【管理栄養士監修】鶏肉のたんぱく質量は?「ビタミンB6」でたんぱく質代謝も促進!

鶏肉はゆでる・焼く・揚げる・蒸すなど、さまざまな調理法で親しまれている食材です。そんな鶏肉はお肉の中でもたんぱく質が豊富で脂質が少なく、健康的なイメージがありますよね。そこで今回は、鶏肉に含まれるたんぱく質量と、鶏肉にどんな栄養素が含まれるかについて解説します。

【管理栄養士監修】鶏肉のたんぱく質量は?「ビタミンB6」でたんぱく質代謝も促進!

鶏肉のたんぱく質量は? 部位別に紹介

鶏肉のたんぱく質量は? 部位別に紹介

高たんぱくでヘルシー食材として知られる鶏肉ですが、実際どのくらい、たんぱく質が含まれているのでしょうか? 鶏肉の部位と皮の有無、調理法別に見ていきましょう。

■鶏むね肉100g中のたんぱく質量
・皮つき(生):21.3g
・皮なし(生):23.3g
・皮つき(焼き):34.7g
・皮なし(焼き):38.8g

■鶏もも肉100g中のたんぱく質量
・皮つき(生):16.6g
・皮なし(生):19.0g
・皮つき(焼き):26.3g
・皮なし(焼き):25.5g
・皮つき(ゆで):22.3g
・皮なし(ゆで):25.1g

■鶏ささ身100g中のたんぱく質量
・生:23.9g
・焼き:31.7g
・ゆで:29.6g

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

むね肉(皮なし、生)、もも肉(皮なし、生)、ささ身(生)を比較すると、ささ身がもっともたんぱく質量が多いです。
また、生、焼き、ゆでの調理法で比較すると「焼き」がもっとも多くのたんぱく質量を含んでいることが分かります。これは鶏肉を焼くことでたんぱく質量が増えたのではなく、焼くことで鶏肉に含まれていた水分が抜け、100g中のたんぱく質量の割合が大きくなったためです。

鶏肉は部位ごとに差はありますが、非常に高たんぱくな食材です。アミノ酸スコアも100点満点のため、良質なたんぱく質源といえます。
アミノ酸スコアとは、食べものに含まれるたんぱく質の量と必須アミノ酸のバランスを評価する指標(満点は100点)で、アミノ酸スコアが高いほど良質なたんぱく質となります。

たんぱく質以外にも!部位別、鶏肉の豊富な栄養素

たんぱく質以外にも!部位別、鶏肉の豊富な栄養素

鶏肉にはたんぱく質以外にどのような栄養素が含まれているのでしょうか?鶏肉全体と、先ほど紹介した部位ごとに含まれる栄養素について見ていきましょう。

鶏肉に共通して多く含まれる栄養素

①脂質

鶏肉の皮には脂質が多く含まれ、それに伴ってカロリーも高くなります。

■鶏肉100g中の脂質・カロリー
・むね(皮つき、生):脂質5.9g、145kcal
・むね(皮なし、生):脂質1.9g、116kcal
・もも(皮つき、生):脂質14.2g、204kcal
・もも(皮なし、生):脂質5.0g、127kcal
・ささ身(生):脂質0.8g、109kcal

【参考】文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

比べてみると、皮なしの方が格段に脂質が低く、カロリーも低めになることがわかります。特にささ身は非常に脂質が少ないです。
脂質は体にとって重要な栄養素ではありますが、カロリーや脂質が気になる方は、鶏ささ身または皮なしのものを選ぶか、調理前に皮を取り除くようにしましょう。

②ビタミンB6

また、鶏肉の栄養素で特に注目したいのはビタミンB6です。ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わり、食品中のたんぱく質からエネルギーを作り出すときに働きます。たんぱく質を多く摂取する方には必須の栄養素です。

③その他

他にも丈夫な骨づくりに必要なビタミンK、自律神経を整えるのに役立つトリプトファンなどが、鶏肉には多く含まれます。

鶏むね肉に多く含まれる栄養素

鶏むね肉には、他の部位に比べてビタミンB6やイミダゾールペプチドが豊富に含有されています。イミダゾールペプチドとは、渡り鳥やマグロ、カツオなどの回遊魚など、長時間運動し続けることが必要な生物の筋肉に多く含まれている物質です。筋肉を守り、早期に疲労を回復できる効果が分かっています。

鶏もも肉に多く含まれる栄養素

鶏もも肉は、鶏むね肉や鶏ささ身と比べて脂質が多く含まれます。また、ビタミンB2とビタミンEも豊富です。
ビタミンB2はエネルギーや脂質の代謝に関わり、不足すると口内炎などを引き起こすことがあります。一方のビタミンEは、老化や免疫機能の低下を引き起こす活性酸素の働きを抑える働きがあります。

鶏ささ身に含まれる栄養素について

鶏ささ身は鶏むね肉の内側にある部位で、その形が笹の葉に似ていることから名付けられています。ビタミンAやB群など各種ビタミンを豊富に含む一方、脂質、カロリーが他の部位よりも低く、ダイエット向きの食材としても知られています。たんぱく質量、ミネラルなども他の部位と比較して劣らないため、脂質やカロリーが気になる方に、おすすめの部位です。

まとめ

鶏肉はさまざまな調理方法でおいしく食べられるだけでなく、たんぱく質やビタミンB6などの体にうれしい栄養素を豊富に含んだ食材です。
部位や皮つきかどうかでたんぱく質量やカロリー、脂質、そして味わいが大きく変わるので、目的に合わせて使い方を工夫してみましょう。

プロフィール

監修者:安藤ゆりえ

監修者:安藤ゆりえ

管理栄養士。フリーランスとして食品会社のレシピ開発や栄養指導、健康栄養情報を発信するWEBライターとしても活動。
「食から健康を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河の八丁味噌や三河みりんなど伝統的な調味料の素晴らしさを伝える調味料講座も開催。
また、砂糖の代わりに本みりんを使ったみりんスイーツのレシピ考案や教室を開催するみりんスイーツ研究家としても活動中。