【管理栄養士監修】ハムに含まれるたんぱく質は?種類別のたんぱく質量や栄養素なども解説
スーパーに行くとロースハムやボンレスハムだけでなく、生ハムや骨付きハムなど、さまざまな種類のハムが並んでいます。この記事ではハムの種類別のたんぱく質量と、ハムに含まれる栄養素をご紹介します。
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ハムのたんぱく質はどのくらい? 種類別に解説&他の肉製品と比較

ハムといってもさまざまな種類があります。部位によってたんぱく質量が異なるので、まずはハム1枚分のたんぱく質量を種類別に見ていきましょう。
本来ハム1枚の重さは製品や種類によって異なりますが、本記事では、数値をわかりやすく比較するために一般的なロースハム1枚(10g)に合わせて比較しています。
■ハム10g中のたんぱく質量
・ロースハム(ゆで):2.0g
・ロースハム(焼き):2.4g
・ショルダーハム:1.6g
・ボンレスハム:1.9g
・生ハム(促成):2.4g
・生ハム(長期熟成):2.5g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
同じロースハムでも「ゆで」や「焼き」で、たんぱく質量が多くなるのは、調理過程でハムの水分が失われることによって栄養が凝縮するためです。
ちなみに、ハムは塩漬けして燻製し、加熱した加工食品です。ロースハムは、豚のロース肉を加工したもので、やわらかく食べやすいのが特徴。ショルダーハムは豚肩肉を加工したもので赤肉が多く含まれます。ボンレスハムはもも肉から骨を抜いて加工したもので、あっさりした味わいが魅力です。
一方の生ハムは、豚肩肉やロース肉、もも肉を塩漬けした後に乾燥、燻製したもので、熟成を行わない「促成」と、長期の熟成を行う「長期熟成」の2タイプがあります。生ハムは乾燥をさせるため、水分が抜け、より一層栄養素が凝縮するため、たんぱく質量も多くなります。
なお、ここからは一般的に「ハム」として売られるロースハムを中心に解説していきます。
では、次にロースハムのたんぱく質量を他の肉や加工肉製品のたんぱく質量と比較してみましょう。こちらもわかりやすいようにロースハム1枚(10g)の量に合わせて紹介します。
■10g中のたんぱく質量
・ロースハム:1.8g
・鶏肉(ささ身、生):2.4g
・ローストビーフ:2.2g
・ウインナーソーセージ:1.2g
・ベーコン:1.3g
【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
たんぱく質が豊富なことで知られている鶏ささ身や、ローストビーフには劣りますが、朝食メニューでハム同様によく使われるウインナーソーセージやベーコンよりは、ハムの方がたんぱく質量が多いことがわかります。
他の食材と比べて非常に多いというわけではありませんが、ハムはたんぱく質摂取の観点において、取り入れたい食材と言えます。
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ハムの栄養素は?脂質やビタミンなどハムに含まれる栄養を解説

ハムは鶏ささ身などよりはたんぱく質量がやや劣るものの、それでも豊富なたんぱく質を含みます。特にボンレスハムはカロリー、脂質ともに低く、かみ応えがあるのでダイエット中や筋肉トレーニングの後の食事におすすめです。また、生ハムもたんぱく質量がハムの中では豊富ですが、脂質が多く、長期熟成のものは塩分が多いため、食べ方には注意が必要です。
では、たんぱく質以外では、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。
ビタミンB1
ハムには、皮膚や粘膜の健康維持に役立つビタミンB1が含まれています。ビタミンB1はエネルギー代謝に関わる栄養素で、不足すると食欲不振やだるさなどの症状がでます。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群のひとつでエネルギーづくりをはじめ、脂質や糖質の分解に役立ちます。熱に強く、水に溶けやすい性質なので、スープにハムを入れる場合には、しっかり飲み切るようにしましょう。
リン
リンは、カルシウム、マグネシウムとともに、骨や歯をつくる成分です。ただし、「骨のために」とハムをたくさん食べてしまうと塩分を摂りすぎてしまい、むくみの原因になるため注意しましょう。
ハムはたんぱく質以外にも様々な栄養を含んでおり、ダイエットや筋肉トレーニングを心がけている方に適した食材であることが分かります。
まとめ
ロースハムやショルダーハム、生ハムなど、さまざまなハムにはたんぱく質が豊富に含まれています。日々の食事でハムを上手に使うことで、たんぱく質を効率よく摂取するといいでしょう。ただし、塩分も多く含まれるため、食べ過ぎには注意するようにしましょう。
プロフィール

監修者:石川桃子
管理栄養士。
管理栄養士専攻の大学を卒業し、管理栄養士国家試験資格を取得。その後、歯科医院へ管理栄養士として就職し、食べる入り口となる《お口の健康=身体の健康》を伝えるべく活動をしている。健康になるために糖質コントロールなどの一人一人の生活スタイルに合わせた食事指導や砂糖を使わないレシピなどを提供。食事アプローチに携わる。
また、多くの方が健康に興味を持ってもらえるよう歯科医院での食事指導を広めるべく、独自で管理栄養士対象の歯科栄養ベーシック講座を2020年に開講。