【管理栄養士監修】そばに含まれるたんぱく質はどれくらい?その他の栄養素も徹底解説!
夏はざるそば、冬は年越しそばや月見そばなど、1年を通して楽しめる日本食を代表する「そば」。この記事では、そばにはどのくらいのたんぱく質が含まれているのか、ほかにどのような栄養素が含まれているのかなどをご紹介します。また、そばを使用してさらにたんぱく質を摂取できるメニューもあわせてご紹介します。
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そばに含まれるたんぱく質はどれくらい?

そばはつるつると喉ごしがよく、あっさりとしていて、食欲がないときでも食べられるという方も多いのではないでしょうか。多くの日本人に親しまれているそばには、どのくらいのたんぱく質が含まれているのか見てみましょう。
■そば100g中のたんぱく質量
・そば(生):9.8g
・そば(ゆで):4.8g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
生のそばとゆでそばでは、大きな差があるように見えますが、ゆでそばはゆでたときに水分を含み膨張するため、100g中のたんぱく質量が減ってしまいます。
そばに含まれるたんぱく質の割合はとても多く、そば(ゆで)は精白米(炊いた状態)の2倍近くもあります。アミノ酸スコアが92という良質なたんぱく質で、穀物の中で量・質ともにとても優秀な食材と言えます。
アミノ酸スコアとは、食品におけるたんぱく質の中の必須アミノ酸のバランスを数値化したものです。0~100で表され、100に近いほど「必須アミノ酸がバランス良く全て含まれている」ということになります。必須アミノ酸にはイソロイシンやメチオニンなど9種類があり、いずれも健康維持に欠かせない栄養素であるため全てがバランス良く揃っていることが重要です。また、必須アミノ酸は体内で合成されないため、必ず食品から摂取する必要があります。
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そばに含まれるその他の栄養素

そばは穀物の中でもたんぱく質が豊富ですが、そのほかの栄養素はいったいどのようなものが含まれているのでしょうか。
炭水化物
そばに最も多く含まれているのは炭水化物です。そのため糖質も多く、糖質を気にしている方は食べ過ぎに注意が必要です。
ルチン
そばが体によいと言われている大きな理由は、ルチンが含まれているためです。ルチンはポリフェノールの一種で、毛細血管の働きを強化して血液の循環を良くし、新陳代謝を高めます。体に悪影響をもたらすと言われている活性酸素を除去してくれる抗酸化作用も期待できます。水溶性のルチンはそばをゆでる際に湯に溶け出してしまうため、そば湯まで楽しむとよいでしょう。
不溶性食物繊維
そばは食品の中でも、不溶性食物繊維がトップクラスと言われています。不溶性食物繊維は糖の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑える効果が期待されています。また、整腸作用があるため、便秘の改善にも役立ちます。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質の代謝に関わる栄養素で、糖質を効率よくエネルギーに変えます。そして代謝された糖質は、脳や神経などの働きを正常に保つ役割を担っています。ビタミンB1が不足すると、めまいや食欲不振、疲労の原因となる可能性があります。
ビタミンB2
ビタミンB2も代謝に関わる栄養素です。脂質や糖質・たんぱく質の代謝を助け、新陳代謝を促進する働きがあります。皮脂の分泌を調整する働きがあり、肌荒れの予防にも役立ちます。ビタミンB2が不足すると、口周辺の炎症や口内炎などをおこしやすくなります。
ビタミンB1・B2は、どちらも水溶性のビタミンの一種です。ルチンと同様、そばをゆでる際に湯の中へ溶け出してしまうため、そば湯まで飲んで無駄なく摂取しましょう。
たんぱく質をたくさん摂取するための食べ合わせメニュー

ここでは、そばと組み合わせることでたんぱく質をさらに摂取できる食べ合わせメニューをご紹介します。
食べ応え抜群の肉そば
温かいそばに甘辛く味付けをした牛肉をのせるだけで、より多くのたんぱく質を摂取できます。1人前100gのバラ牛肉を加えることで、たんぱく質量が10g以上アップします。効率よくたんぱく質を摂取できるうえ、ボリュームも満点でお腹も満足できるでしょう。
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版」(七訂)
栄養バランスが整った月見そば
月見そばは、卵さえあれば誰でも簡単にできます。作り方は、温かいそばに生卵を落とすだけといたってシンプルです。卵を加えることでたんぱく質の増加だけでなく、葉酸、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、亜鉛、鉄、リン、マグネシウム、カルシウムと様々な栄養素が一緒に摂取できます。お好みで、きざみねぎや海苔を加えると、栄養だけでなく見栄えもアップします。
まとめ
そばはアミノ酸スコアが高く、穀物の中でも良質なたんぱく質が含まれる食品です。ルチンや食物繊維、ビタミンB1、B2などが豊富で、健康維持にぴったりです。さっぱりとして淡白な味であるため、様々なアレンジが楽しめます。肉や卵、野菜などを加えることで、味の変化を楽しみつつ、より効率よくたんぱく質やその他の栄養を摂取していきましょう。
プロフィール

監修者:石川桃子
管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。その後、歯科医院へ管理栄養士として就職し、食べる入り口となる《お口の健康=身体の健康》を伝えるべく活動をしている。健康になるために糖質コントロールなどの一人一人の生活スタイルに合わせた食事指導や砂糖を使わないレシピなどを提供。食事アプローチに携わる。
また、多くの方が健康に興味を持ってもらえるよう歯科医院での食事指導を広めるべく、独自で管理栄養士対象の歯科栄養ベーシック講座を2020年に開講。