牛肉の部位別のたんぱく質を徹底解説!栄養素を補うおすすめの部位も解説

牛丼やすき焼き、ローストビーフなど、日常からハレの日まで幅広く料理に使われる牛肉ですが、そこに含まれるたんぱく質の量はどれほどでしょうか?この記事では、牛肉の部位ごと(肩・ロース・リブ・サーロイン・もも・ランプ・ヒレ)のたんぱく質量を解説するとともに、牛肉に含まれる栄養素についても触れていきます。

牛肉の部位別のたんぱく質を徹底解説!栄養素を補うおすすめの部位も解説

牛肉のたんぱく質はどのくらい?部位別に解説!

牛肉のたんぱく質はどのくらい?部位別に解説!

牛肉には、赤身である「もも肉」や脂身の多い「サーロイン」など様々な部位があります。いずれも人気があり、よく食べられていますが、どのくらいたんぱく質が含まれているのでしょうか?部位や調理法別にご紹介します。

牛かた肉100g中のたんぱく量

部位たんぱく質量
かた(脂身つき、生)19.0g
かた(皮下脂肪なし、生)19.6g
かた(赤肉、生)20.4g
かた(脂身、生)7.1g

牛かたロース肉100g中のたんぱく量

部位たんぱく質量
かたロース(脂身つき、生)17.9g
かたロース(皮下脂肪なし、生)18.0g
かたロース(赤肉、生)19.7g

牛リブロース肉100g中のたんぱく量

部位たんぱく質量
リブロース(脂身つき、生)20.1g
リブロース(脂身つき、焼き)25.0g
リブロース(脂身つき、ゆで)25.8g
リブロース(皮下脂肪なし、生)20.3g
リブロース(赤肉、生)21.7g
リブロース(脂身、生)5.7g

牛サーロイン肉100g中のたんぱく量

部位たんぱく質量
サーロイン(脂身つき、生)17.4g
サーロイン(皮下脂肪なし、生)19.1g
サーロイン(赤肉、生)22.0g

牛もも肉100g中のたんぱく量

部位たんぱく質量
もも(脂身つき、生)19.6g
もも(皮下脂肪なし、生)20.0g
もも(皮下脂肪なし、焼き)28.0g
もも(皮下脂肪なし、ゆで)30.0g
もも(赤肉、生)21.2g
もも(脂身、生)6.3g

牛ランプ肉100g中のたんぱく量

部位たんぱく質量
ランプ(脂身つき、生)18.4g
ランプ(皮下脂肪なし、生)19.7g
ランプ(赤肉、生)21.6g

牛ヒレ肉100g中のたんぱく量

部位たんぱく質量
ヒレ(赤肉、生)20.5g

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

部位にかかわらず、赤身はたんぱく質量が多く、脂身は低いのが特徴です。
ちなみに高級な部位として知られるサーロインとは、肩から腰にかけてのロース肉の一部です。腰側の真上で、背中の中央部辺りの部位で、さし(赤身部分の中の網の目状の脂肪)が多く入っています。

調理法別では、生、焼き、ゆでを比較すると、焼いたときにもっともたんぱく質量が多くなります。肉を焼くことによって水分が抜けた分、相対的にたんぱく質の割合が大きくなるからです。

牛肉のたんぱく質には、人間の体内では作り出せない「必須アミノ酸」が多く含まれ、その含有率を示す「アミノ酸スコア」は満点の100点です。たんぱく質は身体の構成成分になるほか、エネルギー源にもなる重要な栄養素で、20種類のアミノ酸から構成されますが、うち9種類が食品から摂取する必要がある必須アミノ酸です。必須アミノ酸が多く含まれる食材は卵類・肉類・豆類などですが、牛肉はその中でも非常に良質なたんぱく源であり、効率よくたんぱく質を摂取したい方にはおすすめの食材です。

牛肉の栄養素は?ビタミンB群など健康に嬉しい栄養が豊富!

牛肉の栄養素は?ビタミンB群など健康に嬉しい栄養が豊富!

牛肉にはたんぱく質以外にどのような栄養素が含まれるのでしょうか?豊富に含まれる栄養素は部位ごとに異なるので、いくつか抜粋して解説していきます。

ビタミンB群

牛肉には、「ビタミンB6」や「ビタミンB12」などのビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わる酵素で、たんぱく質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。ビタミンB12も同じくたんぱく質の代謝に関与しており、欠乏すると巨赤芽球性貧血などが起こることもある重要な栄養素です。

牛肉のレバーや赤身肉には鉄が多く含まれます。鉄は造血に関わり、体の隅々まで酸素を運ぶヘモグロビンの材料となるミネラルです。不足すると貧血になったり、運動機能にも影響を及ぼしたりする可能性があるため、意識して摂りたい栄養素です。

リン

ヒレ肉やもも肉には、リンが多く含まれています。リンはカルシウムとともに骨の構成成分となるほか、エネルギー代謝にも必須のミネラルですが、加工食品などにはリン酸塩として多く含まれ、どちらかといえば摂取過剰になりやすい栄養素です。リンの過剰摂取はホルモンバランスの乱れや腎臓に負担がかかるともいわれていますので、食生活全般を通じて適量を摂取するようにしましょう。

脂質

肩ロースやサーロイン、ばら肉などは脂身が多いため、脂質が高い分カロリーも高くなりがちです。すき焼きやステーキなどでよく使われる部位ですが、脂質とカロリーの摂りすぎにならないよう、食べる量に注意が必要です。日常的にたんぱく質や鉄、ビタミンB群などを効率的に摂るならば、赤身肉の方がおすすめです。

まとめ

牛肉には、生きていくうえで欠かせない必須アミノ酸を摂取できる良質なたんぱく質が豊富に含まれています。特に、赤身はたんぱく質の量が多いだけでなく、ビタミンB群や鉄などの重要な働きをする栄養素を多く含んでいるので、効率よく栄養を摂取したい方にはヒレ肉やもも肉がおすすめです。
一方で、脂身の多い部分は高カロリーになりがちです。たまに食べるには問題ありませんが、日常的に食べるのはおすすめしません。
料理によって様々な使い分けができる牛肉。部位による栄養素の違いも知った上で、日々の食事に取り入れていきましょう。

プロフィール

監修者:安藤ゆりえ

監修者:安藤ゆりえ

管理栄養士。フリーランスとして食品会社のレシピ開発や栄養指導、健康栄養情報を発信するWEBライターとしても活動。
「食から健康を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河の八丁味噌や三河みりんなど伝統的な調味料の素晴らしさを伝える調味料講座も開催。
また、砂糖の代わりに本みりんを使ったみりんスイーツのレシピ考案や教室を開催するみりんスイーツ研究家としても活動中。