂る目的で豆乳を飲む場合には、無調整豆乳を選ぶのがおすすめです。
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豆乳に含まれるその他の栄養素

豆乳にはたんぱく質だけでなく、健康や美容にうれしいさまざまな栄養素が含まれています。
では、具体的にどのような栄養素が含まれているのか見ていきましょう。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンはポリフェノールの一種で、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをします。そのため、ホルモンバランスを整えて、閉経後にリスクが高まる骨粗しょう症の予防に効果が期待できます。
レシチン
レシチンには動脈硬化や高血圧を予防する働きがあり、生活習慣病予防に役立つといわれています。また、脳細胞を活性化させることで認知症予防にも効果が期待できます。
オリゴ糖
オリゴ糖は腸内細菌のビフィズス菌や乳酸菌の栄養源となるため、腸内環境の改善につながり、便通を整える効果があるといわれています。
カリウム
カリウムには体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を促す作用があります。高血圧やむくみの予防・改善に役立つとされています。
ビタミンB群
ビタミンB群はエネルギー代謝に関わる栄養素です。中でも、ビタミンB1には糖質の代謝をサポートする働きがあり、肥満予防や疲労回復などに効果的といわれています。
ビタミンE
ビタミンEには血行を促す働きがあり、血行不良による肩こりや腰痛、冷え性などの予防・改善に効果が期待できます。また、抗酸化作用もあるため、美肌や老化予防にも効果があるといわれています。
マグネシウム
マグネシウムは神経伝達や栄養素の合成など、体内で重要な役割を担う栄養素です。そのため、神経の興奮を抑えて精神を安定させたり、骨を丈夫にしたり、さまざまな働きが期待できます。
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まとめ
豆乳には良質なたんぱく質が豊富に含まれており、さまざまな栄養を手軽に摂れるうれしい飲み物です。無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の3種類があり、それぞれでたんぱく質量が異なります。そのまま飲むのはもちろん、食材として料理に活用するのもおすすめです。ぜひ食生活に取り入れてみてください。
プロフィール

監修者:藤井歩
管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として高齢者福祉施設での給食管理業務、企業での特定保健指導、栄養講座講師、栄養指導ツール開発などの業務に携わる。
その後はフリーランスとなり、オンラインでのダイエット指導、特定保健指導、レシピ作成、コラム執筆など、栄養に関するさまざまな業務に携わっている。